医療一般|page:1

去勢抵抗性前立腺がんへのタラゾパリブ、一変承認を取得/ファイザー

 ファイザーは2026年3月23日、PARP阻害薬タラゾパリブ(商品名:ターゼナ)について、「遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」に対する製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表した。  タラゾパリブは本邦において、前立腺がんに対し「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」を効能又は効果として、2024年1月に承認され、同年4月に発売している。

サシツズマブ ゴビテカン、HR+HER2-乳がんの適応追加/ギリアド

 ギリアド・サイエンシズは2026年3月23日、TROP-2を標的とする抗体薬物複合体(ADC)サシツズマブ ゴビテカン(商品名:トロデルビ)について、「化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」に対する適応追加承認を取得したことを発表した。  本承認は、CDK4/6阻害薬、内分泌療法およびタキサン系抗悪性腫瘍薬による治療歴を有し、化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性(HR+/HER2-)の手術不能な局所進行または転移・再発乳がんを対象に海外で実施された第III相TROPiCS-02試験および、国内第I/II相ASCENT-J02試験の第II相パートであるHR+/HER2の手術不能または再発乳がんコホートの結果に基づく。

モスネツズマブとポラツズマブ ベドチン併用療法、再発・難治性の大細胞型B細胞リンパ腫の適応追加/中外

 中外製薬は2026年3月23日、抗CD20/CD3ヒト化二重特異性モノクローナル抗体モスネツズマブ(遺伝子組換え)(商品名:ルンスミオ)および微小管阻害薬結合抗CD79bモノクローナル抗体ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)(商品名:ポライビー)の併用療法について、「再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫」に対する適応追加の承認を取得したことを発表した。  本承認は、自家造血幹細胞移植の適応とならない再発・難治性の大細胞型B細胞リンパ腫に対するモスネツズマブとポラツズマブ ベドチンの併用療法の有効性・安全性を、リツキシマブ、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンの併用(R-GemOx)療法(国内未承認)と比較する多施設共同無作為化国際共同第III相試験(SUNMO試験)の成績に基づいている。

日本における認知症介護者、BPSDによる負担増加とQOL低下が明らかに

 アルツハイマー病患者における認知症の行動・心理症状(BPSD)は、介護者の負担、ひいてはケアの質に深刻な影響を及ぼす可能性がある。東京慈恵会医科大学の品川 俊一郎氏らは、日本のアルツハイマー病患者の介護者において、BPSDおよびBPSDのサブタイプと介護者の負担およびQOLとの関連を明らかにするため、本研究を実施した。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2026年1月28日号の報告。  本調査では、マクロミルに登録されているアルツハイマー病患者の同居介護者を対象に、ウェブベースのアンケートを実施した。

高血圧の修正可能なリスク因子、日本人で最も影響が大きいのは?

 高血圧の1次予防において、修正可能なリスク因子の特定と優先順位付けが重要であるが、日本人における高血圧症の発症に関する修正可能なリスク因子の人口寄与割合(PAF)に関するデータが不足している。そこで、大規模データベースを用いた検討が実施され、日本人集団における高血圧症の発症で、人口寄与が最も大きい修正可能なリスク因子は、肥満であることが示された。本研究結果は、Hypertension Research誌オンライン版2026年3月4日号で、責任著者の金子 英弘氏(東京大学循環器内科)らによって報告された。

眼圧22mmHgという値は依然として眼科医の緑内障治療意思決定に影響

 高眼圧を意味する22mmHg以上という数値が、緑内障を診る眼科臨床医にいまだ強い影響を及ぼしている可能性が報告された。米ユタ大学のAshley Polski氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Ophthalmology」に1月8日掲載された。  かつて長い間、緑内障は高眼圧によって視神経が障害される病気と考えられ、疫学研究での平均値より2標準偏差高い21mmHgが眼圧の基準範囲上限とされてきた。しかし現在では、緑内障の病態には眼圧以外の因子も関与し、眼圧が21mmHg以下でも視神経の障害が発生・進行し得ることが広く認識されている。

がん関連VTE発症予測に包括的ゲノムプロファイリングは有用か/日本循環器学会

がん患者における重要な心血管合併症の1つに静脈血栓塞栓症(VTE)があり、2023年に公開されたASCO Guidelineにおいても、このようなVTEの高リスク患者への1次予防が推奨されている。しかし、がん関連VTEの発症を正確に予測できるモデルは現段階では確立されていない。そこで今回、中村 栞奈氏(京都大学医学部附属病院 循環器内科)がVTE発症の予測として包括的ゲノムプロファイリングを用いた最新知見について、3月20~22日に開催された第90回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Cohort Studies 1において報告した。なお、本結果はJournal of thrombosis and haemostasis誌オンライン版2026年3月20日号に同時掲載された。

