医療一般|page:1

1日1~2杯のお茶でうつ病リスクが低下?

 うつ病は、社会と健康の両方に大きな影響を及ぼす一般的な精神疾患である。お茶の摂取による潜在的な健康効果が示唆されているが、お茶の種類、摂取頻度、摂取量といった飲用パターンがうつ病のリスクと関連しているかどうかは不明であり、とくに異なる集団においては、これまでよくわかっていなかった。台湾・高雄医学大学のSi-Meng Chang氏らは、台湾バイオバンクの登録者2万7,119例のデータを用いて、自己申告による生涯うつ病歴の有病率とお茶の種類、摂取頻度、1日当たりの摂取量との関連性を評価した。Nutrients誌2026年3月5日号の報告。

増える麻しん、医療従事者向け「麻しんを疑った際の対応」公開/JIHS

 日本では、2015年にWHOにより麻しんの排除認定を受けているが、2026年1月からの国内の発生報告数(速報値)は4月8日までに236例と、2020年以降同期間としては最多で、すでに2025年の1年間の発生報告数(265例)に迫る数字となっている。国立健康危機管理研究機構(JIHS)では、医療機関向けのリーフレット「麻しんを疑った際の対応」を公開。典型的皮疹やコプリック斑を写真で示すとともに、感染対策や臨床対応のポイントを簡潔にまとめている。

次世代の経口TYK2阻害薬が乾癬症状を大幅に改善

 重症の尋常性乾癬患者は、効果があまり高くないが服用しやすい内服薬か、効果は極めて高いが手間のかかる注射製剤による治療かのいずれかを選ばざるを得ないことが多い。しかし、こうしたトレードオフは今後、変わる可能性がある。中等症から重症の尋常性乾癬患者約1,800人を対象とした2件の第3相臨床試験で、次世代のチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬Zasocitinib(ザソシチニブ)の1日1回の経口投与が、これまで注射製剤でしか期待できなかったレベルの皮膚の改善をもたらす可能性が示された。この研究結果は、米国皮膚科学会(AAD)年次総会(2026 AAD Annual Meeting、3月27〜31日、米デンバー)で発表された。

がん治療中のケモブレイン、運動療法に抑制効果?

 がんやがん治療に伴い生じる認知機能障害を総称して、CRCI(cancer-related cognitive impairment)という。抗がん剤による治療中や治療後の患者に生じる記憶力や集中力、作業能力の一時的な低下を表す「ケモブレイン」は、CRCIの一種である。このほど、新たな研究において、運動ががん患者のCRCIを防ぎ、認知機能を保ちながら日常生活を円滑に送るのに役立つ可能性が示された。英ロチェスター大学医療センター、ウィルモットがん研究所のがん予防・制御研究プログラムで共同リーダーを務めるKaren Mustian氏らによるこの研究結果は、「Journal of the National Comprehensive Cancer Network」3月号に掲載された。

問題ばかり起こす人との関係は生物学的老化の加速と関連

 問題ばかり起こす人と一緒に過ごすことは、単に気分を台無しにするだけではないかもしれない。最近の研究によると、そのようなストレスの多い人間関係は、時間の経過とともに健康に影響を及ぼし、さらに生物学的老化の進行を早める可能性が示された。米国立老化研究所の資金提供を受けて、米インディアナ大学社会学教授のBrea Perry氏らが実施したこの研究結果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に2月18日掲載された。  人に面倒やストレスをもたらす人のことを、英語では「hassler(ハスラー)」と呼ぶ。

脊髄損傷患者の運動制御と感覚フィードバックを同時に一部再現

 脊髄を損傷すると、手足の動きを制御する能力(運動制御能力)と、手足からの感覚情報を脳へフィードバックする能力(感覚フィードバック)の2つの重要な能力が失われる。運動制御能力と感覚フィードバックの双方向の情報伝達機能は、脚や腕を協調させて動かす上で不可欠である。新たな研究で、脊髄損傷部位の上下両方に電気刺激を与えることで、運動制御能力を高めるとともに感覚フィードバックの代替となる感覚を再現できる可能性が示された。米ブラウン大学工学分野のDavid Borton氏らによるこの研究結果は、「Nature Biomedical Engineering」に3月11日掲載された。

高齢者のがん薬物療法GLの改訂ポイント【消化管】/日本臨床腫瘍学会

 『高齢者のがん薬物療法ガイドライン 改訂第2版』が2026年3月25日に発刊され、第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)のシンポジウムで全17項目のクリニカルクエスチョン(CQ)が解説された。消化管領域からは、胃がんに関する2項目(CQ4、CQ5)、大腸がんに関する2項目(CQ6、CQ7)の計4つのCQが設定された。

