小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:83

無過失補償制度は医療萎縮を止めるか

 2018年3月25日、第8回 医療法学シンポジウム(第2回 稲門医師会・稲門法曹会合同シンポジウム)が、都内において開催された。シンポジウムでは「無過失救済補償制度はどうあるべきか~産科医療だけでなく~」をテーマに、前半では現状における無過失補償制度の問題点や課題、今後の制度設計について、後半では医療者、法曹関係者が全体討論として議論を交わした。

思春期の少年少女における自殺念慮の予測

 近年、思春期や若者の自殺率が高まっており、これらの年齢層は、リスクの高い集団であると認識されている。スペイン・ロビラ・イ・ビルジリ大学のFabia Morales-Vives氏らは、自殺念慮が将来の自殺行動の可能性を示す最初の兆候であることを考慮し、思春期の自殺念慮を予測するうえで、精神的な成熟、人格、うつ病、生活満足度の相対的な重要性について検討を行った。The Spanish journal of psychology誌2018年4月10日号の報告。

2020までに万全な髄膜炎菌感染症対策を

 2018年4月18日、サノフィ株式会社は、4月25日の「世界髄膜炎デー」に先立って、髄膜炎菌感染症診療に関するメディアセミナーを都内で開催した。本セミナーでは、「日本に潜む10代の髄膜炎菌感染症 アウトブレイクのリスク~海外・国内の感染事例と関連学会による対策変更~」をテーマに、髄膜炎菌感染症のオーストラリアでの疫学的状況と公衆衛生当局による対応、日本の置かれた現状と今後求められる備えなどが語られた。

蜂蜜は小児の急性咳嗽に効くのか?

 小児の咳症状は、外来受診の理由となることが多い。蜂蜜は、小児の咳症状を和らげるために、家庭で一般的に用いられている。University of Calabar Teaching HospitalのOlabisi Oduwole氏らは、小児の急性咳嗽に対する蜂蜜の有効性を評価するためにシステマティックレビューを実施し、2018年4月10日、Cochrane Database of Systematic Reviewsに公開した。本レビューは、2010、2012、2014年に続く更新。本レビューの結果、蜂蜜は、無治療、ジフェンヒドラミン、プラセボと比較して、咳症状を多くの面で軽減するが、デキストロメトルファンとはほとんど差がない可能性が示唆された。また、咳の持続時間についてはサルブタモール、プラセボより短縮する可能性はあるが、蜂蜜使用の優劣を証明する強固なエビデンスは認められなかったと結論している。

小児期の過体重、何歳まで続くと2型糖尿病リスクが高まるか/NEJM

 7歳時に過体重の男児は、思春期以降まで過体重が持続した場合に限り、成人2型糖尿病のリスクが増大することが、デンマーク・Bispebjerg and Frederiksberg HospitalのLise G. Bjerregaard氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2018年4月5日号に掲載された。小児期の過体重により、成人期の2型糖尿病リスクが増加する。世界の小児の23%以上が過体重または肥満であることから、小児期の過体重が2型糖尿病のリスクに及ぼす有害な影響は、成人期に至る前に正常体重に回復した場合は減少に転じるか、またインスリン感受性が著明に低下する思春期の体重増加が、後年の2型糖尿病の発症に主要な役割を担うかを検証することが重要とされる。

自閉スペクトラム症とADHDを有する小児における不安障害と気分障害

 自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如多動症(ADHD)は、頻繁に併発する。ASDとADHDを併発する小児のエンドフェノタイプを理解することは、臨床的な管理に影響を及ぼす可能性がある。米国・ジョンズ・ホプキンズ大学のEliza Gordon-Lipkin氏らは、ASD児の不安障害や気分障害の併発について、ADHDの有無別に比較を行った。Pediatrics誌4月号の報告。

乳幼児突然死症候群に変異遺伝子が関与か?/Lancet

 英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのRoope Mannikko氏らは、機能破壊的なSCN4A変異が、乳幼児突然死症候群(SIDS)で死亡した乳幼児に多く認められるとの仮説を検証した症例対照研究の結果を報告した。SIDSは、高所得国における生後4週以降の乳幼児死亡の主な原因で、呼吸中枢の障害が一因と思われる。呼吸筋の収縮を引き起こす刺激は、SCN4A遺伝子にコードされているナトリウム(Na)チャネルNaV1.4によってコントロールされており、骨格筋の興奮性を直接変えるNaV1.4の変異は、筋強直、周期性四肢麻痺、先天性ミオパチー、筋無力症候群を引き起こす可能性が示唆されていた。SCN4A変異は、致死性無呼吸や喉頭痙攣の乳幼児でも確認されていた。Lancet誌オンライン版2018年3月28日号掲載の報告。

早産児の動脈管開存症には高用量経口イブプロフェンが有効/JAMA

 動脈管開存症(PDA)の早産児への薬物療法による動脈管閉鎖の効果では、高用量の経口イブプロフェンが、標準用量の静脈内イブプロフェンや静脈内インドメタシンに比べて良好であることが、カナダ・ダルハウジー大学のSouvik Mitra氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2018年3月27日号に掲載された。早産児のPDAでは保存的管理が重視されるようになっているが、血行動態的に重要なPDAを発症した患児への薬物療法による介入では、さまざまな治療法が行われているという。