境界性パーソナリティ障害に対する薬物療法の比較~ネットワークメタ解析

 境界性パーソナリティ障害(BPD)は、精神科医療において大きな割合を占めており、自殺による死亡率は一般人口と比較して著しく高いことが知られている。フランス・エクス・マルセイユ大学のCyril Gerolymos氏らは、BPD症状に対する薬物療法の有効性と安全性を評価・比較するためシステマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。Molecular Psychiatry誌オンライン版2026年2月10日号の報告。  2024年1月15日~2月12日に、Medline、Web of Science、Google Scholarよりシステマティックに検索した。実薬群とプラセボ群または他剤群を比較したランダム化臨床試験を対象とした。標準化平均差は、ランダム効果ペアワイズ法およびネットワークメタ解析を用いて推定した。

HR+/HER2-/PIK3CA野生型進行乳がん、gedatolisibベースの治療でPFS改善(VIKTORIA-1)/JCO

CDK4/6阻害薬とアロマターゼ阻害薬による治療後に進行したHR+/HER2-/PIK3CA野生型の進行乳がんを対象に、PI3K/AKT/mTOR(PAM)経路を包括的に阻害するgedatolisib+フルベストラント±パルボシクリブ併用療法とフルベストラント単剤療法を比較した第III相VIKTORIA-1試験の結果、gedatolisibベースの併用療法は無増悪生存期間(PFS)において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善をもたらしたことを、米国・ワシントン大学のSara A. Hurvitz氏らが明らかにした。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年3月9日号掲載の報告。

爪白癬治療薬の推奨度に変化「皮膚真菌症診療ガイドライン2025」

 新たな白癬菌抗原キットの保険収載、爪白癬に対する経口抗真菌薬のエビデンスの蓄積、耐性株の出現などを背景に、6年ぶりの改訂版となる「皮膚真菌症診療ガイドライン2025」が2025年12月に公開された。ガイドライン策定委員会の委員長を務めた福田 知雄氏(埼玉医科大学総合医療センター)に、改訂のポイントと実臨床での活用について話を聞いた。  現在、日本人の7人に1人が足白癬、13人に1人が爪白癬に罹患していると推測される。このデータは16年ぶりに実施された足白癬・爪白癬の潜在罹患率調査(Foot Check 2023)1)によるもので、前回調査(Foot Check 2007)と比較すると減少傾向にある。

AIチャットボットの使用は精神疾患患者の症状悪化と関連

 AIチャットボットを安価な「セラピー代わり」として利用することは、かえって精神疾患を悪化させる恐れのあることが、新たな研究で示された。すでに精神疾患と診断されている人がAIチャットボットに頼った結果、妄想の悪化、躁状態の増強、自殺念慮の出現、摂食障害の悪化などの問題が生じたケースが確認されたという。オーフス大学病院(デンマーク)の精神科医であるSøren Dinesen Østergaard氏らによるこの研究結果は、「Acta Psychiatrica Scandinavica」に2月6日掲載された。

夜食を控えると心臓にメリットがもたらされる

 1日の終わりの習慣を少し変えるだけで、心臓の健康上のメリットを得られることが、新たな研究で明らかになった。就寝前の数時間、食事を控えるだけでよく、摂取カロリーは減らさなくても良いという。  この研究は、米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部睡眠医学科神経学研究室のDaniela Grimaldi氏らの研究によるもので、詳細は「Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology」に2月12日掲載された。論文の筆頭著者である同氏は、「体の自然な覚醒・睡眠リズムに合わせて絶食時間を調整することで、心臓、代謝、睡眠の状態を改善できる。これらは全て、心血管の健康を守るために協調して働いている」と解説している。

認知症リスクが上昇するコーヒー摂取量は?

 認知症は神経変性疾患であり、環境因子や食習慣を含む生活習慣因子が重要な病因として関与していると考えられる。とくに、コーヒーや紅茶の摂取が認知症の予防効果とリスク因子の両方を示していることから、その影響については依然として議論が続いている。イタリア・University of Modena and Reggio EmiliaのElena Mazzoleni氏らは、コーヒーおよび紅茶の摂取と認知症リスクの用量反応関係を評価するため、メタ解析を実施した。Journal of Epidemiology and Population Health誌2026年2月号の報告。  2025年12月9日までに公表された研究をPubMed、EMBASEよりシステマティックに検索した。

