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発症メカニズムから考える乾癬の治療戦略

 2017年4月10日、メディアセミナー「乾癬治療における生物学的製剤の最新エビデンスと今後の展望~乾癬の発症機序から考える最新治療戦略~」が開催された(主催:アッヴィ合同会社)。本セミナーでは、演者である佐藤 伸一氏(東京大学大学院 医学系研究科 皮膚科学 教授)が、「乾癬治療における生物学的製剤治療の意義」と題した講演を行った。

頭頸部がん領域で求められる体制整備

 2017年4月27日、都内にて“頭頸部がん治療とがん免疫療法薬「オプジーボ」”と題するセミナーが開かれた(主催:小野薬品工業株式会社/ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)。演者である田原 信氏 (国立がん研究センター東病院 頭頸部内科長)は、「今後、免疫療法は頭頸部がん治療に新たな展望をもたらすだろう」と期待を述べた。

血清尿酸値が糖尿病性網膜症リスクと相関~日本人男性

 奈良県立医科大学の石井 均氏らの研究グループによる大規模レジストリ研究で、男性の2型糖尿病患者では、血清尿酸値が高いほど糖尿病性網膜症の発症リスクが増加することがわかった。この研究で、血清尿酸値が男性2型糖尿病患者の糖尿病性網膜症の発症リスクを予測する有用なバイオマーカーである可能性が示唆された。Diabetes/metabolism research and reviews誌オンライン版2017年4月26日号に掲載。

産後うつ病になりやすい女性の特徴:高知大

 出産年齢の女性において、主要な障害の1つである産後うつ病。産後うつ病リスクのある女性を特定することは、そのマネジメントを改善する可能性がある。高知大学のSifa Marie Joelle Muchanga氏らは、産後うつ病といくつかの先天性婦人科疾患罹患率との関連を調査した。Journal of affective disorders誌オンライン版2017年3月30日号の報告。

てんかん重積状態に対する抗てんかん薬処方の変化

 新規抗てんかん薬(AED)の処方は増加しているが、てんかん重積状態(SE)に対する新規AEDの使用およびアウトカムへの影響についてのデータは限られている。スイス・Centre Hospitalier Universitaire VaudoisのIsabelle Beuchat氏らは、実臨床における新規AEDと従来型AEDの処方パターンの変化や予後との関連について検討を行った。CNS drugs誌2017年4月号の報告。

アダリムマブ、非感染性ぶどう膜炎患者の視覚関連QOLを改善

 最近、非感染性の中間部、後部または汎ぶどう膜炎(以下、非感染性ぶどう膜炎)の治療薬としてアダリムマブが承認された。米国・イースタンバージニアメディカルスクールのJohn Sheppard氏らは、第III相試験であるVISUAL-1試験およびVISUAL-2試験の事後解析を行い、ステロイド依存性の非感染性ぶどう膜炎患者において、アダリムマブは患者報告による視機能を統計学的に有意に改善し、視覚関連QOLの改善が得られたことを示した。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年4月20日号掲載の報告。

急性期統合失調症に対するアリピプラゾール持効性注射剤の効果を解析

 長時間作用型持効性抗精神病薬は、統合失調症患者の急性期および長期治療のための治療選択肢である。過去に実施した試験では、急性エピソード統合失調症患者を対象としたアリピプラゾール月1回400mg(AOM400)の12週間無作為化二重盲検プラセボ対照試験において、AOM400は、プラセボと比較し、主要エンドポイントである10週目のPANSS総スコアの有意な改善を示した。カナダ・カルガリー大学のZahinoor Ismail氏らは、この試験の事後解析を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2017年6月号の報告。

米の多摂取による糖尿病リスク、緑茶が抑える可能性

 最近の観察研究では、白米摂取と糖尿病リスクの間に正の相関関係が、また、緑茶・コーヒー摂取と糖尿病リスクの間に保護的な関連が示唆されている。しかし、これらの飲食物の相互作用は検討されていない。今回、九州大学の平田 明恵氏らが実施したわが国の高齢者における前向き研究において、米の摂取量と糖尿病リスクの正相関は女性でのみ認められ、その相関は緑茶を多く摂取することで抑制される可能性が報告された。Asia Pacific journal of clinical nutrition誌2017年5月号に掲載。

ヒーローと悪役の皮膚描写、その違いが偏見を助長?

