小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:86

小児腎臓病既往で、末期腎不全リスクが約4倍/NEJM

 小児期の腎臓病既往歴は、たとえ青年期においては腎機能が正常であっても、その後の末期腎不全(ESRD)発症リスクを有意に増大することが明らかになった。イスラエル・ヘブライ大学のRonit Calderon-Margalit氏らが、約152万人の同国青少年についてコホート研究を行い明らかにしたもので、NEJM誌2018年2月1日号で発表した。これまで、小児期に慢性腎臓病(CKD)に進展しなかった小児腎臓病の長期的リスクは明らかにされていないという。

妊婦のうつ病と子供の成長との関連

 母親のうつ病と子供の成長との関連について、正確な見解は報告されていない。これは、子供の性別による影響に注目が限定されている可能性がある。米国・アメリカ国立衛生研究所のHyojun Park氏らは、母親のうつ病時期と子供の成長との関連について、とくに性差に注目し、集団ベースの出産コホートを用いて評価を行った。Obesity誌2018年1月号の報告。

1型DMリスク乳児に加水分解粉ミルクの影響は?/JAMA

 遺伝的に1型糖尿病のリスクがある乳児に対し、離乳後にカゼイン完全加水分解粉ミルクを与えても、通常の粉ミルクを与えた場合と比べて1型糖尿病発症リスクは変わらないことが示された。フィンランド・ヘルシンキ大学のMikael Knip氏らが行った、無作為化プラセボ対照二重盲検試験「TRIGR」の結果で、JAMA誌2018年1月2日号で発表された。これまでの研究で、複合的な食品含有タンパク質の早期曝露が、1型糖尿病のリスクを高める可能性が示されていたが、今回の結果を踏まえて著者は、「1型糖尿病リスクのある乳児に対する食事の推奨を、修正する必要性を支持する所見は示されなかった」とまとめている。

統合失調症と自閉スペクトラム症における白質代謝率の増加

 統合失調症や自閉スペクトラム症は、しばしば白質の障害を有する。統合失調症におけるさまざまな白質領域における代謝率、脳灌流、基礎活動の上昇が、数々の研究で報告されているが、自閉スペクトラム症では研究されていなかった。米国・マウントサイナイ医科大学のSerge A. Mitelman氏らは、自閉スペクトラム症患者(25例)と統合失調症患者(41例)および健常対照者(55例)の白質代謝率を、定位的に配置された関心領域について幅広く比較するため、18F-FDGポジトロン断層法(PET)を用いて、検討を行った。Brain imaging and behavior誌オンライン版2017年11月22日号の報告。

ADHDの小児および青年における意図しない怪我のリスクとADHD薬の影響

 小児、青年におけるADHDと意図しない身体的な怪我のリスクとの関連を定量化するリスク分析およびこのリスクに対するADHD薬の効果を評価するため薬剤分析について、スペイン・Servicio Navarro de Salud-OsasunbideaのMaite Ruiz-Goikoetxea氏らは、メタ解析を用いたシステマティックレビューを行った。Neuroscience and biobehavioral reviews誌オンライン版2017年11月21日号の報告。

小児の急性上気道感染症への抗菌薬、広域 vs.狭域/JAMA

 小児の急性気道感染症において、広域抗菌薬(アモキシシリン-クラブラン酸、セファロスポリン系、マクロライド系薬)の投与と狭域抗菌薬(アモキシシリン、ペニシリン)の投与は、臨床的アウトカムや大部分の患者中心アウトカムについて同等であることが示された。一方で有害事象の発生頻度は、広域抗菌薬群が狭域抗菌薬群よりも高率だった。米国・フィラデルフィア小児病院のJeffrey S. Gerber氏らが、3万例超の小児を対象にした後ろ向きコホート試験と、約2,500例の小児を対象とした前向きコホート試験を行って明らかにしたもので、著者は「今回の結果は、大部分の小児の急性気道感染症に対しては、狭域抗菌薬を使用することを支持するものだ」とまとめている。JAMA誌2017年12月19日号掲載の報告。

インフルエンザ関連呼吸器系死亡の実情は?/Lancet

 これまでインフルエンザに関連した呼吸器系死亡推計は、世界で年間25~50万人とされてきた。米国疾病予防管理センターのA Danielle Iuliano氏らは、「この推計値はWHOが2004年頃に公表したものだが、算出方法が不明で、1990年代のデータを用いていると推察され、各国の実状を反映していないと思われる」として、1995~2015年の各国インフルエンザ関連の呼吸器系超過死亡の推計値を用いて、最新の状況を推算した。結果、従来値よりも多い約29万~65万人と算出されたという。インフルエンザ関連死の推計値は、国際的なおよび各国のパブリックヘルスの優先事項を決定する際に重視されている。著者は、「従来数値によって、疾病負荷が過小評価されていたかもしれない」と指摘し、「世界のインフルエンザ関連死亡に占める、呼吸系疾患以外の死因について調査する必要がある」と提言している。Lancet誌オンライン版2017年12月13日号掲載の報告。

小児の双極性障害I型または統合失調症に対するアセナピン治療のレビュー

 1日2回の舌下錠として用いられるアセナピンは、小児・青年期10~17歳における双極性障害I型の躁病および混合エピソードの急性期治療に単独療法として、二重盲検プラセボ対照試験(推奨用量:2.5~10mg、1日2回)の結果に基づき承認されている。小児統合失調症についてもアセナピンの研究が行われているが、まだ承認はされていない。また、米国以外の主要な国々において、アセナピンは、小児の双極性障害I型または統合失調症に対し承認されていない。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のEkaterina Stepanova氏らは、小児精神疾患患者に対するアセナピン治療に関して、神経薬理学、薬物動態、臨床試験、臨床使用の観点より要約した。Paediatric drugs誌オンライン版2017年11月23日号の報告。

プロバイオティクス・カプセル、アトピー性皮膚炎を改善

 新たな剤形で複数成分を含むプロバイオティクス・カプセル製剤は、小児・若年者におけるアトピー性皮膚炎(AD)の経過を改善する可能性が、スペイン・Hospital Universitario VinalopoのVicente Navarro-Lopez氏らによる無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験の結果、示された。アトピー性皮膚炎疾患重症度評価(SCORAD)スコアが低下し、局所ステロイドの使用も減少したという。JAMA Dermatology誌オンライン版2017年11月8日号掲載の報告。