夜型生活は糖尿病リスクを高める

提供元:HealthDay News

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公開日:2023/10/02

 

 生活パターンが夜型の女性は、糖尿病になりやすいことを示すデータが報告された。生活習慣関連リスク因子の影響を調整しても、有意な差が認められるという。米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のSina Kianersi氏らの研究によるもので、詳細は「Annals of Internal Medicine」に9月12日掲載された。

 この研究は、米国で行われている看護師対象研究(Nurses’ Health Study II)のデータを用いて行われた。2009年時点で、がん、心血管疾患、糖尿病の既往歴のなかった45~62歳の女性看護師6万3,676人を2017年まで追跡。アンケートで把握したクロノタイプは、35%が朝型、11%が夜型で、その他は朝型でも夜型でもないと判定されていた。

 46万9,120人年の追跡で1,925人が糖尿病を発症した。朝型の人に比べて夜型の人の糖尿病発症リスクは72%高く〔ハザード比(HR)1.72(95%信頼区間1.50~1.98)〕、朝型でも夜型でもない人は21%ハイリスクだった〔HR1.21(同1.09~1.35)〕。ただ、この関連の大部分は生活習慣によって説明できることも分かった。Kianersi氏は、「夜型の人は概して不健康な生活習慣であることが多い。彼らは、食事が非健康的で身体活動量は少なく体重が重くて、喫煙や飲酒習慣のある割合が高く、さらには睡眠時間が短い人が多かった」と解説している。

 具体的には、朝型の人に比べて夜型の人は、そのような不健康な生活習慣の人が54%(49~59)多かった。また、最も健康的な生活習慣と判定された群に占める夜型の人の割合は6%だったが、最も非健康的な生活習慣と判定された群では25%を夜型の人が占めていた。しかし、年齢やBMI、交代勤務、糖尿病の家族歴などのほかに、身体活動量や食事の質などの生活習慣関連因子の影響を調整してもなお、朝型の人を基準とする夜型の人の糖尿病リスクは19%高かった(HR1.19(1.03~1.37)〕。

 一方で、勤務時間帯がその人のクロノタイプと一致している場合は、夜型生活であることによる糖尿病リスクの上昇は顕著でないことも分かった。Kianersi氏は、「朝型か夜型かの違いの一部は遺伝的素因によって決まる可能性があり、その傾向に逆らおうとすると、健康に悪影響が生じることを意味していると考えられる」と述べている。なお、夜型生活による糖尿病リスクの上昇は、夜間の勤務歴の経験が10年未満の場合により高かった。

 Kianersi氏によると、「ヒトのクロノタイプは約350の遺伝子マーカーとの関連が解明されている」とのことで、「今回の研究はそのような遺伝的素因の影響を理解することが、夜型生活の人の健康を守るのに役立つ可能性を示唆している。この知見は、勤務時間を柔軟に設定可能とするなどの制度設計の立案につながるのではないか」と語っている。ただし、「クロノタイプに関連している遺伝的素因が、糖尿病の発症にも関与しているのか否かということについては、さらなる研究が必要だ」としている。

 なお、本報告に対する付随論評を寄せた、米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のKehuan Lin氏は、「この研究結果は、生活習慣がクロノタイプと糖尿病との関連を媒介している可能性を示しているのかもしれない」としながらも、「ただし、依然として不明点が多く残されている」と指摘している。

[2023年9月12日/HealthDayNews]Copyright (c) 2023 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら