リファンピシン耐性肺結核、4~5剤併用6ヵ月投与が有用/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2026/07/13

 

 リファンピシン耐性肺結核の治療では、最近まで最大7種の薬剤を含むレジメンの9~18ヵ月間の投与が行われてきた。2022年、WHOは治療ガイドラインを改訂し、ベダキリンやpretomanidなどの新薬を含むレジメンの6ヵ月間の投与を、推奨される標準治療として追加したが、現在、pretomanidは14歳未満の小児や妊娠中または授乳中の女性には禁忌とされる。南アフリカ共和国・University of the WitwatersrandのFrancesca Conradie氏らは、「BEAT Tuberculosis試験」において、小児や妊娠中・授乳中の女性を含む患者集団の治療では、ベダキリン、リネゾリド、デラマニド、レボフロキサシンまたはクロファジミンを含む新戦略の6ヵ月間投与は同国の標準治療の9ヵ月間投与に対し、有効性に関して非劣性であり、安全性プロファイルは同程度であることを示した。研究の成果は、NEJM誌2026年6月25日号に掲載された。

ベダキリン、リネゾリド、デラマニド+レボフロキサシン/+クロファジミン併用投与

 BEAT Tuberculosis試験は、南アフリカ共和国の2つの都市部地域で実施した実践的な非盲検無作為化対照比較第III相非劣性試験(米国国際開発庁などの助成を受けた)。2019年8月~2022年10月に、年齢6歳以上、リファンピシン耐性の肺結核で、イソニアジドやフルオロキノロン系抗菌薬への耐性の有無は問わず、妊娠中または授乳中の女性を含む患者を登録した。

 被験者403例(年齢中央値35.0歳[四分位範囲[IQR]:28.0~43.0]、女性170例[42.2%]、BMI中央値19.2[IQR:17.1~22.2])を、ベダキリン、リネゾリド、デラマニドと、レボフロキサシンまたはクロファジミン(あるいはこれら両方)の投与を6ヵ月間受ける群(試験戦略群203例)、またはリファンピシン耐性結核に対する南アフリカ共和国の標準治療を9ヵ月間受ける群(対照群200例)に無作為に割り付けた。

 有効性の主要エンドポイントは、治療終了時および無作為化から76週の時点における良好なアウトカム(治癒または治療完了)であった。治癒は、適格な治療アドヒアランス(投薬順守率≧80%)を達成し、治療終了前の14日以上の間隔を空けた2回の喀痰検査で陰性であること、治療完了は、適格な治療アドヒアランスを達成し、治療失敗の証拠がないことと定義した。非劣性マージンは10%ポイントとした。

良好なアウトカム、試験戦略群86.1%vs.対照群86.0%

 ベースラインで30例(7.4%)が8~17歳、女性参加者のうち9例(5.3%)が妊婦で、205例(50.9%)がHIV感染者、167例(41.4%)がBMI値<18.5であった。

 良好なアウトカムは、試験戦略群で202例中174例(86.1%)、対照群で200例中172例(86.0%)に認められた。両群間の補正後リスク差は-0.2%ポイント(95%信頼区間:-6.9~6.5)であり、対照群に対する試験戦略群の非劣性が確認された(非劣性のp=0.001)。

 治療失敗は、試験戦略群で7例(3.5%)、対照群で10例(5.0%)にみられた。治療失敗が確認された時点で、試験戦略群の3例と対照群の5例にベダキリン耐性を認めた。また、14例が再発し、このうち10例(5.0%)は試験戦略群、4例(2.0%)は対照群であった。

Grade3以上の有害事象31.2%vs.37.0%、すでにWHOガイドラインに反映

 治療期間中に、Grade3以上の有害事象(安全性の主要エンドポイント)が試験戦略群の63例(31.2%)、対照群の74例(37.0%)で発生した。治療期間または追跡期間中に、各群10例(5.0%)が死亡した。すべての安全性エンドポイントに関して、両群間に意義のある差を認めなかった。

 治療期間中の重篤な有害事象は、試験戦略群で38例(18.8%)、対照群で44例(22.0%)に発現した。治療期間中および治療後に発生した最も頻度の高い重篤な有害事象は、担当医によってリネゾリドが原因とされた貧血で、それぞれ33例(16.3%)および29例(14.5%)にみられた。これらは、数日の投薬中断と赤血球輸血で管理された。

 著者は、「本試験の結果は、すでにWHOの薬剤耐性結核の治療ガイドラインに反映され、2024年6月の改訂で、この4剤または5剤の併用療法が推奨レジメンの1つとされている」としている。また、「得られた知見は、現在pretomanidの使用が禁忌とされる優先対象集団(小児や妊娠中、授乳中の女性など)に対する有効な治療戦略のエビデンスを示しており、リファンピシン耐性結核のすべての患者に対して、新たな治療選択肢を提供するものである」と指摘している。

(医学ライター 菅野 守)