統合失調症に「サッカー療法」その効果は? 身体活動は誰にとっても健康のために重要であるが、とりわけ生活習慣が不健全となりがちな精神疾患を有する患者にとって重要である。イタリア・パレルモ大学のGiuseppe Battaglia氏らは、重度の精神疾患患者の健康面を改善する手段として近年注目されるサッカーによる介入療法に関して検討を行った。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2013年5月号(オンライン版2013年5月3日号)の掲載報告。
神経障害性疼痛は過少治療もしくは未治療である可能性が高い 神経障害性疼痛の有病率は、痛みの特徴から神経障害性疼痛の可能性を判断するスクリーニングツールを用いた研究によって推定されているが、激しいあるいは長期にわたる神経障害性疼痛を経験している患者の割合や標準治療に抵抗性の難治性疼痛患者の割合は知られていない。
チオトロピウム投与がコントロール不十分な喘息患者の重度喘息増悪までの期間を延長 吸入ステロイド薬(ICS)と長時間作用性β刺激薬(LABA)による併用療法にもかかわらず、コントロール不十分な喘息患者において、チオトロピウム投与(レスピマットソフトミスト吸入器使用)は、初回の重度喘息増悪および喘息悪化までの期間を延長させることが、米国フィラデルフィアで開催されている2013年5月21日ATS(米国胸部疾患学会年次総会)で発表された。
高齢の遅発統合失調症患者に対する漢方薬の効果は? 統合失調症の発症年齢には個人差があるが、遅発性および超遅発性の統合失調症に関する研究は不十分であり、治療のさまざまな問題点は未解決のままである。島根大学の宮岡 剛氏らは、認知機能障害のない超遅発性統合失調症様精神障害の高齢患者に対する抑肝散(TJ-54)単独療法の有効性と安全性を評価した。Phytomedicine : international journal of phytotherapy and phytopharmacology誌2013年5月15日号の報告。
中等度~重症の尋常性乾癬へのインフリキシマブ長期療法、継続的vs.間欠的 中等度~重症の尋常性乾癬患者に対するインフリキシマブ(商品名:レミケード)治療について、間欠的投与よりも継続的投与のほうが効果的である可能性が、長期延長無作為化試験の結果、報告された。
人工股関節全置換術後の脚長差を防ぐ新しい方法 人工股関節全置換術において、脚長差などの合併症は機能障害と患者の不満の重大な原因となる。術中の下肢長測定にはいくつかの方法があるが、多くは侵襲的であり、そうでないものはあまり正確ではない。米国・ミシガン大学のJoseph D. Maratt氏らは、非侵襲的で術中に迅速かつ正確に下肢長を測定し術後の脚長差を防ぐことができる、新しいツールを開発した。
皮膚科外来施設でのMRSA、過去3年間で17.0%増 Zabielinski M氏らが米国マイアミ大学病院の皮膚科外来施設において、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)およびメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)の相対的な検出割合の動向などを調べた結果、MRSAが2008~2010年の3年間で17.0%増加していたことが明らかになった。
高齢糖尿病患者の転倒予防に!TVゲームでエクササイズ テレビゲームを用いたバーチャルリアリティ・エクササイズ(VRE)プログラムは、2型糖尿病の高齢者における転倒リスクの減少に、実行可能かつ効果的であることが、韓国・三育保健大学 Sunwoo Lee氏らの研究で明らかになった。VREプログラムは、転倒リスクの高い高齢糖尿病患者をゲームに没頭させることで、エクササイズの効果を最大限に引き出し、バランス、いすから立ち上がる時間、歩行スピード、歩調、転倒回数を有意に改善させるという。Diabetes Technology & Therapeutics誌オンライン版2013年4月5日号の報告。
アルツハイマー型認知症治療薬ガランタミン、緑内障治療に有望!? アセチルコリンエステラーゼ阻害薬ガランタミンが緑内障治療に有望であることが、カナダ・モントリオール大学のMohammadali Almasieh氏らにより報告された。緑内障における網膜微小血管系および網膜神経節細胞(RGC)消失の状況を検討した結果、早期からこれら両方の消失が同時に生じており、ガランタミンの投与により、血管密度の維持および網膜血流の改善が認められることを報告した。Investigative Opthalmology&Visual Science誌2013年5月号の掲載報告。
高齢者では喫煙が慢性疼痛を増悪させている可能性がある スウェーデン・ルンド大学のUlf Jakobsson氏らによる横断研究の結果、65歳以上の高齢者では喫煙が慢性疼痛の強さと関連していることが明らかになった。著者は、喫煙をやめさせるための介入が、高齢者の疼痛を緩和する一つの方法となるかもしれないとまとめている。Pain Practice誌オンライン版2013年4月12日号の掲載報告。
