うつ病は、社会と健康の両方に大きな影響を及ぼす一般的な精神疾患である。お茶の摂取による潜在的な健康効果が示唆されているが、お茶の種類、摂取頻度、摂取量といった飲用パターンがうつ病のリスクと関連しているかどうかは不明であり、とくに異なる集団においては、これまでよくわかっていなかった。台湾・高雄医学大学のSi-Meng Chang氏らは、台湾バイオバンクの登録者2万7,119例のデータを用いて、自己申告による生涯うつ病歴の有病率とお茶の種類、摂取頻度、1日当たりの摂取量との関連性を評価した。Nutrients誌2026年3月5日号の報告。
お茶の種類(完全発酵茶、半発酵茶、非発酵茶)、摂取頻度、1日当たりの摂取量により分類した。自己申告による生涯うつ病歴のデータは、自己記入式質問票を用いて収集した。多変量ロジスティック回帰分析を用いて、お茶の摂取と自己申告による生涯うつ病歴との関連性を評価した。
主な結果は以下のとおり。
・全体として、お茶の摂取量は、自己申告による生涯うつ病歴の有病率の低さとの有意な関連が認められた(オッズ比[OR]:0.736)。
・この関連性は、半発酵茶および非発酵茶で認められた(OR:0.674)。しかし、完全発酵茶では認められなかった。
・1日1~2杯(350~700mL)のお茶の摂取は、自己申告による生涯うつ病歴の有病率の低さと有意に関連していたが、1日3杯以上の摂取では関連性が認められなかった。
・さらに、お茶の摂取頻度に関して、毎日お茶を飲む人は自己申告による生涯うつ病歴の有病率の低さと有意に関連していたが、週に1回または月に1回しかお茶を飲まない人ではそのような関連が認められなかった。
・サブグループ解析では、65歳以上の高齢者、糖尿病患者、喫煙者、飲酒者においては、お茶の摂取と自己申告による生涯うつ病歴の有病率低下との関連は認められなかった。
・これは、健康状態や生活習慣が、お茶の摂取とうつ病との関連に影響を及ぼす可能性を示唆している。
・ただし、交互作用分析では、有意な差は認められなかった。
著者らは「正式な交互作用検定において統計的に有意な差が認められなかったため、これらの結果は探索的なものと見なすべきである」としたうえで、「半発酵茶および非発酵茶を毎日1~2杯摂取することは、自己申告による生涯うつ病歴の有病率低下と関連していた。この関連性には、摂取量や摂取頻度が影響を及ぼすことが示唆された。さまざまな種類のお茶の生物学的メカニズムを解明し、高リスク集団に対する介入戦略を開発するためには、さらなる研究が求められる」としている。
(鷹野 敦夫)