医師のアルバイト、10年で「していない」が激減、収入は増加傾向/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2026年3月に会員医師1,000人(男性883人、女性117人)を対象として「年収に関するアンケート」を実施した。その結果、医師のアルバイト事情において、10年前の調査と比較して顕著な変化が生じていることが明らかとなった。  今回の調査で最も際立ったのは、「アルバイトをしていない」と回答した医師が大幅に減少した点である。「アルバイトをしていない」医師は2016年の調査では52%だったのが、2026年調査では29%と10年間で約半数にまで減少しており、現在、医師にとってアルバイトがきわめて一般的な収入源となっていることが示された。

片頭痛が短期記憶とワーキングメモリに及ぼす影響は

 片頭痛は、世界人口の最大15%が罹患する一般的な神経疾患である。片頭痛は、頭痛、悪心、嘔吐、光や音への過敏症などの身体症状を伴う疾患である。また、視覚性前兆の有無など、特定の症状に基づいて分類されるさまざまな亜型が存在する。さらに、報告頻度の高い認知症状として「ブレインフォグ」がある。これは、主に注意力や記憶力に関連する日常生活における認知機能の低下を表す状態である。片頭痛における記憶機能に関する実証研究の結果は、一貫性が認められていない。一部の研究では、明らかな認知機能低下が報告されている。その一方で、他の研究では軽微あるいはまったく障害がないことが報告されている。

マンモグラフィは心血管疾患の早期発見にも有効?

 マンモグラフィによる乳がんの定期検診で明らかにできるのは、乳がんの兆候だけではない可能性があるようだ。新たな研究で、マンモグラフィは、女性の最大の死因である心血管疾患(CVD)の兆候を早期段階で検出するのにも役立つ可能性が示唆された。人工知能(AI)を用いてマンモグラフィ画像から測定した、乳房組織の中を通る動脈に蓄積したカルシウム(乳房動脈石灰化〔BAC〕)は、主要心血管イベント(MACE)および死亡の独立した予測因子であることが示唆された。米エモリー大学放射線医学部門教授のHari Trivedi氏らによる研究で、詳細は「European Heart Journal」に3月9日掲載された。

歯科でのHbA1c測定、3人に1人で糖尿病早期発見の可能性

 歯科への受診をきっかけに、未診断の糖尿病発見につながる可能性が報告された。歯科の患者に、指先穿刺による簡便な血液検査を行ったところ、3人に1人以上の割合で糖尿病または糖尿病前症が見つかったという。英キングス・カレッジ・ロンドン(KCL)のGiuseppe Mainas氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of Dentistry」4月号に掲載された。  この研究では、歯科受診者に対して診察室内でのHbA1c測定が、糖尿病のスクリーニングとして機能するか、横断的に検討された。英国成人の歯科受診頻度はかかりつけ医の受診頻度よりも高い傾向があり、かつ、医科受診時のHbA1c測定が日常的に行われているわけではないことが、この研究の背景にあるという。

半年に1回投与のデペモキマブ、気管支喘息・鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の適応で発売/GSK

 グラクソ・スミスクラインは2026年4月15日に、デペモキマブ(商品名:エキシデンサー皮下注100mgペン、エキシデンサー皮下注100mgシリンジ)を発売した。適応は「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)」および「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)」である。  本剤は、既存のヒト化抗IL-5モノクローナル抗体製剤メポリズマブの可変領域と定常領域にアミノ酸変異を導入して開発された製剤である。IL-5に対する親和性の向上および半減期の延長を通じて、26週に1回の投与が可能となった。

タルラタマブのCRS関連発熱を解析、発熱が奏効と関連か/日本臨床腫瘍学会

 小細胞肺がん(SCLC)治療薬タルラタマブは、2026年3月27日に添付文書が改訂され、2次治療から使用可能となった。本剤は高い効果が期待されているが、免疫活性化に伴うサイトカイン放出症候群(CRS)による発熱の頻度が高く、適切な管理方法と予測マーカーの確立が急務となっている。そこで、山口 央氏(埼玉医科大学国際医療センター)らの研究グループは、タルラタマブによる治療を受けたSCLC患者を対象とした後ろ向き研究を実施し、発熱のタイミングや持続時間などと奏効との関連を解析した。その結果、投与1回目と2回目の両方で発熱がみられた患者は、奏効割合(ORR)が高かった。また、発熱の早期からステロイドを用いることで安全に投与を継続できることも示された。

高齢者のがん薬物療法GLの改訂ポイント【乳腺】/日本臨床腫瘍学会

 『高齢者のがん薬物療法ガイドライン 改訂第2版』が2026年3月25日に発刊され、第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)のシンポジウムで全17項目のクリニカルクエスチョン(CQ)が解説された。乳腺領域からは、HER2陽性(CQ12)、トリプルネガティブ(CQ13)、ホルモン受容体陽性HER2陰性(CQ14)の高齢者の周術期乳がんの薬物療法に関する計3つのCQが設定された。

魚を週1、2回食べると認知機能が維持される?

