rofecoxibによる心血管毒性は投与中止後も持続

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シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)の選択的阻害薬であるrofecoxib(商品名:Vioxx)の大腸腺腫性ポリープに対する有効性を検討したAPPROVe(Adenomatous Polyp Prevention on Vioxx)試験の最終解析において、心血管イベントの発生リスクが約1.8倍に上昇した状態が、同薬剤の投与中止後少なくとも1年間は持続することがわかった。アメリカ・Dartmouth医科大学地域・家庭医療学のJohn A Baron氏が、Lancet誌2008年11月15日号(オンライン版2008年10月14日号)で報告した。

心血管毒性は選択的COX-2阻害薬に共通のclass effectの可能性も




APPROVe試験は、rofecoxib 25mg/日の3年投与による大腸腺腫の再発抑制効果を検討するプラセボ対照無作為化試験。2000~2001年までに世界各国の108施設から大腸腺腫の既往歴を有する2,587例(rofecoxib群1,287例、プラセボ群1,300例)が登録された。

ところが、心血管毒性による早期治療中止例が見られたため、2004年9月、本試験は安全性監視委員会の勧告によって早期中止となり、rofecoxibは世界的に販売中止となった。その数ヵ月後には、他の選択的COX-2阻害薬であるcelecoxib、parecoxib、valdecoxibにも同様の毒性が見られることが報告されている。

当初、有害事象の評価は治療中および治療終了後14日間実施することになっていたが、心血管毒性の発現により無作為化の対象となった全症例については治療終了後少なくとも1年間のフォローアップを行うことになった。

外部の委員会が盲検下に重篤な心血管イベントの評価を行った。非致死的な心筋梗塞/脳卒中および心血管死/出血性死/原因不明死の複合エンドポイントを中心に解析が行われた。

治療終了後の延長フォローアップ期間における心血管イベントのデータは参加者の84%から得られ、死亡に関するデータは95%で得られた。

延長フォローアップ期間における複合エンドポイントの発現は、プラセボ群の34例に対しrofecoxib群は59例と有意に増加していた(ハザード比:1.79、p=0.006)。非致死的心筋梗塞(ハザード比:1.94、p=0.02)および非致死的脳卒中(ハザード比:2.17、p=0.05)のリスクもrofecoxib群で有意に増加した。

治療中止後1年間における複合エンドポイントのリスクの増加には有意差は見られず、ハザード比にも実質的に経時的な変化は認めなかった。

これらの知見により、著者らは「rofecoxibの使用により重篤な心血管イベントが増加する。治療中止後早期のリスク上昇は1年後も持続していた」と結論し、「rofecoxibの心血管毒性は選択的COX-2阻害薬に共通の作用(class effect)と考えられるため、その使用に当たっては大腸腺腫の治療におけるベネフィットと心血管リスクを適切に評価する必要があるだろう」と指摘している。

(菅野守:医学ライター)

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