抗PD-1/PD-L1療法後に増悪した進行淡明細胞型腎細胞がん患者において、ベルズチファン+レンバチニブはカボザンチニブと比較し、全生存期間(OS)に有意差はなかったものの無増悪生存期間(PFS)を有意に延長し、安全性プロファイルは単剤投与の場合と同程度であったことが、米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのRobert J. Motzer氏らLITESPARK-011 Investigatorsが実施した「LITESPARK-011試験」で示された。著者は、「ベルズチファン+レンバチニブは、抗PD-1/PD-L1療法後の進行淡明細胞型腎細胞がん患者に対する新たな標準治療となりうるだろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年8月12日号掲載の報告。
カボザンチニブと比較、主要評価項目はPFSとOS
LITESPARK-011試験は、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、北米および南米の25ヵ国、計184施設で実施した第III相無作為化非盲検実薬対照試験である。
対象は、18歳以上の切除不能な局所進行または転移のある淡明細胞型腎細胞がん患者で、1次または2次治療としての抗PD-1/PD-L1療法(VEGFRチロシンキナーゼ阻害薬併用の有無を問わない)後、または術前・術後補助療法としての抗PD-1/PD-L1療法の最終投与後6ヵ月以内に、病勢進行が認められた患者であった。
研究グループは、適格患者をベルズチファン(120mg)+レンバチニブ(20mg)併用群またはカボザンチニブ(60mg)群に、Web応答システム(ブロックサイズ4)を用いて1対1の割合で無作為に割り付け、病勢進行または許容できない有害事象が発現するまで1日1回経口投与した。
割り付けの層別因子は、国際転移腎細胞がんデータベースコンソーシアム(IMDC)の予後スコア(0、1~2、3~6)、抗PD-1/PD-L1療法の治療ライン(術後補助療法/術前術後補助療法/1次治療、2次治療)、および地域(北米、西ヨーロッパ、その他の地域)であった。
主要評価項目は、盲検下独立中央評価委員会判定によるPFSならびにOSの2つで、無作為化された全例を解析対象集団とし、PFSまたはOSのいずれかで有意差が認められた場合は主要評価項目達成と定義した。
安全性は、無作為化され試験薬を少なくとも1回投与された患者を対象に評価した。
PFS中央値は14.8ヵ月vs.10.7ヵ月、ベルズチファン+レンバチニブ群で有意に延長
2021年3月5日~2023年9月1日に955例がスクリーニングされ、このうち747例が無作為化された(ベルズチファン+レンバチニブ群371例、カボザンチニブ群376例)。
患者背景は、565例(76%)が男性、182例(24%)が女性、651例(87%)が白人であった。
第2回中間解析(2025年4月9日データカットオフ、追跡期間中央値:29.0ヵ月、四分位範囲:23.7~34.9)において、PFS中央値はベルズチファン+レンバチニブ群14.8ヵ月(95%信頼区間[CI]:11.2~16.6)、カボザンチニブ群10.7ヵ月(95%CI:9.2~11.1)であり、ベルズチファン+レンバチニブ群で有意に延長した(ハザード比[HR]:0.70、95%CI:0.59~0.84、片側p<0.0001、有意水準片側p=0.0047)。
OS中央値は、ベルズチファン+レンバチニブ群34.9ヵ月(95%CI:27.5~未到達)、カボザンチニブ群27.6ヵ月(95%CI:24.0~31.4)で、両群間に有意差は認められなかった(HR:0.85、95%CI:0.68~1.05、片側p=0.061、有意水準片側p=0.0115)。
Grade3以上の有害事象は、ベルズチファン+レンバチニブ群で84%(311/370例)、カボザンチニブ群で83%(307/371例)に発現した。両群で最も発現割合が高かったGrade3以上の有害事象は、高血圧であった(ベルズチファン+レンバチニブ群31%、カボザンチニブ群29%)。副作用による死亡は、ベルズチファン+レンバチニブ群で2例(血栓性微小血管症、肺炎)、カボザンチニブ群で1例(喀血)報告された。
(医学ライター 吉尾 幸恵)