チカグレロル併用DAPT1ヵ月+単剤23ヵ月を標準DAPTと比較/Lancet

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チカグレロル併用DAPT1ヵ月+単剤23ヵ月を標準DAPTと比較/Lancetのイメージ

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後2年の全死因死亡あるいは新規Q波心筋梗塞の抑制という点で、チカグレロルとアスピリンによる抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)1ヵ月→チカグレロル単剤療法23ヵ月は、標準的DAPT 12ヵ月→アスピリン単剤療法12ヵ月と比較し優越性は認められなかった。ベルギー・ハッセルト大学のPascal Vranckx氏らが、18ヵ国130施設で実施した無作為化非盲検優越性試験「GLOBAL LEADERS」の結果を報告した。アスピリンとの併用において、チカグレロルはクロピドグレルより主要有害心イベントと全死亡率を有意に低下するが、アスピリン150mg/日以上がチカグレロルの治療効果を弱めることが示唆されていた。Lancet誌オンライン版2018年8月24日号掲載の報告。

DES留置患者約1万6千例で検討したGLOBAL LEADERS試験
 GLOBAL LEADERS試験の対象は、PCIを施行しバイオリムスA9薬剤溶出性ステント(DES)を留置する安定冠動脈疾患(安定CAD)/急性冠症候群(ACS)患者。アスピリン(75~100mg/日)+チカグレロル(1日2回90mg)を1ヵ月間、その後チカグレロル単剤療法を23ヵ月間行う介入群と、標準的DAPT(アスピリン75~100mg/日+クロピドグレル75mg/日[安定CAD患者]またはチカグレロル1日2回90mg[ACS患者])を12ヵ月間、その後アスピリン単剤療法を12ヵ月間行う対照群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。

 主要評価項目は、2年時点の全死因死亡または中央評価による新規の非致死性Q波心筋梗塞の複合(評価者盲検)。主な副次安全性評価項目は、施設報告によるBARC出血基準Grade3または5の出血で、intention-to-treat解析で評価した。

 2013年7月1日~2015年11月9日に、1万5,968例が介入群7,980例と対照群7,988例に無作為に割り付けられた。

全死因死亡および非致死性心筋梗塞の発生に有意差なし
 2年時点における死亡または非致死性新規Q波心筋梗塞の発生は、介入群で304例(3.81%)、対照群で349例(4.37%)に認められた(率比:0.87、95%信頼区間[CI]:0.75~1.01、p=0.073)。事前に定義したACSと安定CADのサブグループ解析においても、主要評価項目に関する治療効果に差はなかった(p=0.93)。

 Grade3または5の出血は、介入群163例ならびに対照群169例で確認された(2.04% vs.2.12%、率比:0.97、95%CI:0.78~1.20、p=0.77)。

 著者は、今回の試験は非盲検で行われており、全死因死亡と2年時点の複合エンドポイントに関して検出力不足であったことなどを研究の限界として挙げている。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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EBMの威力を痛感させたGLOBAL LEADERS試験(解説:後藤信哉氏)-914

コメンテーター : 後藤 信哉( ごとう しんや ) 氏

東海大学医学部内科学系循環器内科学 教授

J-CLEAR理事

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