抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/11/30 抗精神病薬は、自律神経失調症を引き起こす要因と考えられており、統合失調症患者の潜在的な致死的不整脈を予測すると報告されている。しかしながら、抗精神病薬や他の向精神薬の用量依存的な効果が自律神経系(ANS)の活動に及ぼす影響に関しては、依然として不明なままである。横浜市立大学 岩本 洋子氏らは、統合失調症患者における抗精神病薬と他の臨床的因子の用量依存効果がANSの活性に及ぼす影響について検討した。その結果、著者らは「統合失調症患者の心血管系に関連する有害事象を避けるためには、抗精神病薬の投与量を最適化する必要がある」としている。BMC psychiatry誌オンライン版2012年11月14日号の報告。 対象は、日本人統合失調症患者211例および健常者44例。各々における抗精神病薬による治療や、さまざまな臨床的要因を調査した。ANS活性は心拍変動(HRV)パワースペクトル解析を用いて評価した。患者群は抗精神病薬の投与量により3つのサブグループに分けて評価し、サブグループ間のHRVを比較した。 主な結果は以下のとおり。 ・患者群では、対照群と比較し、HRVの低域と高域成分の有意な減少が認められた。 ・抗精神病薬の高用量投与群では、中用量投与群よりも有意に低いHRVが認められ、低用量投与群と比較するとさらに低いHRVが認められた。 ・HRVと抗精神病薬の投与量との有意な関連が認められた(重回帰分析)。 ・HRVは、年齢、性別、BMI、罹病期間、他の向精神薬の投与量との関連は認められなかった。 関連医療ニュース ・100年前と比べ統合失調症患者の死亡は4倍増! ・統合失調症における長期転帰の予測因子は? ・検証!向精神薬とワルファリンの相互作用 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Iwamoto Y, et al. BMC Psychiatry. 2012 Nov 14; 12(1): 199. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 骨盤臓器脱へのペッサリー、膣エストロゲンクリームで継続率に差は?/BMJ(2025/07/11) 基礎インスリン治療中の2型糖尿病、efsitoraはデグルデクに非劣性/Lancet(2025/07/11) 遺伝子治療市場の縮小を超えて:長期成績が示す血友病B治療の未来(解説:長尾梓氏)(2025/07/11) 「日本版敗血症診療ガイドライン2024」改訂のポイント、適切な抗菌薬選択の重要性(2025/07/11) うつ病の認知機能に対するセロトニン5-HT1A受容体パーシャルアゴニストの影響(2025/07/11) 順天堂大学病院管理学研究室 医療MBAエグゼクティブコース2025年度開講決定【ご案内】(2025/07/11) マルチターゲット便DNA検査は免疫学的便潜血検査よりも大腸がん発見のコストが高い(2025/07/11) PFASが子どもの血圧上昇と関連(2025/07/11) 週1回のカプセル剤が統合失調症の服薬スケジュールを簡略化(2025/07/11)