1型DM成人患者、リアルタイムCGMで血糖コントロール改善/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2021/06/14

 

 1型糖尿病成人患者の血糖測定法を、必要に応じて測定する間欠スキャン式持続血糖モニタリング(isCGM)から、リアルタイムで測定し血糖値の高低を予測して警告を発する機能の選択肢を有する持続血糖モニタリング(rtCGM)に変更すると、isCGMの使用を継続した場合と比較して、6ヵ月後のセンサーグルコース値が70~180mg/dLの範囲内にある時間の割合が高くなり、全体として血糖コントロールが改善されることが、ベルギー・KU Leuven病院のMargaretha M. Visser氏らが実施した「ALERTT1試験」で示された。Lancet誌オンライン版2021年6月2日号掲載の報告。

ベルギーの6病院の無作為化対照比較試験

 本研究は、ベルギーの6つの病院が参加した無作為化対照比較試験であり、2019年1月29日~7月30日の期間に参加者の募集が行われた(米国・Dexcomの助成による)。

 対象は、年齢18歳以上、1型糖尿病の診断から6ヵ月以上が経過し、頻回注射またはインスリンポンプによる治療を受けており、糖化ヘモグロビン(HbA1c)値≦10%で、少なくとも6ヵ月間isCGMを使用している患者であった。

 被験者は、isCGMからrtCGM(Dexcom G6)に変更する群(介入群)またはisCGMを継続する群(対照群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。参加者、担当医、試験チームは割り付け情報をマスクされなかった。

 主要エンドポイントは、intention-to-treat集団における6ヵ月後の血糖値が目標範囲内(センサーグルコース値3.9~10.0mmol/L[70~180mg/dL])にある時間(time in range:TIR)の平均群間差とした。

HbA1c値、低血糖、低血糖恐怖スコアもrtCGM群で良好

 254例が登録され、rtCGM群に127例(平均年齢42.8[SD 13.8]歳、男性64%)、isCGM群に127例(43.0[14.5]歳、60%)が割り付けられ、それぞれ124例および122例が試験を完了した。ベースラインの平均HbA1c値は両群とも7.4(0.9)%だった。

 6ヵ月の時点におけるTIRの割合は、rtCGM群が59.6%と、isCGM群の51.9%に比べ有意に高かった(平均群間差:6.85ポイント、95%信頼区間[CI]:4.36~9.34、p<0.0001)。

 また、rtCGM群はisCGM群に比べ、6ヵ月時のHbA1c値(rtCGM群7.1% vs.isCGM群7.4%、p<0.0001)、臨床的に意義のある低血糖(センサーグルコース値<54mg/dL)の時間の割合(0.47% vs.0.84%、p=0.0070)、低血糖恐怖調査(Hypoglycaemia Fear Survey version II worry subscale)のスコア(15.4点vs.18.0点、p=0.0071)がいずれも良好であった。

 重症低血糖は、rtCGM群で少なかった(3例vs.13例、p=0.0082)。センサー挿入部位からの出血の報告はrtCGM群(12例に14件、このうち5件でセンサーの交換を要した)でのみ認められた。皮膚反応はisCGM群で頻度が高かった。

 著者は、「rtCGM群はisCGM群よりも、血糖コントロールと患者報告アウトカムが良好であり、臨床医は患者の健康状態や生活の質を改善するために、rtCGMを考慮すべきと考えられる」としている。

(医学ライター 菅野 守)

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コメンテーター : 住谷 哲( すみたに さとる ) 氏

公益財団法人日本生命済生会日本生命病院 糖尿病・内分泌センター

J-CLEAR評議員