ワクチン接種率向上のための介入、有効な要素は?/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2026/04/27

 

 ワクチン接種率向上のための介入について、全体的には機会の拡大、予約の支援、金銭的インセンティブ、費用負担支援および動機付け面接が有効な構成要素であり、人との対話や、医療従事者のみでなく医療従事者+地域住民による提供が効果的な実施要素であることを、英国・ブリストル大学のSarah R. Davies氏らが、システマティックレビューおよびコンポーネントネットワークメタ解析の結果で示した。ただし、有効な要素は、年齢層、医療サービスが不十分な集団およびCOVID-19パンデミック前後で異なっていた。著者は、「今回の知見は、対象を絞った介入の策定、最適化および実装に重要な示唆を与えるものであり、異なる集団や状況においてどの要素が有効であるかを明らかにしている。介入に関する経済データを考慮することで、資源に基づいた意思決定がさらに支持されるだろう」とまとめている。BMJ誌2026年4月15日号掲載の報告。

無作為化比較試験237件について解析

 研究グループは、ワクチン接種率向上のための介入における各要素の有効性を特定する目的で、システマティックレビューおよびコンポーネントネットワークメタ解析を行った。

 解析対象は、英国の予防接種スケジュールに基づくすべてのワクチンの接種対象者またはその介護者を対象とする介入群と、適格な対照(非介入、通常ケア、アテンションプラセボ)群を比較した、参加者が100例以上のクラスター無作為化比較試験で、高所得国および高中所得国で実施され、2000年1月~2024年4月に発表された237件の研究(570の介入、参加者436万1,717例)であった。

 介入は、ワクチン接種率向上を目的としたあらゆる介入とし、介入の主要な内容および実施形態は独自のコーディングフレームワークを用いて特定した。研究者(5人)がペアとなり、独立して各介入の構成要素や実施方法のすべてについてコーディングを行った。また、Cochrane Risk of Bias 2ツールを用いてバイアスリスクを評価した。

 主要アウトカムはワクチン接種率で、要素レベルのベイズメタ回帰分析により、介入要素の相対効果をオッズ比の比(ROR)として推定し、95%信用区間(CrI)を算出した。

小児は費用負担支援、青少年・若年成人は医療従事者+地域住民、成人は人との対話で介入効果が高い

 解析対象研究237件のうち、バイアスリスクが「低」の研究は110件、「懸念あり(some concern)」は96件、「高」は31件であった。参加者の40%(174万4,686例)が男性であった。

 小児集団においては、費用負担支援(ROR:3.01、95%CrI:1.49~6.06)および意思決定支援ツール(2.73、1.14~7.06)に有益な効果のエビデンスがあり、機会の拡大(1.37、0.98~1.95)および社会的要因(1.27、0.99~1.65)にはある程度のエビデンスがあることが示された。

 青少年・若年成人集団においては、医療従事者のみと比較し医療従事者+地域住民による提供(ROR:6.42、95%CrI:1.94~25.62)、社会的要因(2.62、1.45~5.04)、非個人的と比較し個人的に働き掛ける形式の介入(2.13、1.09~4.40)に有益な効果のエビデンスが認められたが、意思決定支援ツール(0.43、0.18~0.98)および自動化された対話(0.47、0.21~1.02)には負の効果が示された。

 成人集団においては、人との対話(ROR:1.86、95%CrI:1.42~2.45)、動機付け面接(1.79、1.21~2.64)、機会の拡大(1.63、1.35~2.00)、費用負担支援(1.47、1.03~2.16)、予約の支援(1.38、1.06~1.78)が有益な効果を示し、金銭的インセンティブ(1.15、0.99~1.35)およびワクチンの安全性・有効性に関する情報(1.15、0.99~1.32)はある程度のエビデンスを示したが、自動化された対話は対話なしと比較し負の効果をもたらすことが示された(0.72、0.57~0.92)。

 サブグループ解析では、医療サービスが不十分な集団や、COVID-19パンデミックとの関連(2020年以前と2020年以降)で結果にばらつきがみられた。

(ケアネット)

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コメンテーター : 栗原 宏( くりはら ひろし ) 氏

霞ヶ浦医療センター 総合診療科