認知症予防、緑茶 vs.紅茶 vs.ルイボス茶

提供元:ケアネット

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公開日:2017/11/01

 

 チャノキ(茶の木[Camellia sinensis])の緑茶(green tea)成分は、アルツハイマー病における、記憶障害などのさまざまな神経変性状態に対し神経保護的に作用する。しかし、チャノキのほかの茶成分が、類似の神経保護的な効果を示すかは不明である。ブラジル・Universidade Federal do PampaのHelen L. Schimidt氏らは、アルツハイマー様疾患のラットモデルにおいて、緑茶、ルイボス茶(red tea)、紅茶(black tea)の補充が記憶および海馬の酸化状態に及ぼす影響を調査した。Food research international誌2017年10月号の報告。

アルツハイマー様疾患ラットモデルの神経保護に緑茶が有効

 wistar雄ラットに緑茶、ルイボス茶、紅茶を8週間補充した後、Aβ海馬内注射(2μL of Aβ-25-35、CA1領域)を行った。アルツハイマー様疾患およびshamラットの記憶検査を行った。安楽死後、両側海馬の酸化状態を定量化した。

 アルツハイマー様疾患ラットに緑茶、ルイボス茶、紅茶が及ぼす影響を調査した主な結果は以下のとおり。

・緑茶とルイボス茶はアルツハイマー様疾患ラットの記憶障害を防ぎ、緑茶のみが海馬の酸化ストレスや損傷を防いだ。
・チャノキの緑茶は、アルツハイマー様疾患ラットモデルにおいて、ルイボス茶と紅茶よりも神経保護に有効であった。

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