 魚の摂取量が多いほど認知機能の低下速度が遅くなり、認知症の発症率が低くなることが、これまでの疫学研究において一貫して示されている。イタリア・カターニア大学のJustyna Godos氏らは、高齢者の魚の摂取と認知機能との関連性を調査したこれまでの観察研究をシステマティックにレビューした。GeroScience誌オンライン版2026年3月15日号の報告。  レビューの対象となった研究は25件(横断的研究:8件、プロスペクティブ研究:17件)。対象は、主に健康な高齢者(年齢範囲:プロスペクティブ研究のベースライン時18~30歳、65~91歳[年齢スペクトルの上限を網羅])。現在までに発表されているほとんどの研究で調査されている認知機能には、全般的認知機能、記憶(エピソード記憶、ワーキングメモリ)、実行機能(計画、抑制、柔軟性)、注意、処理速度など、さまざまな領域が含まれていた。

麻疹患者の劇的な増加はワクチン接種率のわずかな低下と関連

 ワクチン接種率がわずかに低下するだけで、麻疹(はしか)の新規感染者数や入院・死亡数がいずれも7倍以上に増える可能性があるとする報告書がCommon Health Coalitionから発表された。米国で、小児の麻疹、おたふくかぜ、風疹の3種混合ワクチン(MMRワクチン)の接種率が年間1%低下するだけで、5年後には年当たり約1万7,000例の麻疹症例と4,000件の入院、36件の死亡につながる可能性があると、報告書は結論付けている。この研究は、査読前論文のオンラインリポジトリ「medRxiv」に2月20日公開された。

高齢者のがん薬物療法GLの改訂ポイント【総論・造血器】/日本臨床腫瘍学会

 『高齢者のがん薬物療法ガイドライン 改訂第2版』が2026年3月25日に発刊され、第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)のシンポジウムで全17項目のクリニカルクエスチョン(CQ)が解説された。  本ガイドラインは、2019年の初版以降に蓄積されたエビデンスを踏まえ改訂された。「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020」に準拠し、新規CQの追加や対象領域の拡張を行った。今回の改訂では新たに「Evidence to Decision(EtD)フレームワーク」が導入された点が大きな特徴である。これにより、エビデンスの確実性だけでなく、益と害のバランス、患者の価値観、実行可能性など多面的な要素を考慮した推奨決定のプロセスが可視化された。

アルツハイマー病への抗アミロイドβ抗体薬、日本での導入実態は?/長寿研

 アルツハイマー病(AD)の病態に直接作用する抗アミロイドβ(Aβ)抗体薬であるレカネマブとドナネマブが、日本でも2023~24年にかけて実臨床に導入された。東京都健康長寿医療センター研究所の井原 涼子氏らの研究グループは、日本の国民皆保険制度下におけるこれら薬剤の導入実態と、患者の意思決定要因に関する調査を実施した。その結果、本治療を希望して受診した患者のうち、実際に投与を開始したのは約20%にとどまり、高額療養費制度によって経済的障壁が低い環境下でも、治療適格性や副作用への懸念が大きなハードルとなっている現状が浮き彫りになった。Alzheimer's & Dementia: Diagnosis, Assessment & Disease Monitoring誌オンライン版2026年3月24日号に掲載。

初発精神疾患の女性に推奨される抗精神病薬に関する初の臨床診療ガイドライン

 抗精神病薬は、初回エピソード精神疾患の早期介入において主要な治療選択肢の1つであり、長期予後の重要なポイントとなる。女性患者における抗精神病薬治療は、副作用に対して特有の脆弱性を示すにもかかわらず、既存の臨床診療ガイドラインでは性別に応じた推奨事項が提供されていなかった。とくに高プロラクチン血症や心血管代謝系の副作用は、生殖年齢女性において著しい主観的な苦痛や長期の身体的健康リスクに影響を及ぼす可能性がある。アイルランド・St John of God University HospitalのCaroline Hynes-Ryan氏らは、初回エピソード精神疾患の女性患者に推奨される抗精神病薬に関する臨床診療ガイドラインの作成を目的に本検討を実施した。Schizophrenia Bulletin誌2026年3月7日号の報告。

EGFR変異NSCLC、アミバンタマブ皮下注+ラゼルチニブの日本人解析結果(PALOMA-3)/日本臨床腫瘍学会

 EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)において、アミバンタマブ皮下注製剤(商品名:リブロファズ)+ラゼルチニブ(同:ラズクルーズ)の併用療法は、アミバンタマブ静脈内投与製剤(同:ライブリバント)+ラゼルチニブと一貫した有効性を示し、Infusion-Related Reaction(IRR)の発現率を低減させることが、国際共同第III相試験「PALOMA-3試験」で示されている1)。本試験の日本人集団の解析結果について、田宮 基裕氏(大阪国際がんセンター)が第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)で報告した。本解析において、アミバンタマブ皮下注製剤は日本人集団でも全体集団と一貫した臨床的有益性を示すことが示唆された。なお、アミバンタマブ皮下注製剤は2026年3月18日に薬価収載され、同日に発売されている。