急性アルコール摂取による負傷リスク、男女で差 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/04/04 飲酒による負傷リスクについて、性別、飲酒頻度、負傷の原因(交通事故、暴力、転倒など)によって違いがあるかを、米国・Alcohol Research GroupのCheryl J. Cherpitel氏らが、分析を行った。Alcohol and Alcoholism誌オンライン版2019年3月11日号の報告。 イベント後6時間以内に救急部(ED)に搬送された負傷患者1万8,627例についてケース・クロスオーバー分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・男女間での飲酒による負傷リスクは、3杯以下では同等であった(男性OR:2.74、女性OR:2.76)。 ・大量飲酒における負傷リスクは、女性において男性よりも高く、3.1~6杯(OR:0.60、CI:0.39~0.93)および6.1~10杯(OR:0.50、CI:0.27~0.93)で、飲酒量の相互作用による性差(gender by volume interaction:GVI)が有意に大きかった。 ・5回/月以上飲酒をしていた女性は、飲酒量に関係なく男性よりも負傷リスクが高く、5回/月未満で3杯以下の女性(OR:0.51、CI:0.28~0.92)および6.1~10杯の女性(OR:0.39、CI:0.18~0.82)よりもGVIの強い関連が認められた。 ・女性では、6杯未満での交通事故に関連するものを除き、男性よりも負傷リスクが高く、GVIは、3.1~6杯でほかの原因による負傷についてのみ有意であった(OR:0.23、CI:0.09~0.87)。 著者らは「大量飲酒の頻度に関係なく、女性は男性よりも飲酒による負傷リスク(交通事故関連を除く)が高いことが示唆された」としている。 ■関連記事 妊娠中の飲酒、子供の認知機能に及ぼす影響 飲酒運転の再発と交通事故、アルコール関連問題、衝動性のバイオマーカーとの関連 アルコール依存症に対するナルメフェンの有効性・安全性~非盲検試験 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Cherpitel CJ, et al. Alcohol Alcohol. 2019 Mar 11. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 肥満手術、SADI-SはRYGBを凌駕するか/Lancet(2025/09/09) 9月20日・21日、産業保健の最新動向を学ぶ!日本産業保健法学会【ご案内】(2025/09/09) 心房細動と動脈硬化、MRIで異なる脳血管病変示す/ESC2025(2025/09/09) うつ病治療において有酸素運動と組み合わせるべき最適な治療は(2025/09/09) DPP-4阻害薬でコントロール不十分な2型糖尿病にイメグリミン追加が有効~FAMILIAR試験(2025/09/09) 高齢者への不適切処方で全死亡リスク1.3倍、処方漏れで1.8倍(2025/09/09) オメガ3脂肪酸が小児の近視抑制に有効?(2025/09/09) 厳格な血圧コントロールは心臓の健康だけでなく費用対効果も改善(2025/09/09) [ あわせて読みたい ] 追憶の研修医時代が手の中でよみがえる本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第15回(2019/03/19) Dr.林の笑劇的救急問答14<上巻>(2019/03/15) 志水太郎の診断戦略ケーススタディ(2019/02/15) 今こそ風邪診療を見直す時【Dr.倉原の“俺の本棚”】第14回(2019/02/12) Dr.長尾の胸部X線クイズ 上級編 (2019/01/15) 全医師必携【Dr.倉原の“俺の本棚”】第13回(2019/01/11) Dr.須藤のやり直し酸塩基平衡 (2018/12/15) 僧侶の医師【Dr.倉原の“俺の本棚”】第12回(2018/12/11) 医師が選んだ"2018年の10大ニュース"! 【CareNet.com会員アンケート結果発表】(2018/11/29)