新規抗うつ薬「ノルアドレナリン・ドパミン脱抑制薬」その実力とは? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/01/16 新規抗うつ薬として注目されるノルアドレナリン・ドパミン脱抑制薬(NDDI)であるアゴメラチン。オーストリア・ウィーン医科大学のSiegfried Kasper氏らは、アゴメラチンの有効性および忍容性を評価するため、SSRIやSNRIとの各種比較試験より解析を行った。International clinical psychopharmacology誌2013年1月号の報告。 患者データのプール解析によりアゴメラチンの抗うつ効果をSSRIやSNRIと比較した。適応用量内で実施されたベンラファキシン、セルトラリン、フルオキセチン、パロキセチン、エスシタロプラムを用いた6試験無作為化二重盲検比較試験より解析を行った。一次評価にはHAM-D17を用いた。治療間の差の推定については、最終観察時点(6、8、12週目)の値に基づいて算出した。 主な結果は以下のとおり。 ・各試験で無作為化された対象患者は2,034例(年齢:47.6±14.9歳、男女比:27:73、HAM-D17トータルスコア:29.6±3.0)。 ・解析対象患者は最大で1,997例(アゴメラチン群:1,001例、SSRI/SNRI群:996例)。 ・アゴメラチン群では、SSRI/SNRI群と比較し、HAM-D17トータルスコア(E[SE]=0.86[0.35]、95%CI=0.18~1.53、p=0.013)、HAM-D17におけるレスポンダーレート(p=0.012)、CGI-I(CGI-Improvement)スコア(p=0.032)の有意な改善が認められた。 ・重度なうつ病患者においても同様な結果が得られた。 ・アゴメラチン群では、SSRI/SNRI群と比較し、優れた忍容性が認められた。 関連医療ニュース ・難治性うつ病に対するアプローチ「SSRI+非定型抗精神病薬」 ・うつ病補助療法に有効なのは?「EPA vs DHA」 ・ドパミンD3受容体拮抗薬、統合失調症治療薬としての可能性は? (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kasper S, et al. Int Clin Psychopharmacol. 2013 Jan; 28(1): 12-19. doi: 10.1097/ YIC.0b013e328359768e. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 希釈式自己血輸血、心臓手術時の同種血輸血を減じるか/NEJM(2025/07/01) 非定型うつ病に対する薬理学的治療の比較〜ネットワークメタ解析(2025/07/01) TN乳がん術前ペムブロリズマブ併用化学療法、ddAC vs.AC(2025/07/01) 不適切な医療行為は一部の医師に集中~日本のプライマリケア(2025/07/01) 糖尿病と高血圧の併発が命を脅かす(2025/07/01) 電子タトゥーが脳への負担を測定(2025/07/01) 脳全体のアミロイドβとタウタンパク質の蓄積量は性別によって異なる(2025/07/01) 妊娠中のカルシウム摂取量が子供のうつ症状に関連か(2025/07/01)
Kasper S, et al. Int Clin Psychopharmacol. 2013 Jan; 28(1): 12-19. doi: 10.1097/ YIC.0b013e328359768e.