日本発エビデンス|page:95

BMI正常でも低体重で生まれた女性の糖尿病に注意

 出生時体重は成人発症型糖尿病(DM)の胎児決定因子とみなされているが、BMIとの関連における公衆衛生上の重要性は不明である。今回、国立がん研究センターの片野田 耕太氏らが実施した女性看護師コホートでの研究で、出生時体重およびその在胎期間でのパーセンタイルスコアが成人発症型DMと関連すること、またBMIが正常低値の女性において出生時体重が2,500g未満だった人は成人発症型DMリスクが高いことが示唆された。Journal of epidemiology誌オンライン版2017年6月20日号に掲載。

抗精神病薬の副作用、医師にどれだけ伝えられているか:藤田保健衛生大

 抗精神病薬の有害事象は服薬アドヒアランスに著しい影響を及ぼすことがある。藤田保健衛生大学の波多野 正和氏らは、患者から報告されることの少ない抗精神病薬の有害事象およびそのような症状が残存している理由について調査した。Clinical psychopharmacology and neuroscience誌2017年5月31日号の報告。

鶏卵アレルギー予防、生後6ヵ月から微量鶏卵摂取を推奨 日本小児アレルギー学会提言

 6月16日、日本小児アレルギー学会から「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」が公表された。提言では、鶏卵アレルギー発症予防の方策として、アトピー性皮膚炎の乳児において、医師の管理のもと生後6ヵ月から微量の鶏卵摂取を推奨。鶏卵摂取はアトピー性皮膚炎が寛解した上で進めることが望ましいとしている。この提言は2016年に発刊された「食物アレルギー診療ガイドライン2016」および国立成育医療センターが報告したPETITスタディに基づく。

太っていないNAFLD患者で心血管リスク高い

 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は心血管疾患(CVD)発症のリスク因子として知られている。NAFLDの約20%は非肥満者に発症するが、過体重でないNAFLD患者とCVD発症リスクとの関連はまだ解明されていない。今回、京都府立医科大学の橋本 善隆氏らが、わが国のコホート研究の事後解析で調査したところ、過体重でないNAFLD患者でCVD発症リスクが高いことが示された。著者らは、さらなるCVDイベントを防ぐために、過体重でなくともNAFLDに注意を払うべきとしている。Medicine誌2017年5月号に掲載。

たこつぼ症候群の季節変動~日本のコホート研究

 たこつぼ症候群(TTS)の発症における季節的な変動が報告されているが、季節と患者特性の関係や季節による転帰への影響は不明である。東京大学の磯貝 俊明氏らがわが国のDiagnosis Procedure Combination(DPC)データベースを用いて検討したところ、TTSの院内死亡率に季節の影響がないようにみえるものの、月間変動がある可能性が示唆された。また、TTS患者における男性の割合、精神疾患・敗血症患者の割合、心室性不整脈発症率に有意な季節変動がみられた。Heart and vessels誌オンライン版2017年6月7日号に掲載。

カペシタビンによる術後補助化学療法でHER2陰性乳がんの予後を改善/NEJM

 標準的な術前補助化学療法を受け、病理検査で浸潤がんの遺残が確認されたヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)陰性乳がん患者において、標準的な術後治療にカペシタビンによる術後補助化学療法を加えると、無病生存(DFS)と全生存(OS)が改善することが、国立病院機構 大阪医療センターの増田 慎三氏らが実施したCREATE-X試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年6月1日号に掲載された。HER2陰性原発乳がんの術前補助化学療法の病理学的完全奏効(pCR)率は13~22%で、non-pCR例の再発リスクは20~30%とされ、これら遺残病変がみられるHER2陰性例への術後補助化学療法は確立されていない。カペシタビンはフルオロウラシルの経口プロドラッグで、消化器がんの術後補助化学療法や転移性乳がん(主に2次治療)の治療薬として用いられている。

