再発・難治性B細胞NHL、CAR-T細胞療法の10年追跡結果/NEJM

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2026/07/10

 

 再発または難治性のB細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)患者において、チサゲンレクルユーセルの単回投与により、大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者では約3分の1、濾胞性リンパ腫(FL)患者では約半数が、10年に及ぶ寛解(リンパ腫無再発生存)を得たという。米国・ペンシルベニア大学のMarco Ruella氏らが、同大学で実施した第II相試験の10年追跡調査の結果を報告した。抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、再発・難治性B細胞NHLに対する標準治療であるが、長期アウトカムや治癒の可能性は依然として不明であった。NEJM誌2026年6月25日号掲載の報告。

チサゲンレクルユーセル投与の患者38例を10年追跡

 研究グループは、CD19を標的とし、4-1BB共刺激ドメインを有するキメラ抗原受容体を発現する自家T細胞であるCTL019(現在のチサゲンレクルユーセル)の投与を受けた、再発または難治性のB細胞NHL患者について、10年の長期アウトカムを評価した。

 49例が登録され、このうち38例(LBCL患者24例、FL患者14例)がチサゲンレクルユーセルの投与を受け、長期有効性および安全性の評価対象となった。

 評価項目のリンパ腫無再発生存期間は、チサゲンレクルユーセル注入からリンパ腫の再発またはリンパ腫関連死亡までの期間と定義した。非再発死亡および2次原発がんの発生率は、Aalen-Johansen法を用いて推定した。

 本研究は2014年1月~2019年9月に実施され、長期追跡調査のデータカットオフ日は2025年10月1日であった。

10年リンパ腫無再発生存率はLBCL32%、FL47%、奏効例の半数以上は奏効が持続

 追跡期間中央値10.1年(範囲:7.9~11.5)の時点で、患者の約3分の1が寛解を維持しており、LBCLでは5.4年を超えて、FLでは2.7年を超えての再発は認められなかった。

 10年リンパ腫無再発生存率は、LBCL患者で32%(95%信頼区間[CI]:14~51)、FL患者で47%(95%CI:20~71)であった。

 全死因死亡を含めた10年無増悪生存率は、LBCL患者で17%(95%CI:5~34)、FL患者で29%(95%CI:9~52)、10年全生存率はそれぞれ17%(95%CI:5~34)および50%(95%CI:23~72)と推定された。

 奏効例における10年時点での奏効持続率は、全患者では57%(95%CI:35~74)、 LBCL患者で54%(95%CI:25~77)、FL患者で60%(95%CI:25~83)であった。

 長期的な造血機能の回復を評価したところ、慢性貧血または血小板減少は認められず、38例中36例で好中球数の回復が安定しており、2例(5%)でGrade2または3の好中球減少症が持続していた。

 9例に2次原発がんが発生し(10年累積発生率21%)、2次がん診断までの期間の中央値は4.7年(範囲:0.7~10.8)であった。

 非再発関連死の10年累積発生率は18%(新型コロナウイルス感染症関連死を除外した場合は14%)であった。

 CAR導入遺伝子の持続性が、長期的な奏効に関連していると考えられた。長期奏効例の44%において、B細胞無形成が持続していた。

(医学ライター 吉尾 幸恵)