肥満症診断の有無は、BMI高値の人の疾患リスクと関連しているのだろうか。このテーマについて、米国・テキサス大学マクガバン医科大学内科・外科学部肥満医学・代謝機能センターのDeborah B. Horn氏らの研究グループは、CALOR研究において民間のデータベースを使い、BMI基準で肥満に該当する人を診断記録の有無で層別化し、解析した。その結果、日米ともにBMI高値の人では、肥満症診断が十分ではなく、関連疾患の有病率が高いことがわかった。この結果はObesity誌オンライン版2026年7月18日号に掲載された。
肥満症診断があると関連疾患の有病率も高い傾向
研究グループは、BMI高値の人を対象に肥満症診断の有無による特性および経時的な傾向を明らかにすることを目的に研究を行った。手法として2016~24年にBMI30以上(米国:Optum社の匿名化済みClinformatics Data Martデータベース)またはBMI25以上(日本:Medical Data Vision)に記録された成人のデータを対象とした。指標時点(最新のBMIまたは肥満症診断)における肥満症診断の有無で層別化し、特性を解析した。
主な結果は以下のとおり。
・米国の解析対象は358万4,120例(肥満症診断あり70.1%)で、関連疾患の有病率は「肥満症診断あり」群が「なし」群よりも高かった。
・米国の関連疾患の具体例としては、2型糖尿病は「肥満症診断あり」49.3%、「なし」29.9%、慢性腎臓病は「あり」32.9%、「なし」18.8%、心不全は「あり」23.3%、「なし」9.8%だった。
・日本の解析対象は314万900例(肥満症診断あり2.3%)で、関連疾患の有病率は「肥満症診断あり」群が「なし」群よりも高かった。
・日本の疾患の具体例としては、2型糖尿病は「肥満症診断あり」42.2%、「なし」25.9%、慢性腎臓病は「あり」14.3%、「なし」8.6%だった。
・米国では、2024年に初めて肥満症と診断された群は2016~20年に診断された群と比較し、関連疾患の負担が高かった。
この結果から研究グループは「米国および日本において、BMI高値の人では、肥満症が十分診断されておらず、関連疾患の有病率が高いことが判明した」と結論付けている。
(ケアネット 稲川 進)