バルセロナ市の通勤・通学自転車シェアシステム「ビシング」、死亡低下しCO2減少

提供元:ケアネット

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公開日:2011/08/26

 



世界各国の主要都市で、主に交通渋滞緩和を目的に導入が進んでいる、公共の自転車共有システムについて、スペイン・環境疫学研究センターのDavid Rojas-Rueda氏らは、同国バルセロナ市で2007年3月に導入された「Bicing(ビシング)」(http://www.cycle-info.bpaj.or.jp/japanese/report/jpg/h20_8/h20_8_1top.html)と呼ばれる同システムの、健康に及ぼすベネフィットとリスクについて調査を行った。その結果、「交通事故や大気汚染などのリスクよりも、ベネフィット(死亡減、CO2減)が大きく、また二酸化炭素排出量を減らすなど公衆衛生上の改善効果も期待できる」と報告している。BMJ誌2011年8月13日号(オンライン版2011年8月4日号)掲載報告より。

バルセロナの自転車共有システム利用者18万人余りを対象に調査




Rojas-Rueda氏らは、都市部での自転車ユーザーと自動車ユーザーを比較して、それぞれの健康に及ぼすリスクとベネフィットを推定する健康影響評価研究を行った。自転車ユーザーは、18万1,982人のBicing契約者が調査対象となった。

主要評価項目は、身体活動レベル、大気汚染物質の吸入(2.5μm以下の粒子状物質への曝露)、交通事故の3領域の全死因死亡率とした。副次評価項目は、二酸化炭素排出レベルの変化とした。

交通事故や大気汚染物質吸入のリスクをベネフィットが上回る




結果、自動車ユーザーと比較してBicing利用者の推定死亡率は、年間で交通事故による死亡が0.03、大気汚染物質の吸入による死亡が0.13増加しただけだった。

一方、Bicing利用で身体活動が促進された結果として、死亡が12.46減少し(ベネフィット対リスク比:77)、年間死亡数では12.28が回避された。また、Bicingを用いた結果として、1年間の二酸化炭素排出量は約9,062,344kg減少すると推計された。