ステージ3+の未熟児網膜症へのベバシズマブ単独療法の有効性は?

提供元:ケアネット

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公開日:2011/03/02

 



未熟児網膜症(ROP)に対する血管内皮増殖因子阻害薬ベバシズマブ(商品名:アバスチン 本邦では抗がん薬としてのみ保険適応)硝子体内投与による単独療法について、従来のレーザー治療法(confluent laser therapy)と比較する多施設共同前向き無作為化層別比較対照試験が行われ、NEJM誌2011年2月17日号で発表された。ROPは世界的に幼児期失明の主要な原因となっており、特にゾーンI発症のROPは、従来レーザー治療では周辺部網膜の恒久的な損失が不可避で、大半が近視を有することとなり、成功例は50%とすべての症例で失明を免れるというわけではないと報告されている。一方で、血管内皮増殖因子阻害薬を用いて治療した一連の症例から、これらの薬剤が未熟児網膜症の治療に有効である可能性が示唆されており、米国・テキサス大学ヘルス・サイエンス・センターのHelen A. Mintz-Hittner氏ら「BEAT-ROP」共同研究グループが、有効性を評価する試験を行った。

患児150例をベバシズマブ硝子体内投与とレーザー治療に無作為化し追跡




試験対象は、ゾーンIまたはゾーンII後極部ステージ3+(後極部血管の拡張・蛇行のあるステージ3)ROPを有した出生時体重1,500g以下・在胎月齢30週以下の患児で、生後4週もしくは最終月経後31週以降に開始された。

患児は、両眼に、ベバシズマブ(0.625mg/0.025mL溶液)を硝子体内投与される群または従来レーザー治療を受ける群に無作為に割り付けられ追跡された。

主要評価項目は最終月経後54週までの、再治療を要する片眼または両眼のROP再発とした。

試験登録は150例(サンプル計300眼)。うち143例が月経後54週まで生存、7例が死亡し、死亡例は主要アウトカム分析に含めなかった。

ゾーンI ROPでは有効も、ゾーンII後極部病変ROPでは有効性認められず




結果、ベバシズマブ投与群4例(140眼中6眼・4%)で、レーザー治療群では19例(146眼中32眼・22%)でROP再発が認められた(P=0.002)。

有意な治療効果はゾーンI ROPでは認められたが(P=0.003)、ゾーンII後極部病変ROPでは認められなかった(P=0.27)。

これら結果を踏まえMintz-Hittner氏は、「ベバシズマブ単独療法は、ゾーンI ROPで有意なベネフィットが示されたが、ゾーンII後極部病変ROPでは示されなかった。ベバシズマブ投与後には継続的な周辺部網膜血管の発達が認められ、従来レーザー治療群では周辺部網膜が恒久的に損失されていた。安全性については、試験規模が小さすぎた」と報告をまとめている。

(朝田哲明:医療ライター)