ジャーナル四天王(NEJM ・ Lancet ・ JAMA ・ BMJ )最新ニュース|page:282

ヒト喘息でも認められたキチナーゼ様蛋白質YKL-40との関連性

自然界に大量に存在するキチン質を分解する作用能力を持つキチナーゼに関して、エール大学医学部のGeoffrey L. Chupp氏らは2004年に、動物モデル研究で、喘息と真のキチナーゼ(哺乳類酸性キチナーゼ)との関連性を報告した。同研究ではまた、血清中で容易に測定が可能な、YKL-40と呼ばれる酵素活性を有さないキチナーゼ様蛋白質[ヒト軟骨糖蛋白39(HCgp-39)、chitinase 3-like 1とも呼ばれる]に関しても関連を報告している。Chupp氏らは今回、このYKL-40レベルとヒト喘息における関連性について検討した。NEJM誌11月15日号掲載より。

急性冠症候群患者における新規抗血小板剤prasugrelのフェイズ3報告

本論文は11月4日の米国心臓協会・学術集会での発表と同時にNEJM誌オンライン版にて掲載されたもので、イーライリリー社と第一三共とが共同開発している新しいチエノピリジン系の抗血小板剤prasugrelとクロピドグレルとを比較する、国際的な二重盲検試験のフェイズ3であるTRITON TIMI-38からの報告。本誌では11月15日号に掲載された。

ワクチン接種は疾患発現減少に功を奏したか?

アメリカにおける全国的なワクチン接種プログラムの勧告は、対象疾患発現の減少、排除または根絶を目標に行われている。その目標は果たされているのか。CDC(疾病予防管理センター)のSandra W. Roush氏らワクチン予防接種専門調査委員会(Vaccine-Preventable Disease Table Working Group)は、2005年までに行われてきた13疾患対象の予防的なワクチン接種について、勧告・実行前後の罹患率および死亡率の比較を行った。JAMA誌11月14日号掲載の報告から。

イラク帰還兵の精神保健問題の評価は適切か?

退役軍人の精神保健問題を早期に発見するため米国国防総省は、大規模集団を対象に、前線配備から戻った直後と3~6ヵ月後の2回にわたるスクリーニングを推進している。W・リード軍事研究所のCharles S. Milliken氏らは、そのうち戻った直後のスクリーニングだけに焦点をあてた過去の論文は、「精神保健上の負荷を過小評価しているのではないか」と提言。あらためてイラク帰還兵の精神保健の必要性、そしてスクリーニングと精神保健サービス利用との関連を評価した。JAMA誌11月14日号掲載報告より。

上気道感染症、咽頭炎、中耳炎に対する抗生物質投与は正当か

プライマリケア医は、一般的な気道感染症に対して、それに続発する重篤な合併症への配慮から予防的に抗生物質を処方しがちだ。イギリスのガイドラインでは、耐性菌の発現を考慮して上気道感染症、咽頭炎、中耳炎には抗生物質をルーチンに使用すべきでないとされる。また、肺感染症は急性気管支炎に分類され抗生物質は推奨されないが、肺炎には推奨されている。 I. Petersen氏(ロンドン大学ユニバーシティーカレッジ感染症疫学センター)らは、抗生物質の使用により一般的な気道感染症に続発する重篤な合併症のリスクをどの程度低下させられるかについて検討した。BMJ誌10月18日付オンライン版、11月11日付本誌掲載の報告。

心血管系リスクは「妊娠中毒症」のリスク

Pre-eclampsia(妊娠高血圧症候群:PIH、旧「妊娠中毒症」)患者における心血管系リスク増悪はこれまでも報告されてきたが、このたび、妊娠前・妊娠時の心血管系リスクがPIHのリスクであるとの報告がなされた。Norwegian University of Science and Technology(ノルウェー)のElisabeth Balstad Magnussen氏らが明らかにしたもので、11月1日付けBMJホームページにて早期公開、同誌11月10日号に掲載された。

