院外心肺停止の予後、バッグマスクvs.気管内挿管/JAMA

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院外心肺停止の予後、バッグマスクvs.気管内挿管/JAMAのイメージ

 院外心肺停止(OHCA)患者において、バッグマスク換気(BMV)は気管内挿管(ETI)と比較し、28日目における神経学的予後良好な生存に関して非劣性または劣性を確認することはできなかった。フランス・パリ第5大学のPatricia Jabre氏らが、フランスとベルギーで行った多施設共同無作為化比較試験の結果を報告した。OHCA患者の心肺蘇生法(CPR)において、二次救命処置の気道管理は、BMVがETIより簡便であり、これまでの研究ではBMVの生存に関する優越性が報告されていた。JAMA誌2018年2月27日号掲載の報告。

院外心停止患者約2千例をBMVとETIに無作為化、28日転帰を比較
 研究グループはOHCA患者2,043例(平均年齢64.7歳、女性665例[32%])を、BMV群(1,020例)またはETI群(1,023例)に無作為に割り付けて検討を行った。登録期間は2015年3月9日~2017年1月2日、追跡終了は2017年1月26日であった。

 主要評価項目は、28日目の神経学的予後良好な生存(脳機能カテゴリー[cerebral performance category:CPC]1~2と定義)で、非劣性マージンは1%とした。副次評価項目は、入院までの生存率、28日全生存率(CPCとは無関係)、自己心拍再開率、ETI/BMVが困難または失敗した割合などであった。

 2,043例中2,040例[99.8%]が試験を完遂した。

28日目の神経学的予後良好な生存、BMVのETIに対する非劣性/劣性は認められず
 Intention-to-treat集団において、28日目の神経学的予後良好な生存率はBMV群4.3%(44/1,018例)、ETI群4.2%(43/1,022例)であった(群間差:0.11%、97.5%片側信頼区間[CI]:-1.64%~∞、非劣性のp=0.11)。入院までの生存率(BMV群28.9% vs.ETI群32.6%、群間差:-3.7%、95%CI:-7.7~0.3%)、および28日全生存率(5.4% vs.5.3%、0.1%、-1.8~2.1%)も有意差は認められなかった。

 一方、合併症はETI群と比較しBMV群で有意に多く、気道管理困難率はBMV群18.1%(186/1,027例) vs.ETI群13.4%(134/996例)(群間差:4.7%、95%CI:1.5~7.9%、p=0.004)、失敗率はそれぞれ6.7%(69/1,028例) vs.2.1%(21/996例)(4.6%、2.8~6.4%、p<0.001)、胃内容物逆流は15.2%(156/1,027例) vs.7.5%(75/999例)(7.7%、4.9~10.4%、p<0.001)であった。

 著者は、研究の限界として、米国の救急医療システムでの戦略とあまり関連性がないこと、BMV群において自己心拍再開後または気道管理困難時にETIを使用した症例があること、心停止後の入院管理を比較していないことなどを挙げたうえで、「BMVとETIの同等性または優越性を判定するためにはさらなる研究が必要である」とまとめている。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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まず冷静にエビデンスを求める(解説:野間重孝 氏)-842

コメンテーター : 野間 重孝( のま しげたか ) 氏

栃木県済生会宇都宮病院 副院長

J-CLEAR評議員

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