統合失調症患者の家庭での暴力行為に関する調査:東京大学 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/08/17 精神疾患患者の脱施設化を目指す日本において、家庭内暴力は重要な問題である。東京大学の蔭山 正子氏らは、統合失調症患者を対象に、家庭内暴力の割合や患者の性別、患者との関係性における違いを明らかにすべく、検討を行った。Asia-Pacific journal of public health誌オンライン版2015年7月16日号の報告。 研究グループは、精神障害者家族の世帯に質問状を配布し、回答を募った。 主な結果は以下のとおり。 ・350世帯から回答が得られ、302件のデータを分析した。 ・いずれかの家族に対し暴力行為が認められた割合は、生涯で60.9%、過去1年間で27.2%であった。 ・生涯で暴力を受けた対象を血縁関係ごとにみたところ、母親が51.0%と最も高く、続いて父親(47.0%)、妹(30.7%)、配偶者(23.8%)、弟(19.5%)、姉(18.2%)、兄(17.1%)の順であり、子供に対しては認められなかった。 ・妹は他の兄弟姉妹と比較し、被害に遭う傾向が高かった。 ・患者が男性の場合、父親や兄が被害に遭いやすい傾向が認められた。 関連医療ニュース 日本人統合失調症、暴力行為の危険因子は:千葉大 統合失調症の社会参加に影響する症状は何か 統合失調症患者の自殺企図、家族でも気づかない:東邦大学 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kageyama M, et al. Asia Pac J Public Health. 2015 Jul 16. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 心理教育的介入で、地域社会の精神保健ケア構築は可能か/Lancet(2025/09/08) システム統合型の転倒予防プログラムは高齢者に有効か/JAMA(2025/09/08) 慢性咳嗽のカギ「咳過敏症」、改訂ガイドラインで注目/杏林(2025/09/08) 男女間におけるレビー小体とアルツハイマーにおける認知機能低下の違い(2025/09/08) HR+/HER2+転移乳がんへのパルボシクリブ+トラスツズマブのOS(PATRICIA)/ESMO Open(2025/09/08) 全年齢で130/80mmHg未満を目標に、『高血圧管理・治療ガイドライン2025』発刊/日本高血圧学会(2025/09/08) 中年期の高コルチゾール値は閉経後のアルツハイマー病発症リスクと関連(2025/09/08) [ あわせて読みたい ] 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)