出産前からの複数回訪問指導で小児肥満リスクを低下

提供元:ケアネット

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公開日:2012/07/27

 

出産前から2歳時まで、家族にフォーカスした訪問看護師による複数回の早期介入を行うことで、2歳時のBMI値が低下し、小児肥満症リスク因子の改善効果が示されたことが、オーストラリア・シドニー大学のLi Ming Wen氏らによる無作為化試験の結果、報告された。オーストラリアでは2~3歳児の5人に1人が過体重もしくは肥満で、乳幼児栄養(離乳食への切り替え時期や子どもの食習慣、テレビ視聴時間など)についての出産前を含む早期介入が提唱されているという。成人後の食習慣にも影響する乳幼児栄養の早期リスク因子について、低下層地域に多くみられるとのエビデンスが示されており、試験はシドニーの低下層地域で行われた。BMJ誌2012年7月14日号(オンライン版2012年6月21日号)掲載報告より。

訪問看護師の指導介入による2歳時点のBMI変化を検証
Healthy Beginnings Trialと命名された試験は2007~2010年の間、2歳時点のBMIについて、訪問看護師による複数回の早期介入による効果について検証することを目的に行われた。

被験者は、シドニーの経済社会的に低下層の地域で行われ、667例の初産の母親とその乳児を対象とした。

乳幼児栄養について特別に訓練を受けた訪問看護師による家庭訪問指導が、子どもの発育のマイルストーン時期(出産前、出生後1、3、5、9、12、18、24ヵ月時点)を目安に8回行われた。

主要アウトカムは、BMI値(2歳児BMI値の範囲:男児14.12~18.41、女児13.90~18.02)とした。副次アウトカムは、2歳時の幼児栄養習慣、テレビ視聴時間などとした。

平均BMI値、介入群が対照群よりも有意に低下
試験を完了したのは497例(75%)だった。

BMI値が追跡できなかった170例、有効でなかった14例の被験者データも含めた667例(割り付けは介入群337例、対照群330例)を対象とするintention to treat解析の結果、平均BMI値は、介入群が対照群よりも有意に低下したことが示された。

各群の平均BMI値は、介入群16.53、対照群16.82で、差は0.29(95%信頼区間:0.55~0.02、p=0.04)だった。