認知機能への多領域ライフスタイル介入、構造化型vs.自己主導型/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2025/08/08

 

 認知機能低下および認知症のリスクがある高齢者において、構造化された高強度の介入は非構造化自己主導型介入と比較し、全般的認知機能を有意に改善した。米国・Wake Forest University School of MedicineのLaura D. Baker氏らが、同国5施設で実施した2年間の無作為化単盲検比較試験「The US Study to Protect Brain Health Through Lifestyle Intervention to Reduce Risk(US POINTER)研究」の結果を報告した。著者は、「機能的アウトカム、バイオマーカー、長期追跡のさらなる調査により、観察された認知機能改善効果の臨床的意義と持続性が明らかになるだろう」とまとめている。JAMA誌オンライン版2025年7月28日号掲載の報告。

60~79歳で認知機能低下リスクの高い高齢者を無作為化し2年間追跡

 US POINTER研究の対象は、認知機能低下リスクの高い患者、すなわち60~79歳で、座位時間が長く(中等度強度の運動が週60分未満)、不適切な食生活(MIND食スコアが14点中9点以下)に加え、次のうち2つ以上に該当する患者であった。(1)記憶障害の家族歴(第1度近親)、(2)心血管代謝リスクが高い(収縮期血圧≧125mmHg、LDLコレステロール≧115mg/dL、またはHbA1c≧6.0%)、(3)人種(アメリカまたはアラスカ先住民、黒人、アフリカ系米国人、アフリカ系、中東または北アフリカ系)、(4)民族(ヒスパニック、ラテン系、スペイン系)、(5)高齢(70~79歳)、(6)男性。

 研究グループは、適格患者を構造化介入群(1,056例)と自己主導型介入群(1,055例)に1対1の割合で無作為に割り付けた。両群とも、身体活動と認知活動の増加、健康的な食事、社会参加、心血管系の健康管理を奨励していたが、介入の構造、強度および責任の点で異なっていた。

 主要アウトカムは、実行機能、エピソード記憶、処理速度の複合的な尺度で評価した全般的認知機能の2年間における年間変化率の群間差であった。

構造化介入で自己主導型介入より全般的認知機能が改善

 2019年5月~2023年3月に2,111例が無作為化された(最終追跡調査日2025年5月14日)。患者背景は、平均(±標準偏差)年齢68.2±5.2歳、女性1,455例(68.9%)で、2,111例中1,879例(89%)が2年目の評価を完了した。

 両群とも、認知機能複合Zスコア平均値はベースラインから経時的に増加し、年間平均増加率は、構造化介入群で0.243 SD(95%信頼区間[CI]:0.227~0.258)、自己主導型介入群で0.213 SD(0.198~0.229)であった。年間平均増加率の群間差は0.029 SD(0.008~0.050、p=0.008)で、構造化介入群が自己主導型介入群より有意に高かった。

 事前に規定されたサブグループ解析の結果、構造化介入のベネフィットはAPOEε4保因者と非保因者で一貫していた(交互作用のp=0.95)が、ベースラインで認知機能が低い人のほうが高い人より効果が高かった(交互作用のp=0.02)。

 有害事象は、構造化介入群(重篤151件、非重篤1,091件)が自己主導型介入群(190件、1,225件)より少なかった。主な有害事象はCOVID-19の検査陽性で、構造化介入群で高頻度であった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 岡村 毅( おかむら つよし ) 氏

東京都健康長寿医療センター

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