不眠と腰痛、その因果関係は

提供元:ケアネット

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公開日:2014/08/18

 

 腰痛は成人における最も頻度の高い疼痛性障害の1つで、不眠症を伴うことが多い。しかしながら、腰痛が不眠症に先行するのか、はたまた不眠症が腰痛に先行するのか明らかではなかった。イスラエル・ハイファ大学のMaayan Agmon氏らは、健康な人における不眠症は、腰痛発症のリスク因子である可能性を報告した。また、逆のエビデンス(腰痛は不眠症のリスク因子)は見つからなかったという。PLos One誌2014年8月1日号の掲載報告。

 不眠症と腰痛の時間的関連を調べる試験は、縦断的評価の方法にて、活動的で健康な労働者コホートを対象に行われた。評価は3回(T1、T2、T3)行われた。ロジスティック回帰分析にて、不眠症状の増大がT1からT2の腰痛の新規発症を予測するかを調べた。また最小二乗法を用いて、T2時の腰痛が、T2からT3の不眠症の増大を予測するかを調べた。

 主な結果は以下のとおり。

・被験者は2,131例で、そのうち34%が女性であった。
・3回の評価は、追跡3.7年(範囲:2.2~5.12年)の間に行われた。
・社会経済的指数、自己申告による健康状態、ライフスタイル習慣、身体測定値について補正後、T1-T2の不眠症増加が認められた人は、T3で腰痛を有するリスクが1.40倍高かった(OR:1.40、95%CI:1.10~1.71)。
・反対に、腰痛は不眠症の発症増大を予測するといった逆の相関性の裏付けは見つからなかった。

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(ケアネット)