DES留置後のクロピドグレル併用DAPT、至適期間は?/BMJ

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 中国・中南大学のShang-He-Lin Yin氏らは、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)で薬剤溶出ステント(DES)留置後のクロピドグレルを用いる抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)について、標準(12ヵ月間)または長期(>12ヵ月間)と短期(<6ヵ月間)の有効性と安全性を比較検証したシステマティックレビューとネットワークメタ解析の結果を報告した。すべての臨床症状を有する患者において短期と比較して、長期は大出血と非心臓死が増加し、標準で全出血のリスクが増加した。また、急性冠症候群(ACS)患者では、短期と標準で有効性と安全性は同様であった。新世代DES留置患者では、短期と比較して長期で全死因死亡が増加した。著者は、「DAPTの至適期間は、患者個々の虚血/出血リスクを考慮すべきではあるが、本検討において、DESを留置するPCIではほとんどの患者に短期DAPTを考慮することが望ましいことが示唆された」とまとめている。BMJ誌2019年6月28日号掲載の報告。

無作為化比較試験17件についてネットワークメタ解析を実施
 研究グループは、Medline、Embase、Cochrane Library for clinical trials、PubMed、Web of Science、ClinicalTrials.govおよびClinicaltrialsregister.euを用い、1983年6月~2018年4月に発表された、PCIによるDES留置後のDAPTに関する無作為化比較試験を特定し、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を行った。

 解析には、DAPTの3つの期間(短期、標準、長期)のうち2つを比較検証した研究17件(計4万6,864例)が組み込まれた。

 主要評価項目は、心臓死または非心臓死、全死因死亡、心筋梗塞、ステント血栓症、すべての出血性イベントとした。

DES留置後のクロピドグレルを用いたDAPTは6ヵ月未満が望ましい
 短期DAPTと比較し、長期DAPTは大出血(オッズ比[OR]:1.78、95%信頼区間[CI]:1.27~2.49)および非心臓死(OR:1.63、95%CI:1.03~2.59)の発生率増加が、標準DAPTはあらゆる出血(OR:1.39、95%CI:1.01~1.92)の発生率が増加することが示された。他の評価項目については顕著な差は確認されなかった。

 感度解析の結果、短期または標準DAPTと比較し、18ヵ月以上のDAPTでは非心臓死と出血がさらに増加することが明らかとなった。サブグループ解析では、新世代DESを留置した患者において、長期DAPTは短期DAPTより全死因死亡が増加した(OR:1.99、95%CI:1.04~3.81)。また、ACSを呈し新世代DESを留置した患者において、標準DAPTは短期DAPTと同様の有効性と安全性を示した。

 著者は、プールした試験の異質性は低く、結果の解釈に対する信用性は高いと考えられるとする一方、研究の限界として、クロピドグレルを基本にしたDAPTの期間を主に評価したもので、他のP2Y12阻害薬では結論が異なる可能性があること、いくつかの試験では報告されていない評価項目があることなどを挙げている。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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short DAPTとlong DAPTの新しいメタ解析:この議論、いつまで続けるの?(解説:中野明彦氏)-1105

コメンテーター : 中野 明彦( なかの あきひこ ) 氏

群馬県済生会前橋病院 循環器内科 代表部長

J-CLEAR推薦コメンテーター

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