ソトラシブ、KRAS p.G12C変異陽性進行膵がんに有望/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2023/01/06

 

 ソトラシブは、治療歴のあるKRAS p.G12C変異陽性進行膵がん患者に対して抗腫瘍活性を示し、安全性プロファイルは良好であることを、米国・デューク大学医療センターのJohn H. Strickler氏らが、国際共同第I/II相単群非盲検試験「CodeBreaK 100試験」の結果、報告した。ソトラシブは、KRAS G12Cを特異的かつ不可逆的に阻害する低分子化合物で、米国において、少なくとも1回の全身性の治療歴があるKRAS p.G12C変異陽性で局所進行または転移を有する非小細胞肺がんの治療薬として2021年5月に迅速承認された。KRAS p.G12C変異は膵がんの約1~2%に認められるが、治療歴があるKRAS p.G12C変異陽性膵がん患者におけるソトラシブの安全性と有効性はこれまで明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2022年12月21日号掲載の報告。

既治療患者を対象にソトラシブの安全性と有効性を検討

 研究グループは、少なくとも1回の全身治療歴があるKRAS p.G12C変異陽性の局所進行または転移を有する膵がん成人患者(18歳以上)を対象に、安全性および副作用プロファイルを評価するとともに推奨用量を決定し(第I相試験)、第I相試験で推奨された用法用量(1日1回960mg経口投与)の有効性を評価した(第II相試験)。両試験相とも、増悪、許容できない副作用の発現または同意撤回等までソトラシブの投与を継続した。

 本論では、第I相および第II相を併合したソトラシブの安全性および有効性の解析結果が報告されている。

 有効性の主要評価項目は、RECIST 1.1に基づく盲検下独立中央画像判定機関(BICR)判定による客観的奏効率(ORR、完全奏効+部分奏効)であった。そのほか、奏効期間、客観的奏効までの期間、病勢コントロール率(客観的奏効+病勢安定)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性について評価された。

ORR 21%、PFS 4ヵ月、OS 6.9ヵ月、治療関連有害事象発現率は42%

 2019年7月3日~2021年1月25日の間に、7ヵ国25施設において計38例(第I相12例、第II相26例)が登録され、全例にソトラシブ960mgの1日1回経口投与が行われた。患者背景は、男性29例(76%)、年齢中央値65.5歳(範囲:45~81)、21例(55%)が初診時にIV期で、登録時、全例が転移性病変を有しており、治療歴は中央値で2ライン(範囲:1~8)であった。

 38例中8例(21%、95%信頼区間[CI]:10~37)で、BICR判定による客観的奏効が確認された。8例全例ともに部分奏効で、完全奏効例はなかった。

 PFS中央値は4.0ヵ月(95%CI:2.8~5.6)、追跡期間中央値16.8ヵ月(95%CI:9.5~評価不能)におけるOS中央値は6.9ヵ月(95%CI:5.0~9.1)であった。

 治療関連有害事象は、全Gradeで16例(42%)に認められ、6例(16%)はGrade3であった。主なGrade3の治療関連有害事象は、下痢および疲労(各2例[5%])であった。Grade4以上、死亡または投与中止に至る治療関連有害事象は認められなかった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)