2型糖尿病患者の動脈壁硬化に関わる因子

提供元:ケアネット

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公開日:2017/03/15

 

 2型糖尿病患者において、従来の心血管リスク因子や生活習慣は動脈壁硬化と関連するが、それらの因子を調整後も実際に動脈壁硬化と関連するかどうかは不明である。順天堂大学代謝内分泌学講座の研究グループが、日本人の2型糖尿病外来患者で、上腕足首間脈波伝播速度(baPWV)に関連する因子を調べたところ、従来の心血管リスク因子と生活習慣を調整後も、年齢、2型糖尿病の罹病期間、収縮期血圧、血清尿酸、尿中アルブミン排泄、睡眠の質の低下がbaPWVと関連していた。Journal of clinical medicine research誌2017年4月号に掲載。

 本研究には心血管疾患の既往のない日本人の2型糖尿病の外来患者724例が参加し、自記式質問票を用いて生活習慣を分析した。従来の心血管リスク因子・生活習慣のbaPWVとの関連性を多変量線形回帰分析によって調べた。

 以下の結果は以下のとおり。

・被験者の平均年齢は57.8±8.6歳、62.8%が男性であった。
・平均HbA1cは7.0±1.0%、2型糖尿病の罹病期間は9.9±7.2年であった。
・年齢および性別を含む重回帰分析により、年齢および男性がbaPWVと正の関連が示された。
・数多い従来の心血管リスク因子および生活習慣を調整後も、年齢、2型糖尿病の罹病期間、収縮期血圧、血清尿酸、尿中アルブミン排泄、睡眠の質の低下がbaPWVと正の相関を示した。一方、BMIはbaPWVと負の相関を示した。

(ケアネット 金沢 浩子)