大部分のがんは男性で発症しやすく生存率も低い

がんの発症リスクと生存率における性差について、スウェーデンがん登録のデータで調査したところ、男性のほうが39がん種のうち34がん種で発症リスクが高く、27がん種で生存率が低いことをスウェーデン・カロリンスカ研究所のCecilia Radkiewicz氏らが報告した。著者らは、「これらの性差を引き起こす原因を特定して排除することで、全体的ながん負担を軽減させる可能性がある」としている。European journal of cancer誌オンライン版2017年8月10日号に掲載。
本研究は、1970~2014年にスウェーデンがん登録に記録された成人のすべてのがん症例(87万2,397例)のデータを用いた、集団ベースのコホート研究である。診断された年齢と年を調整して、男性の女性に対する罹患率比(IRR)と過剰死亡指数(EMR)をポアソン回帰を用いて推定し、性別とがんリスク、性別と生存率との関連を評価した。
主な結果は以下のとおり。
・男性のほうが、39がん種中34がん種で発症リスクが高く、39がん種中27がん種で予後不良であった。
・女性のほうが、39がん種中5がん種で発症リスクが高く、39がん種中2がん種で生存率が有意に低かった。
・男性のほうが多いがん種のIRRの範囲は、肺腺がんの1.05(95%CI:1.03~1.1)から喉頭がんの8.0(同:7.5~8.5)であった。
・男性のほうが生存率の低いがん種のEMRの範囲は、結腸がんの1.1(95%CI:1.03~1.1)から高分化型甲状腺がんの2.1(同:1.5~2.8)であった。
(ケアネット 金沢 浩子)
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