プラチナ抵抗性卵巣がん、relacorilant+nab-PTXでOS改善(ROSELLA最終解析)/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2026/05/07

 

 イタリア・Humanitas UniversityのDomenica Lorusso氏らは「ROSELLA試験」の最終的な解析結果において、プラチナ製剤抵抗性卵巣がん患者に対するrelacorilant+nab-パクリタキセルの併用はnab-パクリタキセル単独と比較して、全生存期間(OS)の有意な改善をもたらすことを報告した。コルチゾールはグルココルチコイド受容体を介して作用し、がん細胞に生存シグナルを供給することで抗アポトーシスタンパク質の発現を増加させる。relacorilantは、コルチゾールの生存シグナルを阻害し、いくつかのクラスの細胞毒性化学療法に対する腫瘍の感受性を高めるfirst-in-classの選択的グルココルチコイド受容体拮抗薬。研究の成果は、Lancet誌2026年4月18日号に掲載された。

14ヵ国の無作為化第III相試験

 ROSELLA試験は、14ヵ国117施設で実施した非盲検無作為化第III相試験(Corcept Therapeuticsの助成を受けた)。2023年1月~2024年4月に、年齢18歳以上、1~3ラインのがんに対する全身療法を受け、プラチナ製剤抵抗性(最終投与日から6ヵ月以内に病勢が進行)の卵巣がん女性381例を登録した。

 被験者を、relacorilant(nab-パクリタキセル投与の前日・当日・翌日に150mgを経口投与)+nab-パクリタキセル(1サイクルを28日とし、1・8・15日目に80mg/m2を静脈内投与)の併用療法を受ける群(188例)、またはnab-パクリタキセル単独療法(前述と同じ投与スケジュールで100mg/m2を静脈内投与)を受ける群(193例)に無作為に割り付けた。

 主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS)とOSの2つであった。このうちPFSについてはすでに、有意な改善(ハザード比[HR]:0.70、p=0.0076)が示されたことを報告している。

OSが4.1ヵ月延長、2次的PFSも有意に良好

 ベースラインで全例がベバシズマブの投与を受けており、167例(44%)が3ラインの治療を、234例(61%)がPARP阻害薬の投与を受けていた。47例(12%)はBRCA変異陽性の卵巣がんだった。

 追跡期間中央値24.8ヵ月の時点で、OS中央値は、nab-パクリタキセル単独群が11.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:10.0~13.8)であったのに対し、relacorilant併用群は16.0ヵ月(95%CI:13.0~18.3)と4.1ヵ月有意に延長した(死亡のHR:0.65、95%CI:0.51~0.83、両側層別log-rank検定のp=0.0004)。

 12ヵ月時のOS率は、relacorilant併用群が60%、nab-パクリタキセル単独群は50%で、18ヵ月OS率はそれぞれ46%および27%であった。

 全身療法による後治療は、relacorilant併用群の68%、nab-パクリタキセル単独群の72%が受けた。後治療レジメンでは、ゲムシタビン(34%)、ペグ化リポソームドキソルビシン(22%)、治験中の治療(15%)、カルボプラチン(14%)の割合が高かった。

 担当医評価による2次的PFS(無作為化から後治療時の病勢進行または全死因死亡のうち先に発生したイベントまでの期間)は、relacorilant併用群で有意に良好だった(HR:0.73、95%CI:0.58~0.90、両側層別log-rank検定の名目上のp=0.0037)。

安全性プロファイルは主解析時と一致

 OSの最終解析時のrelacorilant併用群の安全性プロファイルは、主解析時と一致していた。relacorilant併用群で投与期間中に発現した有害事象では、好中球減少症(64%)、貧血(61%)、疲労感(54%)、悪心(44%)の頻度が高かった。

 重篤な有害事象は、relacorilant併用群で35%、nab-パクリタキセル単独群で24%にみられた。relacorilant併用群でrelacorilantの投与中止に至った有害事象は10%(19例)に認めた。主解析以降の追跡期間中に、新たな安全性シグナルの発生はなかった。

有望な新たな作用機序

 著者は、「これらの結果は、relacorilant+nab-パクリタキセル併用療法を、プラチナ製剤抵抗性卵巣がん患者に対する、バイオマーカーによる選別を必要としない新たな標準治療の選択肢として位置付けるもの」としている。また、「2次的PFSの有意な改善は、relacorilantの追加による治療効果が、後治療にも及ぶことを示唆する」「選択的グルココルチコイド受容体拮抗作用は、腫瘍学の多くの領域において有望な新たな作用機序として位置付けられる」と指摘している。

(医学ライター 菅野 守)