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ロボット支援脊椎手術は有用か

 転移性または原発性脊椎腫瘍患者の治療において、外科手術は重要な役割を果たしている。近年、手術支援ロボットなどの新しい技術が開発され、正確なインストゥルメンテーションの設置や合併症の減少など有望な結果が示されている。米国・Texas Health Presbyterian Hospital PlanoのXiaobang Hu氏らは、ロボット支援脊椎手術の自験例について評価し、転移性または原発性脊椎腫瘍の治療においてロボット支援システムは安全かつ有用であることを報告した。著者は、「多数例におけるさらなる検討の実施を支持する結果である」とまとめている。International Journal of Spine Surgery誌オンライン版2015年2月3日号の掲載報告。

第103回日本泌尿器科学会総会 開催のご案内

 日本泌尿器科学会は、2015年4月18日~21日の4日間、第103回日本泌尿器科学会総会を金沢市で開催する。会長は、並木 幹夫 氏(金沢大学大学院医学系研究科 泌尿器科学 教授)。今回は新たに「若手医師が創るプログラム」という企画を設け、若手医師自らが将来に向けた泌尿器科医のあり方を参加者と考えるセッションも予定されている。また、発表される一般演題数も今回は1,750を超え、過去最高となる。

高齢者焦点てんかん、治療継続率が高い薬剤は

 ドイツ・ヨハネス・グーテンベルク大学病院のKonrad J. Werhahn氏らは、高齢者の焦点性てんかんに対するカルバマゼピン徐放製剤(CR-CBZ)の有効性を、レベチラセタム(LEV)およびラモトリギン(LTG)と比較検討する無作為化二重盲検並行群間試験を実施した。その結果、CR-CBZに比べLEVのほうが高い治療継続率を示したことを報告し、LEVの良好な忍容性がこの結果の背景にあることを示唆した。Epilepsia誌オンライン版2015年2月12日号の掲載報告。

精神疾患患者の安楽死、どう考える

 精神疾患や認知症の患者、また重篤な疾患はないが人生が嫌になっている患者における安楽死や医師による自殺幇助(EAS)は、非常に大きな論点となっている。このような場合、オランダの安楽死法の管轄に入るが、オランダ人医師はEASに消極的であるように見える。オランダ・アムステルダム自由大学医療センターのEva Elizabeth Bolt氏らは、オランダ人医師がEASの可能性を拒否しているか否かを調査した。Journal of medical ethics誌オンライン版2015年2月18日号の報告。

EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすか

 米国・オークランド小児病院のRhonda P. Patrick氏らは、注意欠如・多動症、双極性障害、統合失調症などセロトニンが関与している脳機能障害患者では、ビタミンDおよび海洋性ω-3脂肪酸すなわちエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)のレベルがいずれも不十分であり、これらを適切に摂取することが脳機能障害の悪化を抑制・調節する可能性を報告した。FASEB Journal誌オンライン版2015年2月24日号の掲載報告。

脱毛性毛包炎、イソトレチノインは有効な治療選択肢

 脱毛性毛包炎は瘢痕性脱毛症の原因となる。現在、最もよく用いられている治療薬は抗菌薬であるが、再発率が高いのが特徴で耐性菌の発現も促進する。ドイツ・ルートヴィヒ・マクシミリアン大学のJulia. K. Tietze氏らは、レトロスペクティブな検討においてイソトレチノイン経口薬(国内未承認)が有効な治療選択肢となることを示した。著者は、「脱毛性毛包炎に対する第1選択としての抗菌薬の使用をしっかり見直し再評価する必要がある」とまとめている。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌オンライン版2015年2月24日号の掲載報告。

慢性腰痛は神経障害性疼痛の有無で治療薬を使い分け

 慢性腰痛の治療にプレガバリン(商品名:リリカ)やオピオイドが用いられることがあるが、これまで両者の有効性を比較した研究はない。独立行政法人 国立長寿医療研究センター 整形外科脊椎外科医長の酒井 義人氏らは高齢患者において検討し、全体の有効率に差はないものの神経障害性疼痛や下肢症状の有無で、効果に違いがみられることを示した。著者は、「鎮痛か日常生活動作(ADL)の改善かなど、治療の主たる目的を明確にしておくことが大切」とまとめている。European Spine Journal誌オンライン版2015年2月15日号の掲載報告。

降圧薬に認知症予防効果は期待できるのか

 慢性高血圧、とくに中年期の高血圧は、認知機能低下や認知症のリスク増加と関連することが知られている。しかし、降圧薬の予防効果についてはあまり解明されていなかった。フランス・INSERMのLaure Rouch氏らは、システマティックレビューを行い、カルシウム(Ca)拮抗薬やレニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬は認知機能低下および認知症の予防に有効である可能性を示した。ただし、「今回の知見を確認するためには、認知症を主要評価項目としたより長期の無作為化試験が必要」とまとめている。CNS Drugs誌2015年2月号の掲載報告。

喫煙は、手の皮膚炎と関係がある?

 喫煙はさまざまな炎症性皮膚疾患に影響することが知られている。ドイツ・イエナ大学のJudit Lukacs氏らは、喫煙と手の皮膚炎との関連を調べるためシステマティックレビューを行った。今回、喫煙が手の皮膚炎の危険因子であることは示されなかったが、喫煙が手の皮膚炎に関与する可能性が除外されたわけではなく、著者は「依然として喫煙が皮膚疾患の経過に負の影響を及ぼす可能性はある」とまとめている。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌オンライン版2015年2月4日号の掲載報告。

うつ病にダンスセラピー、その効果は

 英国・リーズ大学のBonnie Meekums氏らは、うつ病に対するダンス・ムーブメントセラピー(DMT)の効果を明らかにするため、3件の無作為化対照試験(RCT)の解析を行った。その結果、DMTのうつ病に対する確実な効果は認められなかったことを報告した。DMTは広範囲の文化的、知的バックグランドを持つ人が活用しているが、その効果は十分にわかっていなかった。Cochrane Database Systematic Reviews2015年2月19日号の掲載報告。

心房細動による脳卒中での寝たきり予防に 提言書 第二版を発表

 公益社団法人日本脳卒中協会とバイエル薬品株式会が共同事業として展開する「心房細動による脳卒中を予防するプロジェクト」は3月4日、「脳卒中予防への提言 ―心原性脳塞栓症の制圧を目指して―(第二版)」を発表した。本提言書は、昨年5月に発表した「脳卒中予防への提言─心原性脳塞栓症の制圧を目指すために─初版」で示した提言について、どのように実行が可能なのかを、各地で進む事例を取り上げながら、具体的な実行策を示したもの。