ステロイド漸減中再発のリウマチ性多発筋痛症、サリルマブが有効/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2023/10/12

 

 グルココルチコイド漸減中にリウマチ性多発筋痛症が再発した患者において、サリルマブ+prednisone漸減投与は、プラセボ+prednisone漸減投与に比べ、持続的寛解の達成とグルココルチコイド累積投与量の減少に有意な有効性を示した。米国・コーネル大学のRobert F. Spiera氏らが、合計118例を対象に行った第III相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験「Sarilumab in Patients with Polymyalgia Rheumatica (SAPHYR)試験」の結果を報告した。リウマチ性多発筋痛症の患者の半数以上が、グルココルチコイド漸減中に再発する。先行研究では、インターロイキン(IL)-6の阻害がリウマチ性多発筋痛症の治療で臨床的に有用である可能性が示されていた。サリルマブは、ヒトモノクローナル抗体薬で、IL-6受容体αに結合しIL-6経路を効果的に阻害することから、研究グループは、グルココルチコイド漸減中にリウマチ性多発筋痛症が再発した患者におけるサリルマブの有効性と安全性を評価する検討を行った。NEJM誌2023年10月5日号掲載の報告。

52週時点の持続的寛解率を比較

 SAPHYR試験は、リウマチ性多発筋痛症で、12週間以内にグルココルチコイド療法の漸減中1回以上の再発があり、赤血球沈降速度(ESR)が30mm/時以上、またはC反応性蛋白(CRP)値10mg/L以上だった患者を対象とした。

 研究グループは被験者を1対1の割合で無作為に2群に分け、一方にはサリルマブ(200mg用量を月2回、52週間皮下投与)+prednisone(14週間漸減投与)(サリルマブ群)を、もう一方にはプラセボ(月2回、52週間皮下投与)+prednisone(52週間漸減投与)(プラセボ群)をそれぞれ投与した。

 主要アウトカムは、52週時点の持続的寛解で、12週までにリウマチ性多発筋痛症の徴候や症状が消失、12~52週にCRP値の正常化が持続し、疾患の再発なし、prednisone漸減が遵守されていることと定義した。

52週時点の持続的寛解の達成率、サリルマブ群28%、プラセボ群10%

 2018年10月~2020年7月に合計118例が無作為化された(サリルマブ群60例、プラセボ群58例)。このうち治療を受けたのは117例で、サリルマブ群の1例が割り付けられた治療薬の投与を受けなかった。また、治療を完了したのは合計78例(サリルマブ群42例、プラセボ群36例)だった。治療中断理由で最も多かったのは、サリルマブ群は有害事象(7例)、プラセボ群は効果がみられない(9例)。ベースラインでの両群の患者特性は概して類似していた。年齢中央値は69歳、70%が女性であり、リウマチ性多発筋痛症と診断されてからの全期間中央値は300日であった。

 52週時点での持続的寛解率は、サリルマブ群28%(60例中17例)、プラセボ群10%(58例中6例)だった(群間差:18ポイント、95%信頼区間:4~32、p=0.02)。

 52週時点のグルココルチコイド累積投与量中央値は、プラセボ群2,044mgに対しサリルマブ群777mgと、有意に少なかった(p<0.001)。

 プラセボ群と比較してサリルマブ群で頻度が高かった有害事象は、好中球減少症(15% vs.0%)、関節痛(15% vs.5%)、下痢(12% vs.2%)だった。治療関連の投与中止は、プラセボ群よりサリルマブ群でより多く観察された(12% vs.7%)。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)