難治性うつ病に対するアプローチ「SSRI+非定型抗精神病薬」 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/08/03 うつ病患者のうち、抗うつ薬が奏効するのはわずか2/3程度であり、治療に難渋することも少なくない。近年、抗うつ薬に非定型抗精神病薬を併用するうつ病の薬物治療は、効果的かつ高い忍容性が認められるといわれている。産業医科大学 吉村氏らは難治性うつ病患者におけるSSRIとアリピプラゾールとの併用による有効性を検討した。Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry誌オンライン版2012年7月17日号の報告。 対象は、少なくとも2種類以上の抗うつ薬による治療が奏功しなかった大うつ病患者24例(DSM-Ⅳ基準を満たす、男:女=9:13、年齢28~66歳[平均±SD=39±12])。対象患者に対しパロキセチン(11例)またはセルトラリン(13例)を4週間投与し、その後HAMD17スコア減少率が50%以下であった患者に対し、アリピプラゾール併用を4週間行った。 主な結果は以下のとおり。 ・SSRI単独療法と比較し、アリピプラゾール併用療法はHAMD17スコアを低下させた。 ・パロキセチン+アリピプラゾール群とセルトラリン+アリピプラゾール群におけるHAMD17スコアの変化量には、有意な差は認められなかった。 ・難治性うつ病に対する薬物治療として、パロキセチンまたはセルトラリンにアリピプラゾールを併用することは効果的かつ良好な忍容性が認められる。 なお、国内におけるアリピプラゾールの効能・効果は「統合失調症」「双極性障害における躁症状の改善」である(2012年7月末現在)。 関連医療ニュース ・うつ病治療“次の一手”は?SSRI増量 or SNRI切替 ・うつ病治療におけるNaSSA+SNRIの薬理学的メリット ・PETでみるアリピプラゾール「なぜ、EPSが少ないのか」 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Yoshimura R, et al. Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 2012 Jul 17. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 高齢者への2価コロナワクチン、脳卒中リスクは?/JAMA(2024/03/29) 出生率は世界的に低下、2100年までの予測/Lancet(2024/03/29) 新型コロナウイルス感染症の認知機能障害は徐々に軽症化している(解説:岡村毅氏)(2024/03/29) 麻疹ワクチン不足、定期接種を最優先に/日医(2024/03/29) 初発統合失調症の脳ネットワークに対するアリピプラゾールの影響(2024/03/29) ファセンラ、小児の難治性気管支喘息で製造販売承認(一部変更)取得/AZ(2024/03/29) 日本での大腸がん手術の転帰、月~木曜日vs.金曜日(2024/03/29) 院外心停止患者への市民による心肺蘇生、AED使用で生存が2倍以上に/日本循環器学会(2024/03/29) 「週末戦士」でも減量効果は習慣的な運動と同じ(2024/03/29)