急性腰痛では第一選択治療に第二選択治療を併用しても回復は早まらない

国際的な急性腰痛治療ガイドラインでは、プライマリケア医(GP)は第一選択の治療法として患者へのアドバイス(活動性を維持、ベッド安静を避ける、予後は良好と話して安心させる)およびパラセタモール(アセトアミノフェン)の投与が推奨されている。非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)および脊椎手技療法(spinal manipulative therapy; SMT)は回復が遅い場合の第二選択治療とされる。 Mark J. Hancock氏(オーストラリア・シドニー大学背部痛研究グループ)らは、推奨される第一選択治療を受けた急性腰痛患者において、NSAID、SMTもしくはその両方の追加治療により回復が迅速化するかを検討する無作為化対照比較試験を行った。11月10日付Lancet誌掲載の報告から。

経口避妊薬の長期使用により子宮頸癌のリスクが倍増、中止後は漸減

混合型経口避妊薬は、国際がん研究機関(IARC)により子宮頸癌の原因とされている。この関連性の公衆衛生学的な意義は、子宮頸癌は加齢とともに増加することから、経口避妊薬使用中止後における作用の持続性の影響を強く受ける。 「子宮頸癌の疫学に関する国際共同研究」の研究グループは、世界各国で実施された試験のデータをプールし、子宮頸癌と経口避妊薬の使用パターンの関連について検討した。11月10日付Lancet誌掲載の報告から。

先天性心疾患を有する新生児の脳発達異常は生まれつき?

先天性心疾患を有する新生児には発育上の全般的な機能障害がみられる。カリフォルニア大学神経学学部のSteven P. Miller氏らのグループは、先天性心疾患のある新生児について、脳の成熟度を示す尺度となる脳代謝とミクロ構造の特徴に関して、心臓手術前の時点で対照新生児との検討を行った。NEJM誌2007年11月8日号より。

未熟児無呼吸発作に対するカフェイン療法の長期的影響は?

メチルキサンチン等カフェインは、新生児集中治療で頻繁に使用される薬剤の1つで、未熟児無呼吸発作に対して一般的に用いられているが、その有効性と安全性に関する十分なデータはない。ハミルトン大学(カナダ)Barbara Schmidt氏ら未熟児無呼吸発作カフェイン療法研究グループ(Caffeine for Apnea of Prematurity Trial Group)は、神経発達と成長の長期的影響に関する知見を報告した。NEJM誌11月8日号掲載。

BMI値と死因死亡率との関連について

本報告を行った米国保健統計センター/疾病予防管理センターのKatherine M. Flegal氏らは2000年時点の検討報告として以前に、低体重、過体重、肥満それぞれの全死因死亡率との関連について報告を行っている。すなわち正常体重群と比べて、低体重群と肥満群では全死因死亡率の有意な増加との関連が認められたが、過体重群では有意な減少が認められたとするものだった。 本報告では、BMI値と全原因死亡率との関連(2004年時点における)を調査。JAMA誌11月7日号で掲載された。

肥満者の健康リスクは改善されてはいない

近年の研究報告は、肥満者は1960年代以降死亡率および心血管系のリスク因子が減少しており健康が高まっている、という示唆を与えるものとなっている。それに対しペンシルベニア大学(アメリカ)のDawn E. Alley氏らは、肥満者は以前と比べ長期にわたって危険因子に耐えているだけで、健康どころか、むしろ半面で能力機能障害が増大しているのではないかと提言。肥満症と能力機能障害との経時変化に着目した関連性を検討した。JAMA誌11月7日号掲載より。

ADL集中型作業療法は脳卒中発症後の活動性低下を防止する

リハビリテーションは脳卒中発症後の日常生活動作(ADL)を改善することが示されているが、作業療法の有用性は明らかでない。また、これまでの脳卒中後の作業療法に関するレビューは、個々の患者の活動性の評価が十分ではなかった。 そこで、Lynn Legg氏(イギリス・グラスゴー大学王立病院NHSトラスト老年医学)らは、脳卒中発症後のADLに重点を置いた作業療法による機能回復の改善効果について検討した研究の系統的レビューとメタ解析を行った。BMJ誌9月27日付オンライン版、11月3日付本誌掲載の報告。

