甘い飲み物の飲み過ぎで心房細動?

提供元:HealthDay News

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公開日:2024/04/15

 

 加糖飲料や人工甘味料入りの飲料を飲み過ぎると、心房細動になりやすくなる可能性を示唆するデータが報告された。上海交通大学医学院附属第九人民医院(中国)のNingjian Wang氏らの研究によるもので、詳細は「Circulation: Arrhythmia and Electrophysiology」に3月5日掲載された。

 甘味飲料の摂取量が一部の心血管代謝疾患のリスクと関連のあることは知られているが、心房細動との関連はこれまで明らかにされていない。心房細動は不整脈の一種で、自覚症状として動悸やめまいなどを生じることがある。ただしより重要なことは、心房細動では心臓の中に血液の塊(血栓)が形成されやすくなって、その血栓が脳の動脈に運ばれて脳梗塞が起きてしまうリスクが高い点にある。このタイプの脳梗塞は梗塞の範囲が広いことが多く、重症になりやすい。

 Wang氏らは、英国の一般住民対象大規模疫学研究「UKバイオバンク」のデータを用いて、加糖飲料(SSB)、人工甘味料入り飲料(ASB)、および果汁100%フルーツジュース(PJ)の摂取量と心房細動のリスクを、遺伝的素因を考慮に入れて検討した。解析対象は、ベースライン時に心房細動がなく、遺伝子関連データがあり、かつ24時間思い出し法による食事摂取アンケートに回答していた20万1,856人。中央値9.9年の追跡期間中に、9,362人が心房細動の診断を受けていた。

 交絡因子を調整後、SSBを摂取しない人に比べて週に2リットル超摂取している人は、心房細動のリスクが10%高いことが示された〔ハザード比(HR)1.10(95%信頼区間1.01~1.20)〕。同様に、ASBを摂取しない人に比べて週に2リットル超摂取している人は、心房細動のリスクが20%高かった〔HR1.20(同1.10~1.31)〕。一方、PJを摂取しない人に比べて週に1リットルを超えない範囲で摂取している人は、心房細動のリスクが8%低いことが分かった〔HR0.92(同0.87~0.97)〕。心房細動の遺伝的素因の有無で層別化した解析の結果、有意な交互作用は観察されなかった。

 この結果について論文の筆頭著者であるWang氏は、「さまざまな種類の飲料を摂取している人がいて、飲料以外の食事の影響も否定できないことから、ある飲料が別の飲料よりも心房細動のリスクが高いと明確に結論付けることはできない」としている。とは言え、「これらの結果に基づけば、可能な限りSSBやASBの摂取を避けることが推奨される。また、『低糖』や『低カロリー』とうたったASBには、潜在的な健康リスクを引き起こす可能性があり、それらを健康的な飲み物だとは考えないでほしい」と付け加えている。

 SSBが心房細動のリスクを高めるメカニズムとしてWang氏は、糖負荷によるインスリン抵抗性の亢進が2型糖尿病発症リスクを高め、その2型糖尿病は心房細動のリスク因子であることを考察として述べている。またASBについては、サッカリンなどの人工甘味料に対して体が特異的に反応する可能性があるという。

[2024年3月5日/HealthDayNews]Copyright (c) 2024 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら