長期アスピリン常用と加齢黄斑変性リスクとの関連/JAMA

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長期アスピリン常用と加齢黄斑変性リスクとの関連/JAMAのイメージ

 アスピリンの常用と加齢黄斑変性(AMD)発症との関連について調査した長期試験の結果、服用期間が5年では有意な関連はみられなかったが、10年では、わずかだが統計的に有意な発症遅延リスクの上昇が血管新生型AMDでみられたことを、米国・ウィスコンシン大学医学部眼科部門のBarbara E. K. Klein氏らが報告した。アスピリンは関節炎などの疼痛緩和や心保護効果があるとして広く使用されている。その使用は、眼科医にとっても関心が高いという。JAMA誌2012年12月17日号掲載報告より。

5年ごと20年間の眼底検査結果とアスピリン服用有無との関連を評価
Klein氏らは、アスピリンの常用とAMD発生との関連を調べる「Beaver Dam Eye Study」を行った。同試験は、ウィスコンシン州住民ベースの長期にわたる加齢性眼疾患について調査したもので、1988~1990年から2008~2010年の20年間に、検査受診が5年ごとに行われた(ベースラインを含め計5回)。

 試験には、ベースライン時に43~86歳の4,926例が参加した。被験者は、その後の調査で、アスピリンを週2回以上、3ヵ月以上服用しているかを質問された。

 主要評価項目は、AMD発症が早期(ターゲット受診日より6ヵ月以上前)、遅延期(ターゲット受診日後6ヵ月以降)、および遅延期の2タイプの発症(血管新生型AMD、萎縮型AMD)とした。評価は、Wisconsin Age-Related Maculopathy Grading Systemによる眼底検査に基づき行われた。

10年常用とわずかだが有意な血管新生型AMD発症とが関連
 平均追跡期間は14.8年だった。試験全体で、早期AMD発症は512例(6,243人・受診につき)、遅延期AMD発症は117例(8,621人・受診につき)であった。

 眼底検査前のアスピリン常用が10年で、AMDの遅延期発症と有意な関連がみられた[ハザード比(HR):1.63、95%信頼区間(CI):1.01~2.63、p=0.05]。

 また、アスピリン10年常用は、AMDのタイプ別にみると、血管新生型AMDとの有意な関連がみられたが(HR:2.20、95%CI:1.20~4.15、p=0.01)、萎縮型との関連はみられなかった(同:0.66、0.25~1.95、p=0.45)。

 一方で、アスピリン10年常用と早期AMDとの関連はみられなかった(HR:0.86、95%CI:0.65~1.13、p=0.28)。また早期AMDは、アスピリン5年常用でも関連はみられなかった(同:0.86、0.71~1.05、p=0.13)。アスピリン5年常用は、遅延期AMDとの関連もみられなかった(同:0.91、0.57~1.46、p=0.69)。

 上記の結果について著者は、確証のためのさらなる試験が必要だと述べるとともに、「もし、アスピリン常用と血管新生型AMD発症との関連が確認されたら、アスピリンを常用する、とくに心血管疾患を有する人での血管新生型AMDの予防あるいは遅延のために、原因メカニズムを明らかにし、アスピリンの影響を遮断するための手法を開発しなければならない」とまとめている。

(武藤まき:医療ライター)

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