 映画では、ヒーローと悪役に二分した皮膚描写が、無声映画時代から用いられている。米国・テキサス大学医学部ガルベストン校のJulie A Croley氏らは、米国映画歴代トップ10のヒーローと悪役について調査し、両者の皮膚所見には有意な差があることを示した。著者は、「映画では、善悪の二分を強調するため悪役には皮膚描写が用いられているが、それは、社会において皮膚疾患患者に向けられる偏見を助長する可能性がある」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2017年4月5日号掲載の報告。

ニボルマブの恩恵を受けるのは腫瘍変異が高い症例?:CheckMate-026探索的研究

 残念ながらポジティブな結果とはならなかった、転移・再発非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療のニボルマブ(商品名:オプジーボ)の無作為化試験CheckMate-026だが、探索的研究では、ニボルマブの恩恵は、腫瘍変異負荷(tumor mutation burden:TMB)の高い患者において引き出されるという結果を明らかにした。

コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬の併用の現状

 抗認知症薬と抗コリン薬の併用は、頻繁に行われている。コリンエステラーゼ阻害薬と抗コリン薬の併用は、相互に作用を打ち消し、患者へのベネフィット低下、副作用の増加、ケアコストの増大につながる。米国・ハワイ大学のBrian R Schultz氏らは、アジア太平洋諸国の都市部の病院における、コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬との併用処方の割合を確認した。Psychogeriatrics誌オンライン版2017年4月7日号の報告。

ニボルマブによるNSCLCの5年全生存率が明らかに

 ニボルマブ(商品名:オプジーボ)の非小細胞肺がん(NSCLC)の5年全生存率(5年OS)が、ジョンズ・ホプキンスBloomberg–Kimmel Institute for Cancer ImmunotherapyのJulie Brahmer氏らにより、米国がん学会年次総会(AACR2017)で明らかになった。この研究はニボルマブの第Ib相臨床試験CA209-003のコホートデータを解析したものであり、免疫チェックポイント阻害薬による転移性NSCLCの長期生存率に関する初めての報告である。

抗精神病薬多剤併用大量療法と関連するペントシジン:順天堂大

 統合失調症患者におけるカルボニルストレスは、末梢ペントシジンレベルの増加により反映されることが報告されている。順天堂大学の三戸 高大氏らは、ペントシジンの蓄積が疾患の重症度または治療(抗精神病薬高用量投与)と関連しているかをコホート研究により検討した。Progress in neuro-psychopharmacology & biological psychiatry誌オンライン版2017年3月7日号の報告。

眼圧と心血管薬の使用、関連せず

 眼圧は、血圧やほかの心血管リスク因子と関連していることがよく知られている。眼圧に対する全身性の心血管薬、とくに降圧薬の影響はいまだ論争の的であるが、非緑内障者では眼圧と心血管薬(とくにβ遮断薬)との間に関連はないことを、ドイツ・マインツ大学のRene Hohn氏らが、コホート研究にて明らかにした。著者は、「局所および全身性β遮断薬の長期のドリフト現象(drift phenomenon)が、この結果を説明するかもしれない」とまとめている。British Journal of Ophthalmology誌オンライン版2017年4月12日号掲載の報告。

ダイエット飲料で脳卒中・認知症リスクが増加?

 ボストン大学のMatthew P Pase氏らが、Framingham Heart Study Offspringコホートにおいて、甘味飲料の摂取と脳卒中や認知症の発症リスクを調査したところ、ダイエットコーラなどの人工甘味料入り清涼飲料の摂取と脳卒中・認知症リスクとの関連が認められた。なお、砂糖入り飲料の摂取とは関連がみられなかった。Stroke誌オンライン版2017年4月20日号に掲載。

ニボルマブ、胆道がんの先駆け審査対象品目に

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:相良暁)とブリストル・マイヤーズ スクイブ社は2017年4月24日、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)が、4月21日付で「胆道がん」を対象に、厚生労働省が定める「先駆け審査指定制度」の対象品目として指定を受けたと発表した。