精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:348

経口抗精神病薬とLAI併用の実態調査

 統合失調症患者における持効性注射剤(LAI)と経口薬の同時処方の頻度および期間について、米国・ペンシルベニア大学のJalpa A Doshi氏らが調査を行った。診療ガイドライン推奨のLAI治療は、一般的にはアドヒアランス不良の患者に対するモノセラピー選択肢と見なされている。LAI治療を受けている患者の、経口抗精神病薬の同時処方の割合や経過に関するデータは限定的であった。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2015年8月号の掲載報告。

難治性うつ病、抗うつ薬変更とアリピプラゾール追加、どちらが有用か

 うつ病患者において、アリピプラゾール増強療法と他の抗うつ薬への切り替えについて有効性や忍容性を直接比較した研究はない。韓国・高麗大学校のChangsu Han氏らは、外来うつ病患者を対象に、アリピプラゾール増強療法と他の抗うつ薬への切り替えの治療効果を比較するため、6週間の評価者盲検無作為化直接比較試験を行った。Journal of psychiatric research誌2015年7-8月号の報告。

妊娠前後のSSRIは出生異常と関連するか/BMJ

 妊娠前後のパロキセチンおよびfluoxetineの使用により新生児の右室流出路狭窄のリスクが高まるが、他の選択的セロトニン再取り込み薬(SSRI)ではこのような関連はみられないことが、米国疾病管理予防センター(CDC)のJennita Reefhuis氏らの調査で明らかとなった。再生産年齢(reproductive age)および妊娠中の女性のSSRI使用が増加しているが、SSRIと出生異常の関連については相反する報告があり、妊娠中のSSRI使用のリスクとベネフィットの評価は十分ではないという。BMJ誌オンライン版2015年7月8日号掲載の報告。

せん妄患者への抗精神病薬、その安全性は

 冠疾患集中治療室(coronary care unit:CCU)入室患者において、せん妄の発生は、院内死亡率および1年死亡率の増大と関連していたことが、米国・メイヨークリニックのNiyada Naksuk氏らによる、過去10年の経験に基づく所見として報告された。これまで、せん妄患者に対する抗精神病薬治療の安全性は、ほとんど明らかになっていなかったが、ハロペリドールおよびクエチアピンの低用量投与は、注意深いモニタリング下にあった患者においては突然死、院内死亡、1年死亡のリスク増大はみられず、安全であると思われたことも報告している。European Heart Journal: Acute Cardiovascular Care誌オンライン版2015年6月29日号の掲載報告。

地中海食と認知機能の関連をRCTで検討

 酸化ストレスおよび血管障害は、加齢による認知機能低下に関連する。疫学的研究では、抗酸化物質に富み心疾患を予防するという地中海食が、認知機能の低下を遅らせると示唆されているが、臨床試験でのエビデンスはない。スペインInstitut d'Investigacions Biomediques August Pi SunyerのCinta Valls-Pedret氏らは、地中海食が、対照群と比較し、高齢者の認知機能に影響するかどうか調査した。その結果、オリーブオイルやナッツを加えた地中海食は認知機能の改善に関連していた。JAMA Internal Medicine誌2015年7月号に掲載。

双極性障害と心血管疾患の関係性

米国・メイヨークリニックうつ病センター(Mayo Clinic Depression Center)のMiguel L Prieto氏らは、精神病の既往や心血管疾患(CVD)リスク因子といった双極性障害の臨床的特徴が、双極性障害患者におけるCVDリスクに関与するかどうかを調査する目的で横断研究を実施した。その結果、精神病性双極性障害の表現型が心疾患の合併ならびにその重症度と関連している可能性があることが明らかにされた。Bipolar Disorder誌オンライン版2015年6月9日号の掲載報告。

統合失調症、脳容積とIQの関連

 統合失調症では知能低下と脳容積の減少がみられることが知られている。オランダ・ユトレヒト大学医療センターの久保田 学氏らは、統合失調症患者のIQと脳容積との関連について調査し、統合失調症における進行性の脳組織減少が、発症初期における相対的な認知機能低下と関連している可能性があることを報告した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2015年6月17日号の掲載報告。

レビー小体型認知症、認知機能と脳萎縮の関連:大阪市立大学

 レビー小体型認知症(DLB)患者における側頭葉内側萎縮(MTA)と認知機能障害との関係はいまだ明らかにされていない。大阪市立大学の田川 亮氏らは、これらの関係について、MRIを用いて検討した。その結果、MTAは記憶や言語に関する認知機能障害と関連している可能性を報告した。Geriatr Psychiatry Neurology誌オンライン版2015年6月11日号の掲載報告。  対象は、DLBと診断された37例で、1.5 Tesla MRIスキャナーにより検査した。すべてのMRIデータは、MRIスキャンで得られる画像上でMTAの程度を定量化できるvoxel-based specific regional analysis system for Alzheimer disease(VSRAD)の新型ソフトウエアを用いて分析した。関心体積(VOI)の標的は嗅内皮質、海馬、扁桃体の全領域とした。MTAの程度は標的VOI上の平均positive Zスコア(数値が高いほどMTAが重度)により評価した。認知機能障害の有無について、Mini-Mental State Examination(MMSE)および改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R:MMSEと比べ記憶と言語の評価に有効である)を用いて評価した。

初回エピソード統合失調症、LAIは経口薬より優る

 第2世代抗精神病薬の持効性注射剤(LAI)は、統合失調症患者の臨床的安定に高い効果をもたらす。しかし、これまで統合失調症初回エピソード後に用いられることはあまり多くはなかった。米国・カルフォルニア大学ロサンゼルス校のSubotnik KL氏らは、統合失調症初回エピソードにおけるリスペリドンの有効性を、剤形の違い(LAIと経口剤)で比較検討した。その結果、LAIは経口剤に比べ、精神症状の増悪や再発率が低く、その背景にLAIの良好なアドヒアランスが関連していることを報告した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2015年6月24日号の掲載報告。