日本のインスリン治療、非インスリン薬併用が20年で2倍に

 日本におけるインスリン療法の実態とその変遷を解析した大規模リアルワールド研究「Insulin JP2DB Study」の結果が報告された。日本では近年、インスリンと非インスリン薬の併用が増加している。本研究では、その割合が約20年間で大きく増加していることが示された。京都府立医科大学の福井 道明氏らによる本研究はDiabetes Therapy誌オンライン版2026年1月27日号に掲載された。  日本の医療データベース(JP2DB)を用いて、インスリン治療の導入パターンおよび併用薬の使用動向を後ろ向きに解析した。解析は、年次ごとの治療動向を評価する「連続横断解析」と、インスリン導入後のレジメン推移を追跡(2型糖尿病は9ヵ月、1型糖尿病は21ヵ月)した「縦断コホート解析」の2つのデザインで実施された。

新たな予測モデルでアルコール関連の肝障害をスクリーニング

 脂肪性肝疾患(steatotic liver disease;SLD)に過度の飲酒が関与しているのかどうかを、既存の検査項目を基に特定できる可能性のあることが明らかになった。米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のRohit Loomba氏らが新たに開発したこの予測モデルは、性別や平均赤血球容積(MCV)などの既存の情報を基に、患者の肝疾患がアルコールの影響を受けている可能性を推定できるという。この研究の詳細は、「Gastroenterology」に2月25日掲載された。

古代中国発祥の八段錦、速歩プログラムと同程度の降圧効果

 古代中国発祥の心身の健康法である八段錦に、薬物療法や速歩プログラムに匹敵する降圧効果があることを示唆する臨床試験の結果が報告された。八段錦は構造化されたゆっくりとした動きと深い呼吸、瞑想を組み合わせた8つの動作で構成された健康法で、多くの人々に親しまれている。この結果を報告した心血管疾病国家重点実験室(中国)予防医学部門長のJing Li氏らによると、八段錦を続けた人では、収縮期血圧(SBP)が平均約3〜5mmHg低下し、その効果は速歩プログラムの実施と同程度であったという。この研究の詳細は、「Journal of the American College of Cardiology(JACC)」に2月18日掲載された。

ベジタリアン家庭の幼児の成長が阻害される可能性は低い

 菜食主義(ベジタリアン)の家庭に生まれた子どもに、発育上の問題が現れる可能性は高くないことが報告された。出生体重は非菜食主義(雑食)の家庭の新生児よりも低く有意差が認められるものの、2歳時点での体重の差は有意ではなくなるという。ネゲヴ・ベン・グリオン大学(イスラエル)のKerem Avital氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に2月5日掲載された。論文の筆頭著者である同氏は、「われわれの研究結果は、適切な環境であれば、植物性食品中心の食事は乳児の発育を損なわないことを示している」と述べている。

日本の健康アウトカムに地域差、「へき地度」で示された疾患別死亡率との関連

 日本では地域によって医療資源や人口構成が異なり、健康アウトカムの差が指摘されている。今回、こうした地域特性を定量的に評価する指標「へき地度(Rurality Index for Japan:RIJ)」を用いた全国規模の研究で、RIJが高い地域ほど脳血管疾患の死亡率や男性の自死率が高い傾向が示された。研究は、横浜市立大学大学院データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻の金子惇氏、山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座の池田登顕氏によるもので、詳細は1月26日付で「BMJ Open」に掲載された。

アイトラッキング診断ツール、神経変性疾患の鑑別や評価の一助となるか

 眼球運動異常は、神経変性疾患においてよくみられる。これは、眼球運動を制御する神経経路および脳領域の変性が原因であると考えられる。背外側前頭前皮質、基底核、上丘、小脳の病理学的変化は、臨床検査では検出されない可能性のある眼球運動指標の微妙な変化を引き起こす。カナダ・Montreal Neurological InstituteのPaul S. Giacomini氏らは、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病およびその他の認知症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患における眼球運動バイオマーカーの潜在的な用途について考察した。Journal of Neurology誌2026年2月10日号の報告。

日本の心房細動患者、1年後の死亡・脳卒中・血栓塞栓症の発生率は?

 日本の心房細動患者は、経口抗凝固薬の使用率が81%と高く、1年後の全死亡率は0.1%と低く、脳卒中/血栓塞栓症の発生率も0.1%と低いことが、APHRS-AFレジストリ(Asia-Pacific Heart Rhythm Society Atrial Fibrillation Registry)の日本人における1年時の解析で示された。日本医科大学の淀川 顕司氏らがJournal of Arrhythmia誌2026年2月8日号で発表した。  APHRS-AFレジストリはアジアの大都市圏における前向き研究で、心房細動患者のベースライン特性、治療、臨床アウトカムについて重要な情報を提供する。今回、本レジストリに登録された日本人患者の1年間の追跡調査データを解析した。