うつ病か?せん妄か?うつ病の過剰診断の現状

提供元:ケアネット

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公開日:2026/01/29

 

 精神科以外の臨床医によるうつ病とせん妄の誤診は一般的である。うつ病の過剰診断は、正常な情緒反応へのスティグマやせん妄への対応遅延につながる可能性がある。米国・クリーブランド・クリニックのMolly Howland氏らは、精神科以外の医療サービスとコンサルテーション・リエゾン精神科(CLP)サービスとの間における診断の一致率を調査するため、多施設におけるレトロスペクティブカルテレビューを実施した。Journal of Psychosomatic Research誌2026年2月号の報告。

 クリーブランド・クリニックの2施設における入院患者を対象に、うつ病およびせん妄の紹介について調査した。紹介理由とCLPサービスの診断の一致率を評価した。従属変数として、うつ病の過剰診断、うつ病と誤診されたせん妄を、独立変数として、チームの主要専門分野、人口統計学的、臨床的変数を用いて、多変量ロジスティック回帰モデルを実施した。

 主な結果は以下のとおり。

・診断一致率は、せん妄で88%、厳密なうつ病診断で67%、広義のうつ病診断で80%であった。
・CLP精神医学的診断を受けなかったうつ病で紹介された患者のうち、適応障害が49%、不安症/強迫症が18%、せん妄が16%、神経認知障害が4%で診断された。
・高齢、過去の精神医学的診断は、うつ病の過剰診断の可能性を低下させた。
・向精神薬の使用は、せん妄がうつ病と誤診される可能性を高めた。

 著者らは「プライマリケアでは、うつ病が過剰診断されており、せん妄はより正確に診断されていた。しかし、代替診断のほとんどが不安症/強迫症であったことを考えると、プライマリケアは心理的苦痛の特定に長けているように思われ、これは精神科医によるスティグマ解消の啓発や教育活動に関連している可能性がある。プライマリケアでは、過去の精神疾患診断をうつ病のリスク因子として認識し、高齢者の症状にも配慮していたが、過去の向精神薬の使用はバイアスをもたらす可能性が示唆された。直接的な知識や態度の評価を含む、さらなる研究が今後求められる」としている。

(鷹野 敦夫)

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