抗精神病薬使用の国際動向~16ヵ国調査 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/11/02 アイスランド・アイスランド大学のOskar Halfdanarson氏らは、抗精神病薬の使用における国際的な傾向を、標準化された方法論を用いて評価した。European neuropsychopharmacology誌2017年10月号の報告。 世界16ヵ国より2005~14年までのデータを抽出し、反復横断調査を実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・調査対象国16ヵ国中10ヵ国において、調査期間中の抗精神病薬使用率が増加した。 ・2014年の抗精神病薬使用率は、台湾(78.2人/千人)が最も高く、コロンビア(3.2人/千人)が最も低かった。日本は、17.9人/千人であった。 ・小児および青年(0~19歳)における抗精神病薬使用率は、台湾(30.8人/千人)が最も高く、リトアニア(0.5人/千人)が最も低かった。日本は、3.2人/千人であった。 ・成人(20~64歳)における抗精神病薬使用率は、米国公的保険被保険者(78.9人/千人)が最も高く、コロンビア(2.8人/千人)が最も低かった。高齢者では、台湾(149.0人/千人)が最も高く、コロンビア(19.0人/千人)が最も低かった。日本は、成人22.0人/千人、高齢者19.8人/千人であった。 ・非定型抗精神病薬使用は、全集団において増加しており、非定型/定型比は0.7(台湾)~6.1(ニュージーランド、オーストラリア)の範囲であった。 ・クエチアピン、リスペリドン、オランザピンが最も頻繁に使用されていた。 ・抗精神病薬の使用率およびパターンは、国により著しく異なっていた。 ・大部分の集団において、抗精神病薬(とくに非定型抗精神病薬)使用は、時間とともに増加した。 ・一部の国における高齢者および青年における抗精神病薬使用割合の高さについては、さらなる調査およびシステマティックな薬剤疫学的モニタリングを必要とする。 ■関連記事 統合失調症患者の脳活性、リスペリドン vs. アリピプラゾール 抗認知症薬と抗コリン薬の併用、アジア太平洋諸国の現状 精神疾患患者の激越症状に対する新旧治療戦略 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Halfdanarson O, et al. Eur Neuropsychopharmacol. 2017 Oct;27:1064-1076. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 精神疾患患者の激越症状に対する新旧治療戦略 医療一般(2017/10/13) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 肥満手術、SADI-SはRYGBを凌駕するか/Lancet(2025/09/09) 9月20日・21日、産業保健の最新動向を学ぶ!日本産業保健法学会【ご案内】(2025/09/09) 心房細動と動脈硬化、MRIで異なる脳血管病変示す/ESC2025(2025/09/09) うつ病治療において有酸素運動と組み合わせるべき最適な治療は(2025/09/09) DPP-4阻害薬でコントロール不十分な2型糖尿病にイメグリミン追加が有効~FAMILIAR試験(2025/09/09) 高齢者への不適切処方で全死亡リスク1.3倍、処方漏れで1.8倍(2025/09/09) オメガ3脂肪酸が小児の近視抑制に有効?(2025/09/09) 厳格な血圧コントロールは心臓の健康だけでなく費用対効果も改善(2025/09/09) [ あわせて読みたい ] 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08) 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回(2022/06/06) Dr.金井のCTクイズ 初級編(2022/05/17) 診療所の売れ行きに直結する「概要書」の大切さ【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第39回(2022/05/09) 医療マンガ大賞2021「たった一時間されど一時間」受賞者描き下ろし作品(ささき かずよ氏)(2022/04/18) 「急ぎ」のお宝承継をゲットできる医師は…?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第38回(2022/04/11) Dr.田中和豊の血液検査指南 電解質編(2022/04/10)