救急医療隊員による病院到着前の治療介入が軽症高齢患者のアウトカムを改善

救急医療隊員は、訓練によって病院外で創傷、低血糖、転倒、鼻出血など広範な病態をトリアージして、治療あるいは照会できるようになる。また、地域社会において広範な保健医療やプライマリケアによるアウトリーチの役割を実現するには、特に地方などでは病院前救護活動(pre-hospital practitioner working)が有益なことが指摘されている。一方、救急部受診者の12~21%を高齢者が占め、そのほとんどが偶発事故や転倒である。 そこで、Suzanne Mason氏(イギリス・シェフィールド大学保健サービス研究科)らは、軽症疾患の高齢患者の評価および治療における、訓練を受けて技術が向上した救急医療隊員の役割を評価するための検討を行った。BMJ誌10月4日付オンライン版、11月3日付本誌掲載の報告。

人工着色料・食品添加物(AFCA)は子どもの多動性を増強する

9月上旬、本報告がLancet誌オンライン版に掲載されるや、欧米では大きな反響が巻き起こったという。この試験で用いられている人工着色料・食品添加物(AFCA)の多くは日本でも使用されているため、今後、本邦においても広範な議論が展開されることを期待したい。 AFCAの子どもの行動への影響が指摘されて30年以上が経過している。AFCAによる主な行動障害は多動性(過活動、衝動性、不注意)と推察されるため、この行動パターンを示す子どもは注意欠陥多動性障害(ADHD)でない場合でも、ADHDと診断されている可能性がある。また、最近のメタ解析ではADHDに対する有意な影響も示唆されている。 Donna McCann氏(イギリス・サザンプトン大学心理学科)らは、AFCAの摂取が子どもの行動に及ぼす影響を広範に評価するために、対象年齢を拡大した検討を行った。Lancet誌9月6日付オンライン版、11月3日付本誌掲載の報告。

薬物溶出ステント(DES)が経済的なのは高リスク病変のみ

ステント留置後18ヵ月間の費用対効果を検討すると、薬物溶出ステント(DES)が効率的なのは高リスク病変への留置のみであり、低リスク病変に対する費用対効果はベアメタル・ステント(BMS)に軍配が上がることが、無作為化試験BASKETの結果明らかになった。Basel(スイス)、University HospitalのHans Peter Brunner-La Rocca氏らがLancet誌11月3日号で報告した。

胃癌術後患者の補助化学療法に関する日本発エビデンス:ACTS-GC

経口フッ化ピリミジン系薬剤(S-1)に関して、日本国内の109医療機関、患者1,059人が参加して行われたACTS-GC試験(Adjuvant Chemotherapy Trial of TS-1 for Gastric CancerTS-1:胃癌術後補助化学療法比較試験 http://acts-gc.jp/index.html)の結果が、NEJM誌11月1日号に掲載された。筆頭執筆者は北里大学の桜本信一氏。治癒的切除術が施行された胃癌患者に対するS-1を用いた補助化学療法の有用性を評価したもの。

脳MRIは無症候性の脳異常の発見に結びつく

研究および臨床領域双方で利用が増している脳の磁気共鳴画像(MRI)は、一方ではスキャナやMRIシークエンスの改善がなされている。そうした画像診断技術の進歩は、脳腫瘍、動脈瘤、無症状の血管病変など予期しない無症候性の脳異常の発見に結びつく可能性があるとして、オランダのエラスムスMC大学医療センターのMeike W. Vernooij氏らは、偶発的な脳所見が一般集団で出現する割合を検討した。NEJM誌11月1日号より。

ザンビアでのエイズ罹患小児への抗レトロウイルス療法

ザンビア保健省はヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した小児への抗レトロウイルス療法(ART)を首都ルサカにある初期医療施設で提供しているが、同国では周産期予防の規模拡充にもかかわらず小児の多くが感染している状況にある。治療を受けた小児の臨床および免疫学的予後に関する調査報告がJAMA誌2007年10月24日号に掲載された。

産学結びつきの現状ともたらす影響

産学連携(Institutional Academic-Industry Relationships:IAIR)は、組織内に利害対立をも引き起こす可能性をはらんでいる。しかしこれまで、大学および教育病院と産業界との関係を管理する方針や手法に関して確立・評価するのに役立つ観察データは示されていなかった。そこで医学部と教育病院の産学連携の性質、範囲そして影響について、学部教授を対象とした全国調査がマサチューセッツ総合病院のEric G. Campbell氏らによって行われ、その結果がJAMA誌2007年10月17日号に掲載された。