精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:236

小児攻撃性に対する抗精神病薬の効果~メタ解析

 小児における攻撃性や過敏性は、診断のさまざまな段階で認められ、経済的なコストおよび負の社会心理的アウトカムと関連している。このような場合、抗精神病薬が一般的に用いられる。米国・イェール大学のGerrit I van Schalkwyk氏らは、小児の攻撃性および過敏性に対する抗精神病薬の効果についてメタ解析を行った。Expert review of neurotherapeutics誌2017年10月号の報告。

経口抗うつ薬は慢性そう痒に有効か

 慢性そう痒は、QOLに大きな影響を及ぼす一般的な皮膚症状である。臨床医にとって治療はチャレンジングであり、経口抗うつ薬のような新しい治療選択肢の開発が求められている。そこでオランダ・Radboud University Medical CenterのTessa A. Kouwenhoven氏らは、慢性そう痒患者を対象とした経口抗うつ薬の臨床研究についてシステマティックレビューを行い、有効性について検討した。その結果、著者は「とくに尿毒症性そう痒、胆汁うっ滞性そう痒または腫瘍随伴そう痒患者で、局所治療や経口抗ヒスタミン薬が無効の慢性そう痒患者に対しては、経口抗うつ薬を考慮すべきである」との見解を示し、「無作為化比較試験に基づいたさらなるエビデンスが必要である」と提言している。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年10月12日号掲載の報告。

どのくらい前から認知症発症は予測可能か

 認知症発症の数年前から、認知機能低下が増加していることが縦断的研究で示唆されている。米国・ワシントン大学のGe Li氏らは、Cognitive Abilities Screening Instrument(CASI)の認知機能テストにおけるスコアの軌道により、正常な老化と比較した認知機能の変化を推定しようと試みた。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2017年9月21日号の報告。

小児のてんかん、外科的治療は有益か/NEJM

 脳外科手術を受けた18歳以下の薬剤抵抗性てんかん患者は、薬物療法のみを受けた患者と比べて、12ヵ月時点のてんかん発作がない割合が有意に高く、行動やQOLに関するスコアも良好であった。神経障害の発生は、脳切除部位に関連した想定内のものであったという。全インド医科大学のRekha Dwivedi氏らが単施設無作為化試験を行い、NEJM誌2017年10月26日号で発表した。脳外科手術は、薬剤抵抗性てんかんを有する小児・思春期の発作を改善する可能性が示唆されていたが、無作為化試験による、さらなるデータが求められていた。

クロザピン関連遅発性ジスキネジアへの低用量アリピプラゾール

 遅発性ジスキネジア(TD)は、長期間の抗精神病薬治療により発現する副作用である。TDは、精神疾患罹患率や死亡率の増加、著しいQOLの低下を伴うが、その治療方法は存在しない。統合失調症患者のTD治療オプションとして、クロザピンが使用される。興味深いことに、最近のいくつかの症例報告において、クロザピンがTDを増強または誘発することが示唆されている。韓国・仁済大学校のLyang Huh氏らは、クロザピン関連TDに対する低用量アリピプラゾール(0.5mg/日)治療の症例報告を行った。Turkish journal of psychiatry誌2017年秋号の報告。

認知症予防、緑茶 vs.紅茶 vs.ルイボス茶

 チャノキ(茶の木[Camellia sinensis])の緑茶(green tea)成分は、アルツハイマー病における、記憶障害などのさまざまな神経変性状態に対し神経保護的に作用する。しかし、チャノキのほかの茶成分が、類似の神経保護的な効果を示すかは不明である。ブラジル・Universidade Federal do PampaのHelen L. Schimidt氏らは、アルツハイマー様疾患のラットモデルにおいて、緑茶、ルイボス茶(red tea)、紅茶(black tea)の補充が記憶および海馬の酸化状態に及ぼす影響を調査した。Food research international誌2017年10月号の報告。