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「笑い」でうつ病診断が可能に

 「笑い(laughter)」は、うつ病および潜在的な精神疾患の発症および進展の診断ツールとして有用である可能性が、スペイン・Aragon Institute of Health ScienceのJ. Navarro氏らにより報告された。笑いは医学分野において、健康へのよい影響をもたらすことや重大疾患の予防や治療の手法としては研究されてきたが、疾患の予測指標となる可能性や診断ツールとしての可能性については検討されていなかった。Journal of Affective Disorders誌2014年5月号の掲載報告。

「歩行とバランスの乱れ」はアルツハイマーのサインかも

 バランスと歩行の障害は、アルツハイマー型認知症(AD)のごく初期のサインである可能性が、米国・イサカ・カレッジのLaura Z. Gras氏らによる検討の結果、示された。結果を踏まえて著者は、「これらの問題の認識が以降の理学療法介入を早め、バランスと歩行の障害のさらなる進行を遅らせることが可能になるだろう」と述べている。先行研究で、AD患者では歩行とバランスに障害が出ることが示されている。しかし、その障害を認知症の程度(軽度~重度)の区別なく一律に捉えていた。Journal of Geriatric Physical Therapy誌オンライン版2014年4月21日号の掲載報告。

出生前後のプロバイオティクス投与がアトピーの一次予防の可能性

 一般集団およびアレルギーリスクがある集団のいずれにおいても、生誕前後にプロバイオティクスを与えることが、アトピー性皮膚炎(AD)の発症予防に役立つ可能性が、ルーマニアのキャロル・デイビラ・ユニバーシティ・オブ・メディスン・アンド・ファーマシーのM. Panduru氏らにより報告された。

座りきりの生活は心にどのような影響を及ぼすか

 座りきりの生活(TV視聴、インターネット利用、読書)すべてが必ずしも、精神衛生に悪影響をもたらすわけではないことが、英国・ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのMark Hamer氏らによる調査の結果、報告された。また、TV視聴時間が長いと認知機能低下との関連がみられたが、ネット利用者では認知機能が高いこととの関連がみられたという。Medicine & Science in Sports & Exercise誌2014年4月号の掲載報告。

小児ADHD、食事パターンで予防可能か

 これまで子供の行動における食事の役割は議論されてきたが、小児期の行動障害と複数の栄養因子との関連が絶えず示唆されている。韓国・国立がんセンターのHae Dong Woo氏らは、注意欠陥・多動性障害(ADHD)に関連する食事パターンを明らかにするため、症例対照研究を行った。その結果、伝統的かつ健康的な食事を摂取することで、ADHDリスクが低下する可能性があることが示唆された。Nutrients誌オンライン版2014年4月14日号の報告。

トラスツズマブ抵抗性進行乳がんへのエベロリムスの追加(BOLERO-3)

 トラスツズマブ抵抗性の乳がんにおいては、細胞内PI3K/Akt/mTOR経路のシグナル活性化の関与が示唆されている。本研究は、パリ第11大学腫瘍内科のFabrice Andre氏らにより、mTOR阻害薬エベロリムス(商品名:アフィニトール)の追加投与によるトラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)感受性回復を評価することを目的に行われた。Lancet Oncology誌オンライン版 2014年4月14日号の報告。

抗精神病薬誘発性持続勃起症への対処は

 持続勃起症(プリアピスム)は、性的刺激とは関係なく陰茎の勃起状態が、3時間以上続く状態であり、痛みを伴うことが多い。持続勃起症は泌尿器科的な緊急事態で重篤な合併症を引き起こす可能性がある。持続勃起症の発症の25~40%は薬物が原因で、抗うつ薬、降圧薬、抗凝固薬、交感神経α受容体遮断薬ほか精神を活性化する物質(アルコール、コカイン、大麻など)などが含まれるが、薬物関連の持続勃起症の約50%は抗精神病薬に起因するという。モロッコ・Ar-Razi大学精神科病院のJ. Doufik氏らは、抗精神病薬により誘発された持続勃起症とその対処について、症例報告を行った。Encephale誌オンライン版2014年4月4日号の掲載報告。  研究グループは、とくに非安定性の精神疾患患者において、臨床医はこのまれな副作用とその処置の困難さを認知しておくべきであるとして本症例報告を行った。

脳血管性認知症患者に非定型抗精神病薬を使用すべきか

 脳血管性認知症(VaD)患者ではBPSD(認知症の行動・心理症状)の発現により頻繁に非定型抗精神病薬が使用されているが、VaDにおける有効性や安全性に関するエビデンスは不十分である。英国・ロンドン大学のJ Sultana氏らは、VaD患者における非定型抗精神病薬と死亡リスクとの関係を検討した。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2014年3月14日号の報告。

de novo B型肝炎の心配は?HBV感染既往RA患者への生物学的製剤投与

 B型肝炎ウイルス(HBV)の感染既往があり、生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)を投与している慢性関節リウマチ(RA)患者のHBV再活性化率を検討したところ、5.3%に再活性化を認めたものの、重症肝炎に至った症例はなかったことが、自治医科大学の中村 潤氏らによる研究で明らかになった。このことから、生物学的DMARDsは、HBV感染既往のあるRA患者にとって、安全に使用可能な薬剤であると考えられる。International journal of rheumatic diseases誌オンライン版2014年4月4日号の報告。