米国の主要ガイドライン、低エビデンスも推奨強が多い?/BMJ

米国心臓病学会(ACC)、米国心臓協会(AHA)、米国臨床腫瘍学会(ASCO)の作成した臨床ガイドラインについて、エビデンスの質が低いにもかかわらず、推奨の度合いが強い事例が少なくないことが示された。そうしたエビデンスの質と推奨の強さの「不一致」は、エビデンスベースのガイドラインと比べてコンセンサスベースのガイドラインに多かったという。カナダ・マックマスター大学のLiang Yao氏らが、ACC、AHA、ASCOの作成したガイドラインとそれに基づく推奨について実証分析を行い明らかにした。エビデンスに基づく医療とは、推奨の度合いとエビデンスの質が一致していることを原則とするが、コンセンサスベースのガイドラインでこの原則を満たしているかは明らかにされていなかったという。著者は「“信頼できる”ガイドライン作成のためには、エビデンスの質と推奨の度合いを適切に一致させることが鍵になる」と指摘している。BMJ誌2021年11月25日号掲載の報告。