医師の3割が“僻地医療”に携わった経験あり ケアネットは16日、自社で運営するケアネット・ドットコムの医師会員に対し実施した、“僻地医療”に対する意識調査の結果を発表した。本調査では、僻地医療に携わった経験や関心の有無などについて尋ねた。アンケートは2013年4月26日に実施し、1,000人が回答した。
抗てんかん薬のプラセボ効果、東アジアと欧米で地域差 北里大学薬学部の橘 洋介氏らは、抗てんかん薬の臨床試験でみられるプラセボ効果に関与する因子について検討を行った。その結果、東アジアと欧米諸国ではプラセボ効果に差がみられること、長い罹病期間と複雑部分発作の存在がプラセボ効果の減弱に関連していることを報告した。Clinical Drug Investigation誌2013年5月号の掲載報告。
スマホアプリで悪性黒色腫リスクの評価は可能なのか? 高性能なカメラ機能や多彩なアプリケーションを搭載するなど、多機能を誇るスマートフォン。Joel A. Wolf氏らは、そんなスマートフォンに搭載されているアプリケーション(スマホアプリ)のうち4本について、皮膚の病変部の撮影画像を評価し、ユーザーに悪性度をフィードバックする機能を検証した。
慢性蕁麻疹の血小板活性化、重症度と相関 慢性蕁麻疹と血小板活性化との関連について、これまで十分に検討した報告はほとんどみられていない。インド・医学教育研究大学院ジャワハル研究所(JIPMER)のLaxmisha Chandrashekar氏らは、健康な対照との比較による横断的研究を行った。その結果、慢性蕁麻疹患者における血小板活性化は有意で、とくに自己反応性を有する患者で顕著であったことを報告した。Platelets誌オンライン版2013年4月15日号の掲載報告。
中高年の初回肩関節脱臼、救急外来で徒手整復後の上腕骨大結節骨折の発生頻度 先行研究において、肩関節脱臼の整復操作に伴う医原性上腕骨頸部骨折の症例報告がなされている。英国・王立バークシャー病院のAtoun Ehud氏らはその有病率を調べることを目的とした後ろ向きコホート研究を行った。
COPDの重症度と冠状動脈疾患との関係は? 長期間の喫煙歴があるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)患者ではCACS(冠動脈カルシウムスコア)が高くなることが認められたが、COPDの重症度と冠動脈カルシウムスコアとの間に相関関係は認められないことが、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のThomas Rasmussen氏らによって報告された。European heart journal cardiovascular Imaging誌オンライン版2013年5月2日号の掲載報告。
この25年間で統合失調症患者の治療や生活環境はどう変わったのか? 統合失調症をめぐる治療については近年、入院から地域へという考え方の変化や、第二世代抗精神病薬の登場および心理・社会的介入の導入など大きな変化が起きている。英国・クライトンロイヤル病院のSomashekara Shivashankar氏らは、特定地域におけるそれら変化の影響を確認するため、過去25年間の有病率等の変化を調べた。その結果、陰性症状患者が減少する一方で陽性症状が増加している傾向が認められたが、社会的な介入機能レベルは変わっていないように見えることなどを報告した。Schizophrenia Research誌2013年5月号の掲載報告。
腰椎椎間板ヘルニア患者、オピオイド使用は手術回避には結びつかない The Spine Patient Outcomes Research Trial(SPORT)は、腰椎椎間板ヘルニアに対する手術的治療と保存的治療を比較する多施設前向き無作為化研究である。同研究参加者について、米国・トーマスジェファーソン大学のKris Radcliff氏らが行ったサブグループ解析の結果、オピオイド使用患者は試験開始時からの疼痛とQOLの悪化が著しかったこと、またオピオイド使用の有無で4年後の臨床転帰に差はなく、オピオイド使用により手術を回避できるわけではないことが明らかになった。
抗てんかん薬によりADHD児の行動が改善:山梨大学 抗てんかん薬治療による脳波(EEG)改善と、注意欠陥多動性障害(ADHD)児における行動改善が高い関連を示す可能性が、山梨大学小児科助教の金村 英秋氏らによる検討の結果、報告された。ADHD児46例を対象とした検討で、34.8%にEEGの突発性異常(PA)が認められたが、そのうち62.5%がバルプロ酸ナトリウム治療後にEEGの改善を示し、前頭部PAの頻度とADHD評価スケール改善との間に高い関連性があったという。Epilepsy & Behavior誌オンライン版2013年4月17日号の掲載報告。
専門職や技術職である妊婦の子どもは、アトピー性皮膚炎発症リスクが増大 専門職や技術職に就く女性は、妊娠中の仕事のストレスが高まるほどに、生まれてくる子どものアトピー性皮膚炎発症リスクが増大することが、台湾・行政院衛生署台湾医院のI.J. Wang氏らによる前向きコホート研究の結果、明らかにされた。