チオトロピウム投与がコントロール不十分な喘息患者の重度喘息増悪までの期間を延長

提供元:ケアネット

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公開日:2013/05/23

 

 吸入ステロイド薬(ICS)と長時間作用性β刺激薬(LABA)による併用療法にもかかわらず、コントロール不十分な喘息患者において、チオトロピウム投与(レスピマットソフトミスト吸入器使用)は、初回の重度喘息増悪および喘息悪化までの期間を延長させることが、米国フィラデルフィアで開催されている2013年5月21日ATS(米国胸部疾患学会年次総会)で発表された。
 
 これは第3相試験PrimoTinA-asthmaTMの結果であり、この改善効果は年齢、アレルギーの有無、喫煙の有無、気管支拡張薬への反応にかかわらず認められた。また、試験参加患者は、COPDを合併しない喘息患者である。

 PrimoTinA-asthmaTM試験は2つの二重盲検並行群間比較試験(反復投与)からなる臨床試験。対象は、40歳前に喘息と診断され5年以上の喘息歴を有し、喫煙歴なし、あるいは10パック・年未満の喫煙歴があるものの試験1年以上前に禁煙した18~75歳の喘息患者で、ICSとLABAの併用療法を受けていながら、コントロール不十分であった。

 912人がチオトロピウム5μg投与群(n=456)とプラセボ投与群(n=456)に割り付けられ、48週間の追加投与を受けた。結果、チオトロピウムの追加投与により初回重度喘息増悪までの期間が延長した(RR 21%、HR 0.79、p=0.03)。

 現在のあらゆる治療選択肢をもってしてもなお、成人喘息患者の少なくとも40%がコントロール不十分であり、時には致命的な喘息発作が起きる可能性があるという。

ベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)のプレスリリース