人工股関節全置換術後の脚長差を防ぐ新しい方法 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/05/22 人工股関節全置換術において、脚長差などの合併症は機能障害と患者の不満の重大な原因となる。術中の下肢長測定にはいくつかの方法があるが、多くは侵襲的であり、そうでないものはあまり正確ではない。米国・ミシガン大学のJoseph D. Maratt氏らは、非侵襲的で術中に迅速かつ正確に下肢長を測定し術後の脚長差を防ぐことができる、新しいツールを開発した。「この方法は関節形成術を行う整形外科医にとって、正確な脚長補正を確実にするための付加的ツールとなる」とまとめている。Orthopedics誌2013年4月1日号の掲載報告。 本論文は、新しい術中の脚長測定法を紹介したものである。 この方法は、術中および術前計画において大転子近位部に近い大腿骨軸に垂直な線を正確に再現することに基づいており、使用器具の軽微な改良を必要としている。 主な方法は以下のとおり。 ・ヘッドにガイドプレート設置用の細い溝を機械加工した。その溝は、ハイオフセットであるネックアングル127°のセキュアフィットプラスステム(Stryker Orthopaedics社)を用いる場合はネックの軸から37°となるように、標準オフセットであるネックアングル132°のセキュアフィットステム(Stryker Orthopaedics社)を用いる場合はネックの軸から42°となるようにした。 ・ブローチをしっかりと固定したら、ネック、溝加工したヘッド、およびガイドプレートを取り付け、ガイドプレートと大転子近位端までの距離を術前計画測定値と比較しステム位置を決定する。 ・この方法を使用した初回人工股関節置換術施行例の連続31例について、後ろ向きにX線像を分析したところ、術後の脚長差は平均2.18±6.08mmであった。 ~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中! ・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか? 治療経過を解説 ・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる ・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる (ケアネット) 原著論文はこちら Maratt JD et al. Orthopedics. 2013 Apr 1;36(4):e401-3. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 小児心臓弁膜症、部分心臓移植は実現可能か/JAMA(2025/09/10) 「かぜ」への抗菌薬処方、原則算定不可へ/社会保険診療報酬支払基金(2025/09/10) がん患者への早期緩和ケア、終末期の救急受診を減少(2025/09/10) 双極症に対する気分安定薬使用が認知機能に及ぼす影響〜メタ解析(2025/09/10) 日本女性、出産意欲の向上に関連する要素は?/神奈川県立保健福祉大学(2025/09/10) AIによる診療記録作成で医師のバーンアウトが減少(2025/09/10) 肺切除後の肺瘻リスク、低侵襲開胸手術で軽減の可能性(2025/09/10)