爆発的に増えた血糖降下薬のRCT論文、著者の特徴は/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2015/07/13

 

 オランダ・アムステルダム大学医療センターのFrits Holleman氏らは、血糖降下薬の刊行論文が、一部少数の論文多産著者(supertrialists)によるものなのかどうか、および彼らによる論文の特徴を調べた。その結果、過去20年の無作為化試験(RCT)論文の3分の1は、製薬メーカーの社員(44%)とメーカーと密接に仕事をする大学研究者(56%)により執筆されたものであることを明らかにした。BMJ誌オンライン版2015年7月1日号掲載の報告。

論文多産著者上位110人および11人を特定し、その論文の特徴を精査
 研究グループはPubMedで、1993年1月1日~2013年12月31日の間に発表された血糖降下薬に関連したあらゆるRCT論文を検索した。次にPubReMinerを用いて、論文多産著者上位110人、および11人を特定し、彼らが発表したRCT論文について、総著者数、企業スポンサー、メーカー社員著者、利益相反(conflicts of interest)などのさまざまな特徴について調べた。

 主要評価項目は、トップ110人およびトップ11人による発表論文の割合とした。

論文多産トップ110人のうち48人は製薬メーカー社員
 検索により、1万3,592人の著者による3,782本の論文が特定された。

 そのうち1,227本(32.4%)に、トップ110人の名前が記されていた。また397本(10.5%)に、トップ11人の名前が記されていた。

 トップ110人による発表RCTは991本であった。1人当たりの発表RCTは中央値20本(範囲:4~77)であった。また、トップ11人による発表RCTは354本で、1人当たりの発表RCTは中央値42本(範囲:36~77)であった。

 トップ110人のうち48人は、製薬メーカーの社員であった。また、991本のRCTのうち906本のスポンサーが企業によるものであった。

 利益相反の評価は704本について行った。そのうち完全な独立性が保たれていると思われたのは42本(6%)であった。

 また、991本のRCTにおいて、執筆の補佐者(Medical writing assistance)が439本(44.3%)で確認された。

 これらの結果を踏まえて著者は、「過去20年間で、血糖降下治療に関する臨床試験の発表数が爆発的に増大していた。また一部の著者による治療エビデンスへの過度な貢献が認められた。すなわち、糖尿病の血糖降下薬治療におけるRCTのエビデンスのうち3分の1は、1%に満たない著者により執筆されたものであり、それら執筆者のうち44%が製薬メーカーの社員であり、56%は製薬メーカーと密接に仕事をする大学研究者であった」とまとめている。

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コメンテーター : 桑島 巖( くわじま いわお ) 氏

J-CLEAR理事長

東京都健康長寿医療センター顧問