精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:236

慢性うつ病と非慢性うつ病の差に関するシステマティックレビュー

 慢性うつ病(Chronic Depression:CD)が、非CDと対照的に、明確な特徴をどの程度有しているかはよくわかっていない。ドイツ・シャリテー大学病院のStephan Kohler氏らは、CD患者の社会人口統計学的要因、精神病理および疾患の経過に関して、非CD患者との比較を行うため、システマティックレビューを行った。Depression and Anxiety誌オンライン版2018年10月9日号の報告。

統合失調症患者が正常に抗精神病薬を中止した臨床的特徴に関するレビュー

 抗精神病薬の中止は統合失調症患者の再発リスクを増加させるが、一部の患者では、抗精神病薬を継続することなく臨床的に良好な状態を持続することができる。しかし、このような患者の特徴に関するデータは不十分である。慶應義塾大学の谷 英明氏らは、正常に抗精神病薬を中止した統合失調症患者の臨床的特徴を明らかにするため、システマティックレビューを行った。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2018年10月8日号の報告

在宅医療で使う漢方薬の役割と活用法

 2018年10月24日、漢方医学フォーラムは、都内で第138回目のプレスセミナーを開催した。当日は、在宅医療における漢方薬の役割について講演が行われた。  講演では、北田 志郎氏(大東文化大学 スポーツ・健康科学部 看護学科 准教授/あおぞら診療所 副院長)を講師に迎え、「地域包括ケアシステムと漢方~“暮らしのなかでいのちを支える” 在宅医療で発揮される漢方薬の役割~」をテーマに講演が行われた。

治療抵抗性うつ病、SSRI/SNRIにミルタザピン追加は有用か/BMJ

 プライマリケアにおける治療抵抗性うつ病患者において、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)またはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)にミルタザピンを追加しても、臨床的に有意な臨床効果は確認されなかった。英国・ブリストル医科大学のDavid S. Kessler氏らが、第III相の多施設共同無作為化プラセボ対照試験「MIR試験」の結果を報告した。いくつかの小規模な臨床試験で、SSRI/SNRI+ミルタザピン併用療法の有効性が示唆され、使用頻度が増加していたが、結果を踏まえて著者は、「本試験の結果は、プライマリケアの治療抵抗性うつ病患者において、SSRI/SNRIにミルタザピンを追加する併用療法の拡大に異議を唱えるものである」とまとめている。BMJ誌2018年10月31日号掲載の報告。

アルツハイマー病治療薬メマンチンの有効性と安全性

 現在、アルツハイマー病に対する薬物治療には5つの選択肢が存在する。コリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンによる治療、メマンチン治療およびメマンチンとコリンエステラーゼ阻害薬の併用療法である。最良の治療方法の選択は、ランダム化比較試験のシステマティックレビューおよびメタ解析によって得られたエビデンスに基づいている。藤田医科大学の松永 慎史氏らは、アルツハイマー病の薬物治療における安全性と有効性に関するメタ解析のエビデンスを用いて、これらの治療法のリスクとベネフィットの分析を行った。Expert Opinion on Drug Safety誌2018年10月号の報告。

ローカルケアセンターの支援プログラム利用患者におけるアリピプラゾール持効性注射剤のアドヒアランス評価

 アリピプラゾール持効性注射剤(LAI)のためのASSUREプログラムのような患者支援プログラムは、統合失調症患者に対しLAIを含む医薬品の使用を支援できるよう考えられている。米国・大塚ファーマシューティカルD&C Inc.のMallik Greene氏らは、ローカルケアセンター(LCC)でのプログラムを利用している患者におけるアリピプラゾールLAIのアドヒアランスを評価するため、検討を行った。Current Medical Research and Opinion誌オンライン版2018年10月16日号の報告。

統合失調症と双極性障害における退院後早期の精神科受診と再入院リスクに関する研究

 東京都医学総合研究所の奥村 泰之氏らは、統合失調症もしくは双極性障害の入院患者において、退院後早期の精神科受診が再入院リスクの減少と関連するかについて検討を行った。Psychiatry Research誌オンライン版2018年10月9日号の報告。  レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を用いて、レトロスペクティブコホート研究を実施した。2014年4月~2015年3月に、精神病床へ新規入院した65歳未満の統合失調症または双極性障害患者4万8,579例を対象に、入院の180日前から退院の210日後までフォローアップ調査を行った。主要アウトカムは、退院後180日間(31~210日)での精神病床への再入院とした。

境界性パーソナリティ障害の特性と自殺リスクに対する睡眠の役割

 境界性パーソナリティ障害(BPD)は、自殺リスクや睡眠に関する問題(不眠症や悪夢を含む)と高率に関連している。米国・ミシシッピ州立大学のHilary L. DeShong氏らは、不眠症および/または悪夢を介する自殺リスクに対するBPDの特性の潜在的な間接的影響を評価するため、検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2018年10月9日号の報告。  Amazon's Mechanical Turkより参加者を募集し、オンラインで281例の研究を完了した。参加者より、BPD特性、BPD症状、自殺リスク(自殺念慮歴、自殺企図歴)、不眠症、悪夢に関連する苦痛や障害を測定した。

てんかんを正しく診断するために

 てんかんはあらゆる年代で100人に1人程度発症する身近な病気だ。ただし約7割は治療により発作なく日常生活が送れる。つまり、てんかんは決して珍しい病気でも、治療が難しい病気でもない。しかし、てんかん発作に対する誤ったイメージが要因で、適切に診断されないことは多い。適切な診断には、まずさまざまな発作があることを知り、てんかんに対する正しい知識を持つことが重要である。  今回、こうした見落としやすい発作の理解を促す目的で、「てんかんの正しい診断をサポートするために~知っておきたい、てんかん発作のいろいろ~」と題するセミナーが都内にて開かれ、さまざまなてんかん発作の特徴などが語られた(主催:大塚製薬株式会社、ユーシービージャパン株式会社)。

日本人高齢者のうつ病に対する身体活動の影響

 座位行動(sedentary behaviour:SB)を減らし、身体活動(physical activity:PA)を増やすことは、うつ病の減少との関連が示されている。しかし、SBがPAに置き換えられた際の高齢者におけるうつ病の潜在的なベネフィットに関する研究は、あまり行われていなかった。文化学園大学の安永 明智氏らは、日本人高齢者におけるうつ病と、客観的に評価されたSB、軽度PA(LPA)および中等度~高度PA(MVPA)との関連性を評価し、SBをPAに置き換える影響について検討を行った。BMJ Open誌2018年9月25日号の報告。