尿pHが男性の糖尿病発症と関連~日本の大規模コホート

提供元:ケアネット

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公開日:2017/06/06

 

 これまでに2型糖尿病患者の低い尿pHとの関連が明らかになっているが、尿中pHと2型糖尿病の発症との関連は不明である。今回、京都府立医科大学の橋本 善隆氏らは、わが国における男性の大規模コホート研究で、低い尿pHが糖尿病の独立した予測因子となることを報告した。尿pHが簡単で実用的な糖尿病のマーカーである可能性が示唆された。Diabetes research and clinical practice誌オンライン版2017年5月9日号に掲載。

 本研究は男性3,119人の5年間の観察研究である。参加者を尿pHで4群に分け、多変量ロジスティック回帰分析により、2型糖尿病発症の調整オッズ比(OR)および95%CIを算出した(年齢、BMI、喫煙、運動、飲酒、高血圧症、高トリグリセライド血症、LDLコレステロール値、空腹時血糖異常で調整)。

 主な結果は以下のとおり。

・追跡調査において113人が糖尿病と診断された。

・糖尿病の発症率は、尿pHが最も低い群(尿pH=5.0)で6.9%(318人中22人)、2番目に低い群(尿pH=5.5)で3.4%(1,366人中46人)、3番目に低い群(尿pH=6.0)で3.5%(856人中30人)、最も高い群(尿pH≧6.5)で2.6%(579人中15人)であった。

・尿中pHが最も低い群では、その他の群と比較して糖尿病発症リスクが高かった。2番目に低い群に対する多変量ORは1.91(95%CI:1.05~3.36、p=0.033)、3番目に低い群に対する多変量ORは1.99(95%CI:1.05~3.71、p=0.036)、最も高い群に対する多変量ORは2.69(95%CI:1.30~5.72、p=0.008)であった。

(ケアネット 金沢 浩子)