双極性障害とうつ病で自殺リスクにどの程度の差があるか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/04/08 双極性障害(BD)患者は大うつ病性障害(MDD)患者に比べて、自殺企図の頻度が高いことが示された。フィンランド国立健康福祉研究所のK Mikael Holma氏らが、BD患者とMDD患者における自殺企図の頻度と要因について調べた結果、自殺企図の要因として、混合性エピソードに代表されるハイリスク病期の期間が長いことが示唆されたという。これまで自殺企図のリスクが、BD患者とMDD患者で異なるのか否かは不明であった。Bipolar Disorders誌オンライン版2014年3月17日号の掲載報告。 研究グループは本検討において、BD患者とMDD患者における自殺企図の累積リスク差が、ハイリスク期の期間の違いによりみられるのか、あるいはハイリスク期における単位時間当たりの発生頻度によってみられるのか、あるいはその両方に起因するのかを検討した。Jorvi Bipolar Study(176例、18ヵ月)とVantaa Depression Study(249例、5年間)の2つのコホートを対象に、さまざまな病期における自殺企図発生頻度をプロスペクティブ生命表に基づいて比較した。リスク因子と診断との関連は、Cox比例ハザードモデルを用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。 ・18ヵ月の間に自殺企図をした患者は、BDが19.9%、MDD が9.5%であった。 ・BD患者では混合性エピソード期は4.6%であったが、大うつ病性エピソード期は35%、閾値下うつ病期は39%であり、いずれもMDD患者(大うつ病性エピソード期:21%、閾値下うつ病期:31%)に比較して長かった。 ・自殺企図の合計発生頻度は、完全寛解期と比べて閾値下うつ病期は5倍、大うつ病性エピソード期は25倍、混合性エピソード期は65倍高かった。 ・症状が類似している期間において、コホート間で自殺企図の頻度に差はみられなかった。 ・Coxモデルにおいて、大うつ病性エピソード期および閾値下うつ病期、過去に自殺企図歴がある患者、女性患者、社会的サポートが乏しい患者、40歳未満の患者においてハザード比は上昇したが、BDの診断との関連はなかった。 ・以上のことから、BD患者はMDD患者に比べて自殺企図の累積頻度が高かった。これは主にハイリスク病期の期間が長かったことに起因し、ハイリスク病期中の発生頻度や双極性そのものによるものではないと考えられた。 ・混合性エピソード期は、短期間であるものの、きわめて高頻度の自殺企図と関連していることが示唆され、自殺企図を防止するには、ハイリスク期の期間を軽減することが重要であると考えられた。 関連医療ニュース 双極性障害の自殺予防に求められるのは 眠れないと自殺リスクは高まるのか うつ病から双極性障害へ転換するリスク因子は (ケアネット) 原著論文はこちら Holma KM, et al. Bipolar Disord. 2014 Mar 17. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 定位放射線、5個以上の脳転移で症状負担・日常生活機能を改善/JAMA(2026/03/09) 新規配合錠、高齢HIV-1感染者の新たな選択肢の可能性/Lancet (2026/03/09) 35歳以上の双極症発症患者、その特徴は?(2026/03/09) 若年成人のがん、唯一死亡率が増えているのは?(2026/03/09) 80歳以上の夜間高血圧、心血管リスクが2倍~日本の前向き研究(2026/03/09) 入れたてのお茶には多くの健康サポート効果がある可能性(2026/03/09) 全国データで見えた舌がんの実像(2026/03/09) 歯や口の困りごとがうつ病と関係?日本人成人1.5万人を追跡調査(2026/03/09) [ あわせて読みたい ] 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<下巻>(2012/12/01)