日本人の脳卒中予防に最適な身体活動量~JPHC研究

 欧米人より出血性脳卒中が多いアジア人での身体活動量と脳卒中の関連についての研究は少ない。わが国の多目的コホート研究であるJPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study、主任研究者:津金昌一郎氏)で、脳卒中予防のための身体活動の最適レベルを検討したところ、日本人では過度の激しい活動は出血性脳卒中の予防に有益ではなく、不利益にさえなる可能性があることが示唆された。今回の結果から、脳卒中予防には中等度の活動による中等度の身体活動量が最適であろうとしている。Stroke誌オンライン版2017年6月5日号に掲載。

尿pHで糖尿病発症を予測できるか~日本の大規模コホート

 これまでに2型糖尿病患者の低い尿pHとの関連が明らかになっているが、尿中pHと2型糖尿病の発症との関連は不明である。今回、京都府立医科大学の橋本 善隆氏らは、わが国における男性の大規模コホート研究で、低い尿pHが糖尿病の独立した予測因子となることを報告した。尿pHが簡単で実用的な糖尿病のマーカーである可能性が示唆された。Diabetes research and clinical practice誌オンライン版2017年5月9日号に掲載。

日本のてんかんセンター、術後精神疾患に対する強みと課題:愛知医大

 てんかん手術後の精神医学的課題は、大きな問題として知られているが、てんかんセンターによるこれら課題の実際の認識は、まだ明らかにされていない。愛知医科大学の郷治 洋子氏らは、日本全国のてんかんセンターによる精神医学的評価と介入の使用に関して調査した。Epilepsy & behavior誌オンライン版2017年4月12日号の報告。

未就学児への不適切な抗菌薬処方、小児科以外で多い

 未就学児の上気道感染症(URI)への抗菌薬処方に関する、全国の診療報酬請求データベースを用いた京都大学の吉田 都美氏らの後ろ向き研究から、非細菌性URIへの不適切な抗菌薬処方が、年齢の上昇、男児、施設の特性、小児科以外の診療科、時間外診療に関連することがわかった。Journal of public health誌オンライン版2017年4月27日号に掲載。

インスリン療法、1年後のHbA1cと投与量の増加は?~日本人コホート

 日本の前向きコホート研究(Diabetes Distress and Care Registry at Tenri:DDCRT)において、2型糖尿病患者への4つのインスリン療法のレジメンによる血糖コントロールについて調査したところ、多くの患者が1年後にHbA1cレベルおよびインスリン投与量の増加を示したことがわかった。インスリン投与量の増加については、基礎-ボーラス療法群で最も少なかったという。Journal of diabetes investigation誌オンライン版2017年5月11日号に掲載。

高齢者でも朝食抜きが肥満に関連~平城京スタディ

 子供や若年者では朝食の欠食が肥満に関連することが報告されているが、高齢者での関連性の報告はほとんどない。今回、平城京スタディの横断研究で、高齢者においても朝食の欠食が肥満と有意に関連することが示された。食事の質の低さや身体活動の少なさが肥満につながっている可能性があるという。The journal of nutrition, health & aging誌2017年5月号に掲載。

職業性ストレス対策、自身の気質認識がポイント:大阪市立大

 就労者の不眠症は、QOLを低下させ、健康管理費の経済的負担やワークパフォーマンスの損失を引き起こす。これまでの研究では、職業性ストレスと不眠症との関連は報告されていたが、労働安全衛生研究における気質には、あまり注目されていなかった。大阪市立大学の出口 裕彦氏らは、気質、職業性ストレス、不眠症との関連について検討を行った。PLOS ONE誌2017年4月13日号の報告。

欧米化された食事でも死亡リスクは低下?~JPHC研究

 JPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study、主任研究者:津金昌一郎氏)において、日本人の食事パターンと全死因、がん、心血管疾患による死亡との関連を調査した結果、健康的な食事パターンと欧米化された食事パターンでは、全死因および心血管疾患の死亡リスクが低いことが示唆された。欧米化された食事パターンでの結果はこれまでの報告と矛盾するが、研究グループでは塩の摂取が少ないことや飽和脂肪酸の高摂取による寄与の可能性を考察している。PLOS ONE誌2017年4月26日号に掲載。